新車で買えるクラシックレーサーレプリカ「スカイチーム・エース125S」|その乗り味は現代的?ノスタルジー?

スカイチームという二輪メーカーをご存じだろうか。1999年に香港で創業し、中国本土に生産拠点を持つ会社で、2014年から岐阜市にあるイリストレーディングを通じて日本でも販売されている。今回試乗するのは、1960年代の小排気量レーサーをオマージュした「エース125S」だ。

REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●カスタムホビーショップ アローズ(https://arrows-hobby.com/)

ディテール解説

エンジンは124cc空冷SOHC2バルブ単気筒。ごく初期に輸入された車両には、CG125に端を発するOHVエンジンが搭載されていたほか、海外で販売されている多くの個体もこれに準じるが、輸入元のイリストレーディングの要望により、現在はSOHCエンジンのみが日本に上陸している。これはOHVよりも高回転域での吹け上がりが良いとの判断からだ。
ホンダのドリーム50は単気筒ながら左右にマフラーを備えるが、エース125Sは一般的な右1本出しマフラーを採用。リヤブレーキはドラムだ。
ホイール径は前後とも18インチで、リムはスチール製。標準装着タイヤはYUANXING製だ。フロントフォークは正立式で、フォークブーツ付き。フロントのブレーキキャリパーはピンスライド片押し式2ピストン。ABSや前後連動システムなどは採用されていない。
リヤサスはツインショックで、スプリングはブラック。プリロード調整は5段階。スイングアームにあるネジ穴はタンデムステップを追加するためのものだ。
スタンダードモデルのハンドルが一文字なのに対し、Sはブラック塗装のスワロータイプを採用。
スピードメーターはkm/hとmphが併記された指針式で、距離計はなく積算計のみ。タコメーターについては、付けてくれるようにスカイチームに要望を出しているという。イグニッションスイッチはオン/オフのみで、ハンドルロックはアンダーブラケットにある。
灯火類は全てフィラメント球。ヘッドライトは昔懐かしいガラスレンズだ。
ホンダの旧車によく見られるデザインのテールランプ。前後フェンダーはスチール製だ。
スタンダードモデルよりもややワイドなデザインの燃料タンクはS専用品。それでもニーグリップエリアは非常にスリムだ。
シングルシートカウルを取り外せばタンデムが可能となるS専用シート。座面は狭いが、ウレタンが厚いのでお尻が痛くなりにくい。

エース125S 主要諸元

エンジン 空冷4サイクル単気筒2バルブ
排気量 124cc
ボア×ストローク 56.9mm×49.5mm
出力 7.0kw(9.5ps)/8,500rpm
最高速度 85km/h
イグニッションシステム CDI
スターター セル&キック
変速機形式 5段リターン
燃料タンク容量 6.2ℓ
フロントブレーキ ディスク
リアブレーキ ドラム
フロントタイヤ 2.75-18
リアタイヤ 3.00-18
全長 1,910mm
全幅 680mm
全高 990mm
乾燥重量 87kg
生産国 中国

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著者プロフィール

大屋雄一 近影

大屋雄一

短大卒業と同時に二輪雑誌業界へ飛び込んで早30年以上。1996年にフリーランス宣言をしたモーターサイクル…