トライアンフの新モデル、デイトナ660が日本初公開。中免で乗れる&出来が良いと好評のスピード400/スクランブラー400Xも揃い踏み

トライアンフから発売される注目のNEWモデルとして、大阪モーターサイクルショー2024にてデイトナ660が日本初公開された。普通二輪免許で乗れるスピード400/スクランブラー400Xの兄弟車も展示され、ファンは実車を見て&触って質感を品定め。愛車選びに迷っている人にとっては、名門トライアンフが感じられる良い機会になったようだ。


REPORT&PHOTO●川島秀俊
大阪モーターサイクルショー2024にて日本初公開となったデイトナ660。659cc並列3気筒エンジンを搭載するフルカウルスポーツで、ツアラーとスーパースポーツの中間的なキャラクターとなっている。

久しぶりに復活したフルカウルスポーツ
3気筒の魅力を堪能できるデイトナ660

英国を代表するオートバイブランドとして、100年以上も進化を続けてきたトライアンフ。マン島TTレースでの活躍をはじめ、今はFIM Moto2世界選手権の独占エンジンサプライヤーとなって765cc3気筒エンジンを全チームに供給している。
そんなトライアンフの技術力を継承するモデルが、659cc並列3気筒エンジンを搭載するデイトナ660だ。フルカウルスポーツモデルでは、かつてのデイトナ675以来の復活で、ファン待望のラインアップといえるだろう。

排気量から分かる通り、このデイトナ660のベースはネイキッドスポーツのストリートトリプル765ではない。よりストリートを重視したトライデント660をベースにするが、スロットルボディを3連化したり足周りを変更するなど、パワーも走行フィールもスポーツモデルへとチューニングされている。ブレーキのラジアルマウント化や専用外装を装備するなど、その内容はまるで新設計といえるほどのこだわりぶりなのだ。

デイトナ660が目指したのは、ユーザーのニーズに寄り添うこと。過激なスーパースポーツではなく、適度なスポーツ性とツーリングユースなどのユーティリティを高次元にバランスさせたのだ。扱いやすいミドルクラスは日本の道路事情に向いており、しかもお求めやすい価格というのも嬉しい限り。手軽に乗れる輸入車として、幅広いライダーに受け入れられそうだ。

フレームやスイングアーム、エンジンはネイキッドモデルのトライデント660がベースではあるが、多数の専用設計を盛り込んで別モノへと変身! ただフルカウルを付けただけという認識は間違いで、デイトナという名に相応しい性能が味わえる。
エンジン出力は70kW(95ps)で最大トルクは69N・mを発揮。3種類のライディングモードから、好みのエンジンフィールで走ることができる。

カスタムビルダーが仕上げたような存在感を発揮!
普通二輪免許で乗れるスピード400/スクランブラー400X

近年では大型二輪モデルしかラインアップしなかったトライアンフから、待望の400ccモデルが発売。普通二輪免許で乗れるトライアンフとして、スピード400/スクランブラー400Xの兄弟車が話題となっている。どちらも398cc水冷単気筒エンジンを搭載するネオクラシックモデルで、スピード400が前後17インチタイヤを装備するオンロード仕様、スクランブラー400Xがフロント19インチ/リヤ17インチタイヤを装備するスクランブラー仕様となっている。

見るからにカスタムテイストを漂わせるディテールは、ムダを削ぎ落としたシンプルさと機能性が高次元でコラボしたもの。ゴールドに輝く倒立フォークや高品質なマフラーが、格好のアイキャッチとして魅力を高めている。注目すべきはそれぞれの作り込みで、最適なハンドリングを得るためにフレームから専用の設計を採用。通常ならコスト重視でフレームとエンジンは共通にしそうだが、基本設計を同じくしながらスイングアームのピボット位置が変更されている。単なるパーツの組み替えで作ったバリエーションではなく、それぞれのキャラクターに合わせた乗り味に仕上げられているのだ。見た目やカタログスペックだけでは分からない違いがあるので、購入を悩んでいる人は是非とも試乗するチャンスを活用してもらいたい。

オートバイらしい丸目ネイキッドスタイルのスピード400。従来からのビッグツインとは異なる、シングルの鼓動感が味わえるトライアンフとして、新たな魅力を発信している。
エンジンは398cc水冷DOHC4バルブ単気筒で29kW(40ps)/8,000rpmを発揮。空冷フィンを模したデザインを盛り込み、スタイリッシュな外観に一役買っている。
スクランブラー400Xはフロントに19インチタイヤを装備し、悪路での走破性を向上。前後ホイールも専用設計で、細部までオリジナリティが追求されている。
スクランブラー400Xのマフラーは個性的で、細いデュアルサイレンサーのダウンタイプを採用。無骨なヒートガードがクラシックな雰囲気をアピールする。
スクランブラー400Xのシートはタックロールタイプの分割式。シート高は835mmで、スピード400より45mm高くなっている。

主要諸元/スピード400

主要諸元・スピード400

全長:2,055mm
全幅:814mm
全高:1,084mm
シート高:790mm
乗車定員:2人
排気量:398cc
車両重量:170kg
エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒
最高出力:29.4kW (40ps)/8,000rpm
最大トルク:37.5Nm/6,500rpm
トランスミッション:6速リターン式
フューエルタンク:13L
ブレーキ:前 ディスク、後 ディスク
タイヤサイズ:前 110/70R17、後 150/60R17

メーカー希望小売価格(消費税10%を含む):¥699,000

主要諸元/スクランブラー400X

主要諸元・スクランブラー400X

全長:2,115mm
全幅:901mm
全高:1,169mm
シート高:835mm
乗車定員:2人
排気量:398cc
車両重量:179kg
エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒
最高出力:29.4kW (40ps)/8,000rpm
最大トルク:37.5Nm/6,500rpm
トランスミッション:6速リターン式
フューエルタンク:13L
ブレーキ:前 ディスク、後 ディスク
タイヤサイズ:前 100/90-19、後 140/80-17

メーカー希望小売価格(消費税10%を含む):¥789,000

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