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E-BOOSTで1000cc並みの加速を発揮!
普段は250ccクラスの燃費で走るNinja 7ハイブリッド
オートバイでは難しいとされていたストロングハイブリッドモーターサイクル。この『ストロング』とは、モーターの駆動のみでも走行できるシステムのことで、搭載する部品点数が多くなるのがネック。異なる名称に『マイルド』ハイブリッドというのがあるが、これはエンジンパワーのアシスト専門で、比較的搭載しやすいシステムとなる。小排気量のスクーターなどに搭載されるハイブリッドシステムは、このマイルドハイブリッドに分類される。
当然、ストロングハイブリッドとなるとエンジン車にEVの機能を合体させねばならないので、車体は大きく&重くなる。コストや実用性を考えれば、市販車はもっと先かと思っていた。ところが、カワサキがやってくれました! いよいよ6月15日にストロングハイブリッドを搭載するNinja 7ハイブリッドを発売するのだ。
Ninja 7ハイブリッドに搭載するエンジンは451cc並列2気筒で、エンジン単体での最高出力は58ps。モーター単体では12psの最高出力があり、システム総合で69psを発揮する。モーターが得意とするのはむしろトルクの方で、エンジン単体の最大トルクが43N・mなのに対し、モーターの最大トルクは0~2,400rpmで36N・mを発揮。システム総合では60N・mとなるが、ゼロ発進から最大トルクを発揮するモーターの加速力は驚異的だ。
システム総合性能をフルに使う「SPORT-HYBRID」モードには瞬間的に5秒間作動する「E-BOOST」機能があり、これを作動させると1000ccクラスの加速が可能。その他の走行モードは、モーターで発進してエンジンが協調する「ECO-HYBRID」モードと、モーターのみで静音走行できる「EV」モードを搭載する。四輪車のプリウス的な走りができ「ECO-HYBRID」モードでは、600ccクラスの車格ながらNinja250と同等の低燃費を実現しているのだ。ちなみに「EV」モードでの航続距離は10km程度とのことだが、早朝に自宅を出る時や観光地での移動など、排気音にナーバスになるシーンで活躍するには十分といえるだろう。
そして意外に役立ちそうなのが、車庫入れなどに使用できる「ウォークモード」。スロットル操作にて前進3km/h、後進2km/hで自走でき、坂道も苦にせず取り回しできるのはありがたい。ミッションは電子制御の6速オートマチックで、左手元のセレクター操作でマニュアルシフトも可能。エンストの心配もなく、ゲーム感覚で操作できるNinja 7ハイブリッドの登場は、新たなバイクライフの扉を開くことになるだろう。
ガソリン給油が不要のEVコミューター
125cc登録で便利に使えるZ e-1
1月13日に発売されたEVオートバイのNinja e-1とZ e-1は、国内メーカーからは初登場となる本格的な電動二輪車。大阪モーターサイクルショー2024ではネイキッドモデルのZ e-1が展示され、そのディテールに関心の目が向けられた。
Z e-1の車体はZ250がベースで、車格はそのまま250ccクラス。エンジンの代わりにモーターを搭載するのでマフラーはなく、とてもスリムに仕上がっている。登録はモーターの出力から原付二種となっており、満充電での航続距離は約60kmとのこと。用途としては、本格的な車格が楽しめるシティコミューターというキャラクターだ。
Z e-1はEVなのでモーター出力をそのままアウトプットしており、ミッションやクラッチは搭載していない。スクーターのように、アクセルとブレーキだけで簡単に操作できる次世代のEVモーターサイクルだ。走行モードは電力消費を抑える「ECO」モードと、モーター出力をそのまま発揮する「ROAD」モードの2種類があり、どちらでも15秒間使える「E-BOOST」機能を搭載。一時的に加速と最高速をアップでき、ゲーム感覚でライディングが楽しめる。車体は135kgと軽量ながら、取り回しに便利なウォークモードによって極低速の前後進も可能。坂道での押し歩きや車庫入れなどで活躍しそうだ。充電方法は3通りあり、2個搭載するバッテリーを外す場合は充電器から直接充電するか充電ドック経由での充電が可能。バッテリーを車載したままなら、車載専用充電器で2個を順次充電できる。充電に必要な時間は最大で7.4時間だが、通常は継ぎ足し充電になるので、そこまで時間はかからないだろう。航続距離や充電時間の制約があるので用途は限定的にはなるが、EV補助金を活用すれば意外に安く購入できる場合がある。通勤や通学、普段のアシに125ccクラスの購入を検討している人には、選択肢のひとつとして考えるのもアリだ。
Ninja 7 ハイブリッド/主要諸元
Ninja 7 ハイブリッド/主要諸元 全長:2,145mm 全幅:750mm 全高:1,135mm シート高:795mm 乗車定員:2人 排気量:451cc 車両重量:228kg エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒 エンジン最高出力:43kW (58ps)/10,500rpm エンジン最大トルク:43Nm(4.4kgf・m)/7,500rpm モーター最高出力:9.0kW (12ps)/2,600~4,000rpm モーター最大トルク:36Nm(3.7kgf・m)/2,400rpm システム最高出力:51kW (69ps)/10,500rpm システム最大トルク:60Nm(6.1kgf・m)/2,800rpm トランスミッション:電子制御式マニュアルモード付オートマチック6速リターン フューエルタンク:14L ブレーキ:前 ダブルディスク、後 ディスク タイヤサイズ:前 120/70ZR17M/C 58W、後 160/60ZR17M/C 69W メーカー希望小売価格(消費税10%を含む):¥1,848,000
Z e-1/主要諸元
主要諸元・Z e-1 全長:1,980mm 全幅:730mm 全高:1,035mm シート高:785mm 乗車定員:2人 バッテリー総電圧/総電力量:50.4V/30Ah×2 車両重量:135kg(バッテリー2個含む) モーター:交流同期電動機 定格出力:0.98kW 最高出力:9.0kW (12ps)/2,600~4,000rpm 最大トルク:40Nm(4.1kgf・m)/0~1,600rpm トランスミッション:オートマチック バッテリー:リチウムイオンバッテリーパック×2(11.5kg×2) ブレーキ:前 ディスク、後 ディスク タイヤサイズ:前 100/80-17M/C 52S、後 130/70-17M/C 62S メーカー希望小売価格(消費税10%を含む):¥1,012,000