604号車レプリカは604万円からオークションスタート|ヨシムラSERT Motul 2025参戦体制発表&ヘリテージパーツプロジェクト本格始動

3月28日から31日まで開催された第52回東京モーターサイクルショーのヨシムラブースにて、ヨシムラ SERT Motulチームの世界耐久選手権2025年参戦体制が発表され、日本人ライダー渥美心選手が会場に駆けつけた。また、同時に旧型車両用パーツを復刻するヘリテージパーツプロジェクトについてアナウンスされた。
2025年のヨシムラ SERT Motulチームの体制発表。加藤ディレクター、渥美心選手とサプライヤーの皆様と。

ヨシムラジャパンは3月28日から30日まで開催された第52回東京モーターサイクルショーに出展。28日に行われたカンファレンスでは、チームディレクターの加藤陽平社長により、ヨシムラSERT Motulチームの2025年参戦体制が発表された。「昨年2024年は我々ヨシムラSERT Motulは世界耐久選手権の全てのレースで表彰台に立ち、2つの24時間耐久レースで優勝してチャンピオンを撮りました。今年は2024年から体制を変えることなく、グレック・ブラック、エティエンヌ・マッソン、ダン・リンフット、それに日本人のテストライダーを兼ねた渥美心くん、この4名とともに、スズキGSX-R1000Rで、GSX-Rシリーズ40周年を迎える今年、タイトルを防衛していきたいと思っております」と述べた。会場にはマレーシアから帰国したばかりの渥美心選手も駆けつけ、次のようにコメントした。「今年もヨシムラSERT Motulで第4ライダー、そして開発ライダーとして2連覇に向けて足元を支えていくことになるんですけど、その傍、今年は加藤さんに相談させていただいて、走行機会を増やすということで、チームでスーパーストッククラスに参戦することになりました」

参戦マシンは昨年に引き続きGSX-R1000R。2025年仕様は現在開発中。
チームプロデューサーはヨシムラジャパン代表取締役の加藤陽平社長。
開発ライダーとしても活躍する唯一の日本人ライダー渥美心選手。

同時に、昨年からヨシムラが力を入れている「スズキ油冷復刻プロジェクト」さらに進化させてヘリテージパーツプロジェクトとして始動。昨年は1986年にAMAスーパーバイク選手権に参戦していたGSX-R750の604号車を復刻したレプリカを製作して話題となった。ピストンなどのエンジンパーツやカウリングなど、すでに純正パーツとしては廃盤となった補修パーツをヨシムラが純正互換パーツとして開発中。また、昨年発表した#604号車のレプリカはコンプリートマシンとして販売することも発表された。オークション形式の入札により販売され、最低車両本体価格は604万円(税別)。入札期間は6月ごろを予定している。会場には本物の#604号車でAMAに参戦していたレジェンドライダー辻本聡氏も来場。ヘリテージパーツプロジェクトについて語った。「すごく嬉しいですね。僕も油冷のGSX-Rを持っているので、パーツの再販はすごく嬉しいですね。ようやく安心して乗れるのかなぁって(笑)」

会場内にはEWC(世界耐久選手権)に参戦するGSX-R1000Rと復刻されたGSX-R750 #604号車も展示され、多くの注目を集めていた。

GSX-R750の#604号車でAMAを戦ったレジェンドライダー辻本聡選手。自身もGSX-R750を所有する。
油冷復刻プロジェクトにより誕生したGSX-R750 #604号車レプリカ。
#604号車レプリカはコンプリートカーとして販売。オークション形式で604万円からスタート。
当時の姿を再現しながら、最新のヨシムラ製チューニングパーツがふんだんに使用されている。
キャブレターはMIKUNIヨシムラのTMR-MJNのφ32mm。こちらもヘリテージパーツとして市販される予定だ。
カワサキZ1用のヘリテージパーツも開発中。オーナーからのリクエストにも応えていきたいという。

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