前後サスペンションが豪華!|トライアンフ・スクランブラー 1200 XEはスクランブラー界の頂点かもしれない。

トライアンフがリリースするカテゴリーの中で、最も多くのバリエーション展開を誇るのが直(並)列2気筒エンジンを搭載するモダン・クラシック。今回のスクラブラーもその中に属し900と1200を揃えている。その最高峰に君臨しているのが、この1200XEである。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●徳永 茂(TOKUNAGA Shigeru)
取材協力●トライアンフ モーターサイクル ジャパン

※2020年8月29日に掲載した記事を再編集したものです。
価格やカラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

トライアンフ・スクランブラー 1200 XE
オーソドックスなデザインのフロント照明はLED式。ゴールドが目立つShowa製の倒立式フロントフォークはXCよりも太いφ47mmサイズ。ストロークはXC+50mmの250mmを稼ぎ出している。
トライアンフ・スクランブラー 1200 XE
ブラックリムを組み合わせたスポークホイールは21インチサイズ。タイヤはチューブレスのメッツラー製TOURANCEを履く。ダブルディスクブレーキは、φ320mmのフローティングローターにブレンボ製対向4ピストンの油圧モノブロックキャリパーをラジアルマウント。
トライアンフ・スクランブラー 1200 XE
ボンネビル系のパワーユニットはXCと同じ。270度クランクの水冷1200cc直(並)列2気筒を搭載。バリエーションには程よくダウンサイジングされた900ccモデルもある。
トライアンフ・スクランブラー 1200 XE
エンジン前方から車体後方までストレートに跳ねあげられたツインアップマフラーがダイナミックなサイドビューを作り上げている。
トライアンフ・スクランブラー 1200 XE
アルミスイングアームと2本ショックを組み合わせたリヤサスペンション。ショックユニットは黒スプリングを採用したオーリンズ製のリザーバータンク付きフルアジャスタブルタイプ。フロントと同じ250mmのホイールトラベルを誇る。
トライアンフ・スクランブラー 1200 XE
リヤブレーキはシングルディスクを装備。リジッドマウントされたφ255mmローターにブレンボ製2ピストン・ピンスライド式油圧キャリパーが組み合わされている。
トライアンフ・スクランブラー 1200 XE
テーパードタイプのシルバー・バーハンドルには堅牢なナックルガードを装備。低、中、高の3段階に温度調節できるグリップヒーターも標準装備されている。
トライアンフ・スクランブラー 1200 XE
内部照明により各スイッチのピクトグラムは綺麗に浮かび上がる。左側には8個の各種スイッチが並ぶ。グリップの内側にはグリップヒータースイッチ。親指操作のベストポジションにホーンボタン。その右がジョグスティック。上に行くとウインカー、モードボタン、向こう側に隠れているのが、人差し指で扱うディマースイッチ、クルーズコントロールボタン、そしてフォグランプ用にあてがわれるスイッチだ。
トライアンフ・スクランブラー 1200 XE
左側と同様に内部照明付きのハンドル右側スイッチ。上から順に赤いハザードスイッチ、シーソー式のエンジンスタート/ストップスイッチ、グレーボタンはHOMEボタン。メーターディスプレイのメインメニューを開いたり閉じたるできる。
トライアンフ・スクランブラー 1200 XE
レッドゾーンは7,000rpmから。200rpm毎、8,200rpmスケールのタコメーターとデジタル式速度計の、組み合わせは「クロノス」表示と呼ばれている。この他にアナログ表示速度計の「クォーツ」表示が選べる。
トライアンフ・スクランブラー 1200 XE
タンデムライディングが快適そうな、フラットで長いダブルシート。リヤシート部にはタックロール処理が施されている。
トライアンフ・スクランブラー 1200 XE
脱着式シートを取り外したところ。シート下は綺麗にデザインされている。リヤシート下部にはスマホトレイ(ボックス)が装備されており、上蓋をワンプッシュすると簡単に開けられる。
トライアンフ・スクランブラー 1200 XE
ボックスはスマホを収納できる専用ケースになっている。スマホの上下がスポンジで保護される。もちろんUSB電源付きで、充電も簡単にこなせる。
トライアンフ・スクランブラー 1200 XE
16L容量の燃料タンクは縦に渡される金属ベルトで固定されている。
トライアンフ・スクランブラー 1200 XE
右側フロントフォークのトップエンドで圧側のダインピング調節ができる。左側は伸び側のダンピングが調節可能。
トライアンフ・スクランブラー 1200 XE
イグニッションの操作はスマートキー方式を採用。ライダーが持っていれば、ハンドル右のスイッチ操作でイグニッションがONできる。システムセンサーはスマホトレイ付近にある。
トライアンフ・スクランブラー 1200 XE
スマートキーに折り込まれたキーを使用してステアリングロックをかける事ができる。施錠は鍵を時計回りに回し、解錠が反時計回りに操作する。
トライアンフ・スクランブラー 1200 XE
スクランブラーらいしワイルドなフィニッシュを魅せるテールビュー。ストップランプ&ウインカー、そしてライセンスプレートライトもLED式だ。
トライアンフ・スクランブラー 1200 XE
基本的にはXCと同じフォルムだが、ワイドなパイプバーハンドルが装備されて、車幅が広い。

主要諸元

エンジン形式:水冷並列2気筒 SOHC 8バルブ/270°クランク
排気量:1200cc
ボア・ストローク:97.6×80mm
圧縮比:11.0:1
最高出力:90PS(66.2kW)/7,400rpm
最大トルク:110Nm/3,950rpm
吸気システム:マルチポイントシーケンシャル電子燃料噴射
排気システム:2 INTO 2 エグゾーストシステム(ブラシ仕上げ)
始動方式:セルモーター
潤滑方式:ウェットサンプ
駆動方式:Xリングチェーン
クラッチ:湿式多板/アシスト付
トランスミッション:6速
一次減速比:1,257(93/74)
二次減速比:2,750(44/16)
ギヤ比:
 1速:3,500(49/14)
 2速:2,500(45/18)
 3速:1,850(37/20)
 4速:1,480(37/25)
 5速:1,296(35/27)
 6速:1,172(34/29)
フレーム:鋼管とアルミニウム製クレードル
スイングアーム:アルミニウム製両持ちタイプ
ホイール(前/後):36本ワイヤースポーク、アルミニウムリム、21x2.15インチ / 同17×4.25インチ
タイヤ(前/後):チューブレス90/90-21 / 同150/70 R17
サスペンション(前/後):ショーワ製φ47mm倒立式フォーク / オーリンズ製ピギーバックリザーバー付ツインショック、フルアジャスタブル、
トラベル量(前/後):250mm / 250mm
ブレーキ(前/後):Brembo製φ320mmツインディスク、Brembo製M50 4ピストンラジアルモノブロックキャリパー、ABS / φ255mmシングルディスク、Brembo製2ピストンフローティングキャリパー、ABS

全幅:905mm
全高:1250mm (除くミラー)
シート高:870mm
ホイールベース:1570mm
キャスター:26,9 º
トレール:129,2mm
車両重量:227kg (装備)
燃料タンク容量:16L
燃料消費率:4.9 L/100km(20,4km/L)

試乗後の一言!

トライアンフ・スクランブラー 1200 XE
贅沢な前後サスペンションがもたらすオーナーの満足度は侮れない。

   

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…