バイクとお尻のトラブル関係|原付バイクに「丸直のゲルザブ埋め込み」を施したら !? の巻|楽しいアプリオ14

JOGアプリオシート(加工前)
シートがボロボロ、どうしよう。カバーを掛けて簡単に済ますか、それともまるっと張り替えか。痔の調子が悪いから一緒にゲルを埋め込んでもらおう! 

取材協力●丸直 http://www.marunao.co.jp/bike/

燃えるように痛い!を解消したい

今回の主人公JOGアプリオ。発売から20年の間に、紫外線や雨風を受け続けたとあって、外観もシートもボロボロなのは仕方ないことかもしれません。

持病の痔が痛くなってきた。原因は68cc化によって今まで以上に強烈な加速Gが掛かるようになったから……というのはちょっと大げさな理由ですが、痔の悩みは本当です。シートがボロボロということもあって、今回は「シート張り替え+ゲル埋め込み」というのがメインテーマです。

なんでも成人の3人に1人が痔の悩みを抱えていて、男女の割合は半々。それでいて、その大半が病院には受診せずというのが昨今の日本の「痔事情=痔情」だそうです。

現在40代のワタクシですが、初めて尻に違和感を覚えたのはかなり早熟。物覚えの着く前(自身の記憶では3歳からすでに)から便秘がちで、「3週間で0便」もよくあるパターン。水洗トイレの大の水流で微動だにしない特Aサイズも当たり前というものだから、お尻が切れてしまうのはしようがないことかもしれません。10代の頃には“いぼ痔”のような症状も併発。痛いけれど、恥ずかしい。もじもじとお尻をずらしたりしながらも、なんとかやり過ごしてきましたが、結局現は病院には行かずじまい。

とはいえこれがなかなかの曲者で、ことバイクライフにおいては、シート幅の狭いシート幅の細いオフロード車は45分でギブアップ。前傾姿勢のネイキッドやスポーツバイクも1時間が関の山で、もっとも楽に乗れるのがドカッと腰を下ろすスクーターです。

症状的には「菊のお花がジンジンしたり、桃の割れ目が燃えるように痛んだり」。自己診断では、「いぼ時々切れ痔」といったところでしょうか。

そもそも痔が悪化する要因は、
「長時間同じ姿勢→血流が悪くなる→痔になる、痔が悪化する」

この負のスパイラルをいかに断ち切るかが重要なわけで、デスクワークでは1時間ごとに休憩するのが重要で、これはバイク乗車時も同じことがいえます。
ただし私の場合は、1時間に1度の休憩では足りず(バイクの車種にもよりますが)、2回目以降からの休憩スパンをどんどん短くしていかないとつらい。姿勢を直せる信号待ちや渋滞が恋しくなってくる始末です。なのでバイクでの遠出は苦手です。

ずいぶん前置きが長くなりましたが、こういった理由から今回は、シートを張り替えとともに、ゲルシートの導入を決断しました。ただ、シートの上に座布団のように乗せるタイプは数あれど、見栄えがどうしても苦手で……。バイクシート張り替えの老舗、丸直さんに、純正のあんこ(スポンジ)にゲル(ゲルザブ)を埋め込んでもらう加工をお願いしました!

ゲルザブって何だ?

荷重によってゆっくり沈んで包み込み、ゆっくり回復する特殊柔軟ゴム、EXGEL(エクスジェル)を採用。あらゆる方向へ緩やかに追従するため、人間の微妙な動きを妨げません。 発泡素材ではないので経年変化が少ない、-5~+35℃で硬さの変化が起こらないという特徴があります。
ゴムの特性をもつエクスジェルは、ウレタンフォームやメモリーフォーム(低反発ウレタン)のようなスポンジ状の発泡体とは異なり、圧力が1点に集中しづらいという特徴があります。広い面で圧力を受け止めることで痛みや疲労を緩和します。
ウレタンフォームのように衝撃を瞬間的に受け止めることなく、ジェル自身が多方向に衝撃を打ち消しながら力を伝達することで、高い衝撃吸収力を発揮します。路面からの衝撃やエンジンの振動を吸収する効果も高い。

張り替え依頼は意外と簡単!

シートの依頼方法を、ざっくり説明するとこんな流れです。
加工依頼WEBサイトのオーダーオーム(PDF)に表皮の色や種類、パイピングの有無といった必要事項を記入して、梱包したシートとともに発送する。

ユーザーにとって嬉しいポイントが、
「表皮の色はPCやスマホと異なるため、カットサンプルを無料で送ってもらえる」ということ。

黒系の表皮で悩んでいることを電話で問い合わせると、後日にメール便にて黒系だけでも6種類のサンプルが到着。しっかりと吟味して選択することができました。

こちらがサンプル。滑りやすい、滑りにくいといった特徴も明記されていて親切。乗車中でもお尻が痛くなったらズラしやすいように、ほどほどに滑る、一般的な表皮を選びました。

納期の目安は1か月

納期は混雑状況によって異なりますが、WEBサイト上に目安が掲載されています(9月下旬現在の目安は1か月くらいとなっていました)。

ひと月後には梱包された新生シートが宅配便で届き、ご対面。
純正シート風を狙って選んだ黒の表皮の出来栄えは素晴らしく、ゲルが埋め込まれている部分も、じ〜っくりと見ないとよくわからないほどナチュラルな仕上がりはさすが職人技です。

BEFORE ボロボロです!

こちらが施工前のシート。黒ずみ、やぶれ、ほつれのボロボロ状態に張り替えを決意するほど。

パイピング周りの複数箇所がほつれ、雨の日はズボンに染みができます。
じつは純正シートの上からさらにカバーを被せていた状態でした。おそるおそるカバーを外して、純正シートをのぞいてみると、こちらのヤレ具合はもっとひどい。
座面と後端部分が大きく破れています。ただし、カバーのおかげであんこそのものは濡れることはなかったようです。

発送準備オーケイ!

ゲルザブを埋め込んでもらう場所を指定するために、実際に座っていつもの着座位置を確認。
着座位置にマスキングテープ等でマーキングします。
発送するためにシートを取り外します。JOGアプリオはナット2個を外すだけ。
プリントアウトしたオーダーフォーム(PDF)に表皮のカラーコード(銘柄)指定の他に、パイピングやタックの有無など必要事項を記入します。
シート本体とオーダーフォームを合わせて梱包し、丸直宛てに発送します。

ここからがプロの作業です!

丸直に届いたシートの状況をプロの目でしっかりと確認。ノーマルの表皮を剥がして丸裸に。シートの破れていた部分は黒く汚れていますが、その他は意外ときれいな状態でした。

ゲルザブをあてがい、埋め込む場所の再確認。Sサイズはアプリオのシートには大きすぎたので、今回はSSサイズを使用します。
埋め込む箇所にマーキングします。ゲルザブの特性上、アールのついた部分には埋め込めないため、前側ギリギリに配置することに。
マーキングに沿って切削。いかに凹凸なく美しく削るか、職人の腕の見せどころです。
切削した溝にゲルザブをセット。ジャストフィットの仕上がりに脱帽です。
純正あんことゲルザブを白いシートでまるっと覆うことで、継ぎ目をなじませて着座時の違和感を減らします。
ここからは表皮製作。指定したカラーの表皮でパターンを起こし、裁断します。
今回は「ノーマルと同じようなデザインで」とオーダー。3種類のパターンで構成されています。
こからは縫製作業。プロ用ミシンで縫い合わせていきます。
表皮張り込み作業。余分なシワが出来ないように、引っ張りながら張り込んでいきます。
裏面からタッカーで表皮を固定。間隔を狭く打つことで綺麗な見ために仕上がります。

AFTER 完成です!

おおよそ1ヶ月後に到着した、新生シートがこちら。黒の表皮に黒いステッチで一見ノーマル風ですが、サイド部分に「marunaoタグ(白文字×黒地)」のアクセントが追加され、イイ感じです!

前から見ても、後ろから見てもカスタム感のほとんどない、純正風の仕上がりは私の希望通り。もちろん赤や青、グレーなど丸直では様々な表皮の色も揃っているので、車体色に合わせ選択するのもアリですね。
ゲルザブを埋め込んだ場所も一見ではわからず!のクオリティ。指で押したくらいでは通常のあんこ部分との違いはなさそうです。
こちらが全体像。やっぱり新品の質感はいいですね。対して、樹脂カウルの日焼け具合がなんだか気になってきました。

乗り心地はどう変わった?

やはり気になるのはシートの座り心地(特に痔に対する)。

さっそく取り付けて走り出すと、わずか10分でお尻がむずむずしはじめて「???」。前日の昼食で大好物の唐辛子を多めに食べてしまったためお尻のコンディションが最悪の状態だったことが発覚(うっかり)。これではシートの良し悪し以前の問題。食生活が重要だと思い知らされました。

日を改めての試乗では80km、3時間ほど走行。林道、砂利道を走りまくってのなかなかの悪条件でしたが、「痔」に関してはノーダメージ。お尻とゲルザブとの接触部分がうまく圧力を分散させているのだと思われます。また、2ストエンジンの微細な振動を打ち消す効果も通常のあんこよりも優れていて、疲労感の低減に一役買ってくれました。

ひとつ気になったのは、シート左右のエッジのついた部分と接触するお尻(大臀筋)まわりに違和感を覚えたこと。ここはゲルザブが入っていない(セットできない)純正のアンコの場所で、体圧が集中しやすいのだと思います。ただし、1時間ちょっとくらい走って少し気になり始めた程度なので、普段使いならばあまり問題はなさそうです。このエッジ部分もゲルでカバーしたい場合は、「ゲルザブ貼り付け加工」という解決策があるので、ありがたいところです(しかも施工代もこっちのほうが安上がり)。

結局ゲルザブってアリ?ナシ?

ゲルザブの埋め込み加工代15,000円はなかなか贅沢な金額ですが、見栄えは納得のクオリティ。痔に関する悩みもズバッと解決できたので、私としてはゲルザブの埋込加工には満足でした。
大臀筋の違和感も我慢できる範疇で、途中休憩がてらに立ち寄った飲食店の椅子の方が痛かったくらいで、それと比べるとアプリオ+ゲルザブの組み合わせは優秀だと感じました。

相性の悪いバイク(シート)にありがちな、ツーリングに出発早々に「もう限界かも。もう帰りたい」となってしまう不安が一切なかったことは、かなーり嬉しかったですね。

今回の加工費内訳

基本料金(シングル)6,000円
ゲルザブSS埋込 15,000円   
加工費計21,000円(税込)   
 
※ゲルザブの効力につきましては個人差があり、効果を保証するものではございません
※2021年9月時点での価格となりますので、ご利用の際はメーカーへご確認下さい。

著者プロフィール

山田 俊輔 近影

山田 俊輔

Motor-Fan BIKES 編集長1981年生まれ。身長180cm(モジャモジャを足すと185cm)。初めて…