アプリリア・TUONO V4 1100 Factory|レーサー譲りの強烈すぎる加速力! でもしっかり調教されてるから扱いやすい。

12月19日に開催された第2回日本バイクオブザイヤー2019選考の輸入車部門でアプリリアのRSV4 1100 Factory が「金賞」の栄誉に輝いた。今回の試乗車はそのネイキッド版である。基本的にエンジンも車体も多くが共通。フェアリングを脱ぎ去り、パイプバーハンドル装備のTUONOの走りは如何に!?

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

※2019年12月30日に掲載した記事を再編集したものです。
価格やカラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

アプリリア・TUONO V4 1100 Factory
3眼のハロゲン・ヘッドランプ。通常のロービームは両側のツインライトが点灯。ハイビームにすると中央の単眼点灯になる。
アプリリア・TUONO V4 1100 Factory
オーリンズ製テレスコピック倒立フォークは電子制御式。ホイールトラベルは125mm。ダブルディスクブレーキはφ330mm軽量ステンレスローターをフローティグマウント。ブレンボ製M50モノブロックφ30mm対向4ピストン油圧キャリパーをラジアルマウント。
アプリリア・TUONO V4 1100 Factory
アルミツインスーパーフレームに搭載のパワーユニットはRSV4と同様な水冷DOHC16バルブの横置きV型4気筒。Vバンクは65°である。
アプリリア・TUONO V4 1100 Factory
右出し1本にまとめられ、後方にはね上げられたマフラーはなかなかボリュームがある。リヤブレーキはφ220mmのディスクローターにブレンボ製φ32mm対向2ピストンキャリパーの組み合わせ。
オーリンズ製TTXモノショックを採用したリヤサスペンション。ボトムにリンク機構を持つ電子制御式。130mmのホイールトラベルを発揮する。アプリリア・TUONO V4 1100 Factoryオーリンズ製TTXモノショックを採用したリヤサスペンション。ボトムにリンク機構を持つ電子制御式。130mmのホイールトラベルを発揮する。
アプリリア・TUONO V4 1100 Factory
ブラックアウトされたテーパードパイプバーハンドルはフラットに近い形状。ステアリングボトムブリッジの上にオーリンズ製ステアリングダンパーが装備されている。
アプリリア・TUONO V4 1100 Factory
ウインカーの上はクルーズコントロールスイッチ。その上の右側がカーソルスイッチ、左はサーキットのピットロード用で速度制限が設定できる。グリップ側の+スイッチは背後の−スイッチと共に、エンジン制御等、任意にプリセットした8種もの設定から好みの選択が簡単にできる。
アプリリア・TUONO V4 1100 Factory
ハンドル右側スイッチはシンプルにエンジン始動用セルスターターと停止用キルスイッチ。赤いキルスイッチ・ボタンはプッシュ式で押し込むと止まり、戻す時にはもう一度押す。
アプリリア・TUONO V4 1100 Factory
4.3インチTFTフルカラー液晶ディスプレイを採用したメーター。明瞭で見やすい。かなり多岐にわたる情報表示がなされている。ちなみにイエローゾーンは1万rpmから、レッドは12,300rpmから。サイドスタンドで立つ撮影時は、車体が左側へ13°傾いている事もわかる。
アプリリア・TUONO V4 1100 Factory
ハンドル左側のスイッチ操作で、様々なセッティング変更が可能。ディスプレイのMENU画面から豊富な機能設定を操作することができる。
アプリリア・TUONO V4 1100 Factory
写真はストッパー付きシートカウルを装備してシングルシーター仕様としたところ。シートは様々なライディングポジションに適応するデザインだ。
アプリリア・TUONO V4 1100 Factory
シートカウルは脱着式。クッション付きのシートに付け替えれば、タンデムライディングも可能となる。
アプリリア・TUONO V4 1100 Factory
ウィングを思わせるシャープなデザインでフィニッシュされたテール回り。

主要諸元

全長:2,070mm
ホイールベース:1,450mm
シート高:825mm
燃料タンク容量:18.5L
車両重量:209kg(燃料90%搭載時)

エンジン:4ストローク・水冷65°V型4気筒・DOHC4・バルブ
総排気量:1,078cc
ボア/ストローク:81mm/52.3mm
最大出力:175HP(129kW)/11,000rpm
最大トルク:121Nm/9,000rpm
燃料供給システム:電子制御燃料噴射システム、マレリ製48mmスロットルボディ、
 ライド・バイ・ワイヤ エンジンマネージメントシステム
点火方式:電子制御イグニッションシステム
潤滑方式:ウェットサンプ
始動方式:セルフ式
トランスミッション:6速カセットタイプ、アプリリアクイックシフト(AQS)付フルクロスレシオ
 1速:2.600
 2速:2.063
 3速:1.700
 4速:1.455
 5速:1.308
 6速:1.222
一次減速比:1.659
最終減速比:42/15(2.800)
クラッチ:機械式スリッパーシステム付湿式多板クラッチ
サスペンション(F):Öhlins製Smart EC 2.0電子制御NIXテレスコピック倒立フォーク Φ43 mm
サスペンション(R):Öhlins製SmartEC2.0電子制御モノショックビギーバックタイプ
ホイールトラベル(前/後):125mm/130mm
ブレーキ(F):330mm軽量ステンレス製フローティングデュアルディスク、
 ブレンボ製M50モノブロック、ラジアルマウント、30mm4ピストンキャリパー
ブレーキ(R):220mmディスク、
 ブレンボ製32mm2 ピストン、フローティングキャリパー
ABS:ボッシュ製9.1MP コーナリングABS、3マップ
ホイール(F/R))3.5Jx17 軽量アルミホイール/6.0Jx17軽量アルミホイール
タイヤ(F/R):120/70-ZR17/200/55-ZR17

カラー:スーパーポール
生産国:イタリア

ライダープロフィール

アプリリア・TUONO V4 1100 Factory
近田茂
元モト・ライダー誌の創刊スタッフ編集部員を経てフリーランスに。約36年の時を経てモーターファン バイクスのライターへ。ツーリングも含め、常にオーナー気分でじっくりと乗り込んだ上での記事作成に努めている。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…