最新装備はついていないが、その潔さが良い。ドゥカティ・スクランブラーICON試乗

ドゥカティ・ブランドの中で最も多くのバリエーション展開を誇る人気モデルがスクランブラー。日本市場向けに400ccがリリースされている事でも知られているが、スタンダードな存在は、ICONを含む803ccエンジンを搭載したモデルである。※2019年10月初旬に取材したものです。試乗撮影後にマイナーチェンジが行われました。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田 俊輔(YAMADA Shunsuke)

※2019年11月25日に掲載した記事を再編集したものです。
価格やカラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

ドゥカティ・スクランブラーICON
写真の試乗車は従来モデル。小洒落た感じのLEDウインカーはオプション装着品だ。
ドゥカティ・スクランブラーICON
最新モデルはヘッド&ウインカーランプのデザインが一新された。ウインカーはLEDとオレンジレンズを採用。ヘッドランプレンズはガラス製だ。
ドゥカティ・スクランブラーICON
KYB製の倒立式フロントフォークはφ41mm。ブレーキはφ330mmのシングルディスクローターにブレンボ製対向4ピストンのM4 32モノブロック油圧キャリパーをラジアルマウント。
ドゥカティ・スクランブラーICON
Lツインエンジンはオーソドックスな空冷タイプ。ブラック塗装で仕上げられたシリンダーヘッド。アルミ冷却フィンはヘアライン仕上げ。オイルクーラーも装備されている。
ドゥカティ・スクランブラーICON
塗装でブラックアウトされたエンジンまわり。タイミングベルトカバーはマシニング仕上げのアルミニウム製だ。前後バンクで管長のバランスを考慮されたエキゾーストパイプ・デザインが特徴的。
ドゥカティ・スクランブラーICON
右出しのショートマフラーは1本タイプ。ステンレス製でアルミニウム製カバーが組み付けられている。
ドゥカティ・スクランブラーICON
リヤのスイングアームは両支持タイプ。リンクを持たないモノショックタイプでショックユニットはKYB製。プリロード調整機構が備わっている。
ドゥカティ・スクランブラーICON
リヤブレーキはφ245mmシングルディスク式。油圧キャリパーはブレンボ製1ピストンのピンスライド式を組み合わせる。フロントと共にボッシュ製コーナリングABSユニットも装備された。
ドゥカティ・スクランブラーICON
とてもシンプルなハンドルまわり。そのデザインはかえって新鮮に見える。
ドゥカティ・スクランブラーICON
それぞれに適度な大きさがあって操作性の良い左側スイッチ。ホーンボタンもベストポジションにある。ウインカースイッチはモード変更および決定用スイッチと兼用している。
ドゥカティ・スクランブラーICON
赤い上のスイッチはエンジンキルスイッチおよび始動用スタータースイッチだ。下の横スライドスイッチはハザードランプ用。
ドゥカティ・スクランブラーICON
とってもシンプルで綺麗な丸型メーターがオフセットマウントされている。モノクロの液晶ディスプレイ。情報表示内容は豊富。デジタル表示の速度計やギヤポジション等が見やすくデザインされている。
ドゥカティ・スクランブラーICON
後部までフラットに続くロングシートはタンデムライディングにも乗りやすい。
ドゥカティ・スクランブラーICON
前後一体式のダブルシートを取り外したところ。バッテリーやABSユニットが整然と収納されている。後席下にはETC機器も収納できる。
ドゥカティ・スクランブラーICON
バッテリー直後の丸いゴムキャップを外すと、USBが接続できるソケットを標準装備する。
ドゥカティ・スクランブラーICON
試乗撮影車は単眼LEDのコンパクトなウインカー(オプション)が装着されていた。
ドゥカティ・スクランブラーICON
ウインカーデザインが一新された最新モデルのテールビュー。
ドゥカティ・スクランブラーICON
オプションのタンクバッグは防水性があり、マグネット式で簡単に脱着でき、リュックとしても使える。
ドゥカティ・スクランブラーICON
オプションの防水サイドバッグセット。写真の左側は11L容量。マフラーがある右側は5L容量。取り付けには専用のブラケットが必要だ。
ドゥカティ・スクランブラーICON
これは最新モデル、62イエローの俯瞰写真。

主要諸元

全長/全幅/全高:2,100mm/855mm/1,150mm
シート高:798mm(オプションで778mmもある)
軸間距離:1,445mm

乾燥重量:173kg
車両重量:189kg

原動機種類:空冷・4ストローク・SOHC・2バルブ(デスモドロミック)
気筒数配列:L型2気筒
総排気量:803cc
ボアXストローク:88×66mm
圧縮比:11.0:1
最大出力:54kW(73ps)/8,250rpm
最高トルク:67Nm(6.8kgm)/5,750rpm
始動方式:セルフ式

燃料タンク容量:13.5L
吸気:電子制御燃料噴射、φ50mmスロットルボディー
排気:アルミニウム製サイレンサーカバー付き ステンレス製エグゾーストシステム

1次減速比/2次減速比:1.850/3.067
クラッチ形式:湿式多板 油圧式 セルフサーボ/スリッパ―クラッチ機構
変速装置:6速
減速比:
 1速…2.461
 2速…1.666
 3速…1.333
 4速…1.130
 5速…1.000
 6速…0.923
フレーム形式:スチール製トレリスフレーム
キャスター/トレール:24°00/112mm
ステアリングロック角:35°
タイヤサイズ(前/後):
 110/80 R18
 180/55 R17
制動装置形式(前/後):
 油圧シングルディスク・ブレーキ
 油圧シングルディスク・ブレーキ
懸架方式(前/後):テレスコピック/スイングアーム
ホイールトラベル(前/後):150mm/150mm
乗車定員:2名

ライダープロフィール

ドゥカティ・スクランブラーICON
近田茂
元モト・ライダー誌の創刊スタッフ編集部員を経てフリーランスに。約36年の時を経てモーターファン バイクスのライターへ。ツーリングも含め、常にオーナー気分でじっくりと乗り込んだ上での記事作成に努めている。(※写真はスクランブラー1100)

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…