【05】マフラー交換(1万円也)で出力17%増し! スクーターチューンのプロに相談して大正解でした。|楽しいアプリオ05

ヤマハJOGアプリオを中古で購入し、久々の原付スクーターライフを過ごしていたけれど、2スト50ccスクーターって本来はもっと速かったような気がしてきました。そこで今回は、さらなる速さを求めるべく! というと大げさですが、パリッと元気に走らせるべく、スクーターチューニングのプロフェッショナルに相談! とある部品を1つ交換するだけで、大幅な出力アップを果たしました。

取材協力
●KN企画(https://www.kn926.net/)
●エムファクトリー(https://www.m-factory.co.jp/dynostar.html)

※2021年01月02日に掲載した記事を再編集したものです。
価格やカラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。
これが中古で購入した、ほぼ素の状態の後輪出力グラフ。緩やかなカーブは扱いやすい出力特性です。

あんまり速くないので、ダイナモでパワーチェックしてみた

計測方法が違うので、一律に比較はできないが、カタログ値6.3PS(6.21HP)に対して、私のJOGアプリオの3.0HPという結果はやはり良いとは言えない。
体感的にも本調子とは言えない状態なので、JOGアプリオのプロフェッショナルに相談してみることにした。

今回訪れたのは、オリジナルパーツの開発から補修パーツまで幅広く展開し、スクーターカスタム&チューニングに特化したメーカーで知られる「KN企画」。その旗艦店KN-YOKOHAMAだ。
じつは私がJOGアプリオを購入したそもそものきっかけは、KN-YOKOHAMA佐々木孝志店長の影響が非常に大きい。佐々木店長のスクーターチューニングの腕と知識が素晴らしい!ということもあるのだけれど、佐々木店長が所有するJOGアプリオ(お買い物仕様)がメチャ速。JOGアプリオはイジりまくって遊べるから! というのが、私がJOGアプリオを選択した最大の理由なのである。

YouTube「VIDEO OPTION」:突撃! 愛車訪問 第2回 谷口信輝 V-OPT 236


ちなみにレーシングドライバーの谷口信輝さんも、佐々木店長のJOGアプリオに惚れた一人で、JOGアプリオの車体にJOG 90エンジンを積んだお買い物号を所有している。(車両製作は佐々木店長が担当)


→→→ モーターファンBIKESで掲載済みの2ストキャブ車をFI化したBW’S 100。この車両も佐々木店長が手がけたもの。(しかも個人で買えるパーツの組み合わせなので、ある程度のノウハウがあれば真似できしまう、というのがすごい)

BW’S100のキャブレターをFIに変更。こちら、なかなかスゴいカスタムです!

速すぎない! ほどほどのJOGアプリオを目指して

本題に戻り、私のJOGアプリオである。
まずは現状のままで、佐々木店長のファーストインプレッションは、
「エンジンも足まわりも、見た目相応に走りもヤレている」

KN企画にはJOGアプリオ用のチューニングパーツ、補修パーツが豊富に揃っているので、まず私がどんな仕様を目指しているのかを伝え、それにはどんなパーツが必要なのかを教えてもらった。

私の目指すJOGアプリオは
・見た目は地味だけどキビキビ速い。
・30km/hの法定速度は煩わしいので、排気量はあげたい。
・ただし季節ごとにキャブセッティングはしたくない。

→佐々木店長のJOGアプリオのように不用意にアクセルを開けるとウイリーするような凶暴なチューニング内容ではなく、程度はやや控えめな感じを目指すことにした。

一気にボアアップまで行うのもアリだが、ステップアップしてスクーターチューニングを楽しみながら。というのも当企画のコンセプトとすることに。

純正→純正タイプマフラーへ交換! って意味ある?

そこで今回はまずマフラー交換からチャレンジする。
2ストロークエンジンにおいてマフラーは性能を司る重要な役割のパーツであり、4ストロークエンジンのそれとは意味合いが違う。純正マフラーから社外チャンバーに交換する、というのが2ストチューンでの定番メニューで、マフラー交換による劇的なパワーアップは、かつて2ストのバイクに乗っていた方ならば、身を以て体感済みだとおもう。

私のJOGアプリオはエキゾーストパイプに凹みあり、白煙もくもくだった(50kmくらい走ったら直った)なので、サイレンサー内部もカーボンで詰まっている可能性が大、ということで、まずはKN企画製の純正タイプマフラーに交換することに。

2ストのマフラーはスロットルをあまり開けずに走っていると、排ガスが不完全燃焼を起こしサイレンサー内にカーボンが溜まる原因に。段差を踏んだり、何かの拍子で溜まったカーボンが剥がれ落ちて、排気の流れを阻害、突然パワーダウンしてしまった。というのもよく聞く話だったりする。

なので同じノーマルマフラーでも、中古→新品に交換するだけでも十分な性能アップが見込めるのだ。

マフラー交換の手順。

(1)エキパイとシリンダーを固定するフランジボルト2本を緩める。
(2)サイレンサーを固定してるボルトを緩める。これでマフラーが外れる。
(3)こちらが取り外した純正マフラー。前オーナーが耐熱ブラックて塗装しているようでサビは少ないが、ポロポロと塗装が剥がれていている箇所もちらほら。
(4)気になっていたのが、このエキゾーストパイプの凹み。この場所はどんなシチュエーションでぶつける場所なのだろうか?
(5)逆の手順でKN企画製マフラーの取り付けていく。仮止め→本締めが排気漏れを起こさないコツ。付属のエキパイガスケットを入れるのもお忘れなく。
(6)組み上げてエンジンを始動すると、うっすらと白かった排気ガスは無色に。2ストらしい匂いもまだ感じない。排気音に関しては特に変わりなく、ノーマル然とした静かな印象だ。


駆動系をロックした状態で出力を計測。
3000〜5500rpm付近までは古いマフラーの方が馬力が出ているようだが、5500rpm以上はKN企画製ノーマルタイプマフラーの独壇場。マフラー交換だけで3.0HPから3.5HPに、約17%もの出力向上がみられた。
2ストスクーターにとっての常用回転域とも言える6000〜7000rpmで出力が上がっているので、乗っていてもかなりパワフルな印象に。

ジャーナリストが乗ってみた、聞いてみた。


「オオッ!これが本来の姿だ。2ストは4ストよりもカーボンが溜まりやすく特に排気系はマメに掃除してやる必要がある。つまり排気ポート周辺やマフラーのカーボン除去が欠かせないわけだが、今回のアプリオは新品マフラーに交換という手っとり早い手段で、一気にリフレッシュされていた。早速試乗すると、パワーアップというよりは回転フィーリングが綺麗でスムーズ。かつ抜けの良い伸び方が気分良い。ピークパワーに大きな差が出る程ではないが、体感的に到達スピードが早くなり、中速域のスロットルレスポンスも明らかに気持ち良い。
快活でスムーズな走りは、昔試乗した(新車)時の感覚が見事に蘇る程、さわやかな乗り味だった。但し、エンジンが良くなるとダンパーがすっかり抜け切ってしまった前後サスペンションの悪さが、今までより増して気になってしまった(近田 茂)」

現在までの費用
・車体……4.5万円
・KN企画製マフラー……9790円
●合計5万4790円

※工賃は含まず

価格:9790円
対応車種:
ヤマハ横型50㏄エンジン・排ガス規制後車両
・JOGアプリオ(規制後)【SA11J】
・ビーノ(規制後)【SA10J】
・リモコンJOG【SA16J】
・JOG-C
・JOG【SA16J全車種<5KN/5PT>】
・BJ【SA24J】

エキパイの太さや長さは純正と同寸。
サイレンサーの構造も同じだが、内部に触媒は入っていない。JOG系の純正マフラーも年式によって触媒無しタイプがあり、無い方が排気の抜けがよく、出力特性に優れる。

KN-YOKOHAMA 佐々木店長

●KN-YOKOHAMA
住所:神奈川県横浜市都筑区 北山田5-1-54 B-1
電話番号:045-593-9402

今後のJOGアプリオのチューンナップを全面的にサポートしてくれる佐々木店長。JOGアプリオ、スーパーDio、グランドアクシス100、BW’S100、シグナスXなど、今まで手がけてきたバイクはいずれもハイスペックな仕上がりで、KN-YOKOHAMAの店舗には一部の車両が展示されている。

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著者プロフィール

山田 俊輔 近影

山田 俊輔

Motor-Fan BIKES 編集長1981年生まれ。身長180cm(モジャモジャを足すと185cm)。初めて…