【茨城県笠間市】バイクで行きたいツーリングスポット|採石場の景色に感動。

東西約10kmに及ぶ山地の岩石帯で採掘される石切場。今回の「徳永茂・旅の写真コレクション」は、明治32年から1世紀以上続く、日本最大級の採掘現場として知られる「石切山脈」の光景をお届けします。

PHOTO●徳永 茂(TOKUNAGA Shigeru)
編集●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
採掘後に湧き水や雨水が溜まった採掘場跡の「前山採石場」。深い緑色が印象的なここは「地図にない湖」と呼ばれている。

都内を起点にすると首都高速と常磐自動車道経由でおよそ135km。通常2時間15〜30分もあれば到着できる。北関東自動車道の笠間西ICを出て、国道50号を笠間市方面へ5kmほど進み、“稲田”から県道289号線を北西に約1km。途中のY字路を左方の岩瀬方面へ進めば右手に見えてくる。株式会社「想石」と書かれた巨大な置き石が目印。無料の駐車場にはバイク専用駐輪場もある。ちなみに稲田交差路を逆に右折すればJR水戸線の「稲田」駅。目的地は、徒歩でも駅から20分ほどの位置にある。

東西約10km、南北は約5km、地下は1.5kmに及ぶ広大な採掘現場では綺麗な光沢のある「稲田石」が切り出され、東京駅や国会議事堂など、多くの歴史的建造物に使用されてきたそう。300円の入場料を払うと、冒頭写真の前山採石場や、「いなだストーンエキシビジョン」のアート作品が屋外展示されている、第一/第二展示場を観て回ることができる。時間が許すなら1000円を支払って約60分で回る「プレミアムツアー」への参加がお勧め。ガイド付き専用車で案内されるコースには、一般非公開の採掘作業現場が含まれ、「奥山採石場」も巡る。タイミング次第ではダイナマイト発破の瞬間に遭遇するかもしれない。ただしこのツアーは1日4回の事前予約制。興味があるなら、あらかじめ公式ホームページで調べ、予約して行くと良いだろう。

普段は目にすることのない雄大な景色と採掘後にできた湖の景色はとても美しい。さらに嬉しいのは、周辺で栗が収穫できる地場の利を生かして数量限定で作られるスウィーツの「モンブラン」も見逃せない。施設内のカフェだけだが数種のモンブランが楽しめ、ここを訪れる観光客にはかなりの人気だそう。
また周辺には「平沢高峰展望台」や益子町が近い。焼き物を求める散策はもちろん、自分で作品作成に挑戦する体験工房など、楽しめることは盛り沢山。人それぞれ、好みに合わせたコース設定が選べるだろう。

石のアートも観覧できる。

「いなだストーンエキシビジョン」のアート作品が屋外展示されている。

茨城県笠間市稲田4260-1(JR水戸線「稲田」駅から車で約3分/約1.3km)

散策コースの奥にある第二展示場。
白さが際立つ稲田石は、別名「白い貴婦人」と呼ばれている。

「石切山脈」前山採石場の絶景。

日本最大級の石切り場。地下の採掘は1.5kmの深さになるそう。

石切山脈公式ホームページ
URL:https://www.ishikiri-sanmyaku.com

入り口の目印。黒く掘り描かれた書は、株式会社「想石」
公式パンフレット。ホームページからダウンロードできる。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…