バイク好きにはたまらない、1980年代の香り漂うXSR 900GP。本物感漂うレーサーテイストを味わってみた

YSP店およびアドバンスディーラーで販売される「ヤマハモーターサイクル エクスクルーシブモデル」として投入されたプレミアムな1台。XSR900をベースに上質なパーツとハーフカウリング、そしてオリジナル・カラーリングで特別なモデルに仕上げられている。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田 俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●ヤマハ発動機株式会社

ディテール解説

コンパクトなLEDヘッド&ポジションランプや、ビス止めされたナックルバイザーも印象的。
専用開発されたKYB製の倒立式フロントフォークを装備。プリロード及び圧/伸び共に減衰調節ができる。ダブルディスクブレーキには対向4ピストン式油圧キャリパーがラジアルマウントされている。
ダイヤモンドタイプのアルミデルタボックスフレームにリジッドマウントされたブラックの水冷3気筒エンジン。クラッチケースカバーは艶消しのチタニックマット塗装仕上げされている。
左側ケースカバーにはCP3(クロスプレーン・コンセプトの3気筒)の文字が刻まれている。クイックシフターも標準装備。
ラジエターの直下で集合する3本のエキゾーストパイプは1本のアンダーマフラーを通り、左右対称のツイン排気口へと導かれる。
ボトムにリンク機構を持つモノショックサスペンションはKYB製。プリロード調節はリモコン油圧ダイアルの24段式、圧側の減衰調節も備わっている。
アルミのスイングアームに支持されているのは、17インチサイズのSPINFORGED WHIIL(スピンフォージドホイール)。装着タイヤはブリヂストン製バトラックス・ハイパースポーツS23R。ピンスライド式油圧キャリパーはNISSIN製だ。
ステアリングブラケットは上下及びステムも含めてアルミ製。トップブリッジ上部(フロントフォークの突き出し部分)にセパレートハンドルがクリップオンされている。
上手にデザインされたハンドル左側スイッチ。下方はホーンとウインカーに赤いハザードスイッチ。上方はクルーズコントロール。向こう側はディマーとパッシング。中間にはジョイスティックとホームボタンがある。
ハンドル右側のスイッチは赤と黒がひとつずつ。上の赤はエンジンキルスイッチ兼始動用スタータースイッチ。下の黒はMODEスイッチで、YRCの3モードと自分好みにプリセット出来る2つのカスタムモードから切り替え選択出来る。
5インチのTFTカラーディスプレイを採用したスピードメーター。ハンドル左側のスイッチ操作で4種の画面切り替えや各種の情報表示選択。その他電子制御やスマホと連携等の設定操作ができる。
アナログ表示式の回転計を中心とした画面デザイン。背景を暗転させることもできる。レッドゾーンは10,500rrpmから。
スマホとBluetooth接続でナビゲーション機能を使うことも可能。写真は、各種電子制御の設定画面。
スプリングのプリロードと伸び側の減衰調節(26段)ができる。ちなみに左右それぞれ同じ設定作業が必要。
フォークのボトム側では圧側減衰調節(低速減衰時と高速減速時用)ができる。
シート下側(フェンダー裏面)にあるキーロックを解除すると、前後一体式のダブルシートを取り外すことができる。
ボルトオンされたリアフレームはスチールパイプ製。バッテリーやヒューズ、各種配線が整然と納められている。
テールランプはシートエンドの下部に設定。リアフェンダー機能を併せ持つライセンスプレートステーにウインカーがマウントされている。

主要諸元

認定型式/原動機打刻型式:8BL-RN96J/N722E
全長/全幅/全高(mm):2,160/690/1,180
シート高(mm):835
軸間距離(mm):1,500
最低地上高(mm):145
車両重量(kg):200
燃料消費率(km/L):31.6(60km/h) 2名乗車時
WMTCモード値(km/L):21.1 1名乗車時
最小回転半径(m):3.5

原動機種類:水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ
気筒数配列:直(並)列3気筒
総排気量(㎤):888
内径×行程(mm):78.0×62.0
圧縮比:11.5:1
最高出力(kW):88(120PS)/10,000rpm
最大トルク(Nm):93(9.5kgf・m)/7,000rpm
始動方式:セルフ式
潤滑方式:ウェットサンプ
エンジンオイル容量(L):3.50(交換時2.80、フィルター交換時3.20)
燃料タンク容量(L):14(無鉛プレミアムガソリン指定)
燃料供給方式:フューエルインジェクション
点火方式:TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式:12V-8.6Ah(10HR)/YTZ10S

1次減速比/2次減速比:1.680(79/47)/2.812(45/16)
クラッチ形式:湿式多板
変速装置/変速方式:常時噛合式6速/リターン式
変速比:
 1速...2.571 (36/14)
 2速...1.947 (37/19)
 3速...1.619 (34/21)
 4速...1.380 (29/21)
 5速...1.190 (25/21)
 6速...1.037 (28/27)

フレーム形式:ダイヤモンド
キャスター(度):25°20′
トレール(mm):110
タイヤサイズ(前/後):120/70ZR-17M/C (58W)(チューブレス)/180/55ZR-17M/C (73W)(チューブレス)
制動装置形式(前/後):油圧式ダブルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式(前/後):テレスコピック/スイングアーム(リンク式)
乗車定員:2名

試乗後の一言!

たまには「スポーツ走行でも楽しもうか」。そんな思いに駆られる大人にお勧め。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…