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雑誌「モトチャンプ」は原付の楽しみ方を長年追求してきた。原付のなかでも「4MINI」と呼ばれる4ストエンジン車が人気のカテゴリーで、ホンダ製横型エンジンモデルはその筆頭株であり、さまざまな楽しみ方ができた。「4MINI」といえば、1967年に発売されたホンダ・モンキーが代表格。長い歴史を持つモンキーだが、モトチャンプが取り上げてきたのはリヤサスペンションを装備するようになったZ50J以降のモデルがメイン。実際、販売台数もZ50Jから格段に多くなり、カスタムベースとしての地位を不動のものにした。そのZ50Jが2024年に生誕50周年を迎えた。そこで「モトチャンプ」3月号で大特集を組むことになる。今回はユーチューブで動画を無料配信している「モトチャンプTV」でも本誌3月号と連動して「モンキー『Z50J』50周年を祝して魅力を深掘り!」という回をアップしている。例によってダイジェストにしてみたので、モンキーZ50Jの歴史と楽しさを改めて振り返ってみよう。
Z50Jの歴史
今回の動画は編集長チャボの一人語りで進行している。モトチャンプとして最も愛してきたモデルがモンキーZ50Jであり、発売50周年を記念して今回の企画が組まされた。まず歴史を振り返ると、1974年に発売されたZ50Jは特徴的な形状の通称「4リッタータンク」や先代モデルから継承した折りたたみ式の通称「クルクルハンドル」、さらにはリジッドだったリヤにサスペンションとスイングアームを採用した。4輪に積載可能なレジャーバイクとしてだけでなく、普通のバイクとしても楽しめるように進化したのだ。
1978年になるとZ50J初期の「4リッタータンク」を廃止してティアドロップ型の5リッタータンクを採用するZ50Jz-1に進化する。このスタイルが長年続くことになり、いわばZ50Jで最も親しみのあるデザインと言えるだろう。このスタイルは1999年に発売されるAB27まで、実に21年間も生産された。とはいえAB27のデザインもZ50Jz-1のそれを踏襲しているので、モンキーといえばこのスタイルを思い浮かべる人が多いことだろう。
Z50Jz-1の途中まで、モンキーはスーパーカブから継承した50cc単気筒エンジンと自動遠心クラッチを装備する3速ミッション仕様だった。ところが1985年になるとモンキーならではの進化を遂げる。マニュアルクラッチと4速ミッションを新たに採用したのだ。これでよりバイクらしい走りが楽しめるようになった。
1999年には型式がZ50Jから大きく変わりBA-AB27になる。これは厳しくなる排出ガス規制に適合させるため、エンジンの吸気にFI、電子制御燃料噴射装置を採用したことが主要因。スタイルを大きく変えることはなかったものの、モンキー史上でも大掛かりなモデルチェンジだったといえる。実にこのAB27は2017年まで継続生産されることとなる。
Z50J発売時からエンジンはスーパーカブ譲りの空冷4スト単気筒49ccで、電装系には6Vが採用されてきた。6V仕様だとバッテリーが上がりやすく灯火類が暗いなど、昔ながらのバイク特有の特徴を備えていた。
1992年のZ50Jz-1からはエンジンは同じままに電装系がようやく12V仕様に進化する。12V化により電装系が安定したことで日頃のメンテナンスがラクになり、頻繁に乗らないライダーにとってもバッテリー上がりを心配することが少なくなった。
モンキーの派生モデルたち
ここからはモンキーから派生した魅力的なモデルたちを写真とともに紹介しよう。
モンキーの楽しみ方
モンキーZ50Jは「4MINI」文化を支えた立役者でもある。スタイルを好みの仕様に変更するカスタムや、エンジン・足回りをチューニングして速さを競うなどさまざまな楽しみ方が生まれた。外装がどれも小さいから気軽にスタイルを変更して楽しめるモンキーだが、チューニングによる異次元の走りは多くのライダーを魅了してきた。するとアフターマーケットもモンキーに注目して、あらゆるパーツを開発・発売してきた。チューニング・カスタムを突き詰めるとお手軽さや気楽さは無くなってしまうが、それほどまでに入れ込んでしまうライダーが多かったのも事実。以下の写真を見ているだけでも、その楽しさは伝わることだろう。まだまだこれからもZ50Jを楽しみたいし、今なら中古車も数多く流通している。初心者からベテランまで楽しめるのがモンキーZ50Jなのだ!