’80年代に米国・AMAスーパーバイクレースで大活躍した“クーリーレプリカ”のスズキGS1000Sヨシムラ仕様。製作はブライトロジック【東京モーターサイクルショー2025】

2025年3月28日(金)~30日(日)の3日間、東京ビッグサイトにて開催された国内最大級のモーターサイクルイベント「第52回 東京モーターサイクルショー」。写真は高性能サスペンションメーカー「オーリンズ」ブースに展示された、カスタムショップ「ブライトロジック」製作による“クーリーレプリカ”のスズキGS1000Sをベースにしたカスタム。
PHOTO/REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
ブライトロジック https://www.bright-logic.com/
オーリンズ https://ohlins-czj.jp/

ベース車両:スズキGS1000S……1979年発売

「クーリーレプリカ」と呼ばれる白×水色ツートンカラーのスズキGS1000S(1979年モデル)。

スズキGS1000Sは1979年と1980年の2年間設定された輸出仕様モデル。既存のGS1000をベースに、丸目一灯のヘッドライトを設けたビキニカウルを装着しているのが特徴。エンジンは空冷4ストローク並列4気筒DOHC 2バルブ997ccを搭載。同車は現在もロードレースで活躍するバイクパーツメーカー「ヨシムラジャパン(以下ヨシムラ)」と深い関係がある。

1976年、AMA(全米モーターサイクル協会)は現在のスーパーバイク世界選手権や全日本JSB1000など、スーパーバイクレースのルーツとなる「AMAスーパーバイク」の開催を開始。現在、鈴鹿8耐などロードレースで活躍するヨシムラは、カワサキZ1(1976年のレギュレーションは排気量は1,000ccまで。1980年には排気量1,025㏄までに引き上げ)で出場した。

1980年、ヨシムラはこのAMAスーパーバイクレースに“プライベートチーム”として、スズキGS1000S改で引き続きエントリー。同年はホンダワークスのフレディ・スペンサー(ホンダCB750Fベースの1,025㏄仕様/後に同車のカラー&デザインはスペンサーカラーと呼ばれた)や、カワサキワークスのエディ・ローソン(カワサキZ1000MkⅡ/後にZ1000Rはローソンレプリカ。また同車のカラーはローソンカラーと呼ばれた)など、後年世界GPで大活躍する若手の強豪ライダーたちを擁したファクトリー勢が出場。

巨大チーム&若い有望ライダーを相手に、中堅ライダーのウエス・クーリーが駆るヨシムラのスズキGS1000S改は大活躍。これがきっかけとなり、ウエス・クーリーがレースで使用したツートンカラーのGS1000Sは、スペンサーカラーやローソンレプリカ&ローソンカラーと同じく、「クーリーレプリカ」と呼ばれるようになった。

スズキGS1000S ヨシムラ仕様 製作:ブライトロジック

ヨシムラは1972年、アメリカのペンシルベニア州にあるアメリカン・ホンダのディーラー「クラウスホンダ」からの依頼を受け、ホンダ ドリームCB750FOURのチューニング(集合マフラーの開発・導入等)を手掛けるなど、古くからUSAのロードレースにゆかりがある。

写真は外装を赤と白のクーリーレプリカカラーにペイントしたスズキGS1000S。ガソリンタンク横にはヨシムラのロゴを配し、当時ヨシムラが手掛けていたAMAスーパーバイクレース出場マシンのイメージを演出。

ラジアルマウント型のブレンボ製4POTディスクキャリパーを組み込んだ正立型の3ピースフロントフォークは、オーリンズの「RWU Basic Combi」。別体型リザーブタンク付きのリアショックはオーリンズの「S36PR1C1L Legend Twin」を導入するなど、超高性能かつ超贅沢な足周りにチューン。

前後ホイールは18インチ径とし、バネ下重量を大幅に軽減するテクノマグネシオのアルミ鋳造(フロント2.75-18/リア4.00-18)を選択。タイヤサイズはフロント110/80-18、リア150/70-18をチョイス。

エンジンはノーマルのシルバーから、精悍な艶消しのマットブラックに塗装。エンジンカラーに合わせ、排気系は艶消しブラックのエキゾーストパイプ+シルバーのサイレンサーを組み合わせたブライトロジック製マフラー。吸気系は4スト用レーシングキャブレターのヨシムラミクニTM-MJNΦ36+ストリート走行に適したエアフィルターを組み合わせ。

キーワードで検索する

著者プロフィール

北 秀昭 近影

北 秀昭