【スズキ1000カタナ】サンクチュアリーが完璧レストア!オリジナルコンプリート「RCM」で復活

東京モーターサイクルショー2022の「EKチェーン」ブースに展示された、排気量998cc版のスズキGSX1000S KATANA(通称、センカタナ)改。このカスタムは、カスタムショップ「サンクチュアリー(SANCTUARY)」のフルオーダーメイド『RCM(Radical Construction Manufacture)』で製作された1台。オーナーは米国ラスベガス在住のアメリカ人。不動車のまま保管されていたGSX1000S KATANAが、サンクチュアリーが展開する『RCM』によって、完璧に進化・復活。外装、エンジン、足周りの各部は余すところなく、徹底的にカスタマイズされている。
PHOTO/REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
サンクチュアリー(SANCTUARY) https://www.ac-sanctuary.co.jp/
EKチェーン(江沼チヱン製作所) http://www.enuma.co.jp/

スズキ GSX1000S KATANA……サンクチュアリーのRCMで製作(シリアルナンバー:RCM-500)

ベース車両はGSX1000S KATANA(通称、センカタナ)。1100版のボアを72mmから69.4mmにサイズダウンし、排気量を998ccに設定。これは当時のレース規格(上限1000ccだったTTF-1等)に合致させるため。
前後ホイールは17インチに設定。O・ZレーシングのGASS RS-A ZRX1200用(F3.50-17 R5.50-17)を流用。
クレバーウルフのR-1用シングルシートを加工流用。マフラーはレーシングモード全開のチタン製左右2本出しをセレクト。

サンクチュアリーが展開する「RCM」とは?

180/55-17サイズの超ワイドなリアタイヤ、リザーブタンク付きのオーリンズ製リアショック、スタビライザー付きスイングアーム、フェンダーレス化でカスタマイズされたリア周り。

 バイクカスタムのエキスパート「サンクチュアリー(SANCTUARY)」。同ショップが展開する、フルオーダーメイドのコンプリートマシン製作システム『RCM(Radical Construction Manufacture)』は、2000年よりスタート。

 RCMは基本的に国産オンロードスポーツモデルを対象に受付。これまで、カワサキの空冷Z系、カワサキNinja各種、カワサキゼファー、スズキKATANA、ホンダCB-Fなどの“お宝BIGバイク”を、現代版として復活させてきた。

 サンクチュアリーが製作するオリジナルコンプリートマシン『RCM』は、部品を交換しただけの車輌とは一線を画すのがポイント。要となるフレームは、修正後に補強。また、シャシー寸法に併せた専用加工を実施。

フロントスクリーンはスモークタイプに変更して精悍さをアップ。
ガソリンタンクはアルミ製に変更。外装類のペイントは、バイク関連塗装の名門・YFデザインが担当。

 エンジンは細部に至るまで、フルオーバーホールを施した後に搭載。足周りは高精度に仕上げられた上で、現行のハイスペックな部品を採用。電装系・吸排気系・ポジション系・ボディパーツと、すべてのセクションにおいて妥協を許さない工程で製作されているのが特徴だ。

 車輌完成後は、200~300kmに渡るロードテスト走行を敢行。旧車カスタムマシンにありがちな問題点をトラブルシューティングして納車するという、徹底した体制を実施している。

記念すべきRCM=500台目のKATANA。シリアルナンバーはRCM-500

エンジンは998cc版をベースに、ボア径74.0mm×ストローク長66.0mmへと拡大して1135ccに排気量アップ。マフラーはフルチタン製の左右2本出しをコーディネイト。
キャブレターはレーシングキャブとして人気の、ヨシムラミクニTMR-MJNΦ38をチョイス。

 写真のスズキGSX1000S KATANAは、アメリカ・ネバダ州ラスベガス在住のアメリカ人オーナーが所有していたもの。オーナーが若い時代に購入したKATANAは、不動車のまま保管されていた。

 その車両を、ロサンゼルスにある「RCM USA」に移送。現地で分解し、フレームやエンジンを日本に発送。サンクチュアリー本店にて、RCMとして製作。2022年4月にショートコースを借り切ってのテスト走行を実施後、オーナーの元へと輸出予定だ。

リアタイヤは全幅180mmの超ワイドな180/55-17サイズをチョイス。ヘアライン仕上げのスイングアームはSCULPTUREのワイドタイプを選択(ブロックピースのスタビライザー付き)。

 前後ホイールは17インチに設定。パーツのセレクトやカスタムの仕様など、ほぼすべてのメニューはオーナー自身が発案。RCMの1台ごとに与えられるシリアルナンバーは、記念すべき500(500台目)が与えられた。

 シングルシート化、オーリンズ製サスペンション、ブレンボ製ディスクブレーキキャリパー、1100版KATANAのクランクシャフト&ピストンキットを駆使して1135ccにボアアップしたエンジンなど、見どころは満載。オーナーのこだわりと、サンクチュアリーの技術力が結集した、渾身の1台に仕上がっている。

シャープなイメージに仕上がったシングルシートは、クレバーウルフのR-1用を加工流用。

GSX1000S KATANA RCM-500 主要スペック

・フレーム
 ダミーエンジン搭載 レーザー測定 修正ストレッチ済み
 オリジナルフレーム補強 シートレール加工&リアサスレイダウン
 スイングアームピポット ローダウン加工
 ドライブチェーンライン オフセット対応インライン処理
 シングルシート化に伴うオリジナルシートレール&ブラケット ワンオフ
・ホイール:O・Zレーシング GASS RS-A ZRX1200用(F3.50-17 R5.50-17)
・フロントフォーク:オーリンズ E×Mパッケージ(正立フロントフォークGOLD レングス800mm・バネレート0.85N/mm)
・タイヤ:ピレリ DIABLO(F120/70-17 R180/55-17)
・ディスクローター:F:サンスター RCMコンセプト Φ320 HOLE&SLIT R:サンスター Φ250 HOLE&SLIT
・ブレーキキャリパー:F:ブレンボ ラジアルマウント GP4-RX R:ブレンボ CNC 2P
・ブレーキマスターシリンダー:ブレンボ CNC ラジアルポンプ
・ブレーキ&クラッチレバー:ダートフリーク ZETA RCMコンセプトフライトレバー
・ブレーキ&クラッチホース:Allegri ショルトシステム
・ハンドルバー:デイトナ セパレートハンドル&RCMコンセプトグリップエンド
・ステアリングステム:SCULPTURE Φ43ステムKIT TYPE-Ⅲ
・スイングアーム:SCULPTURE ワイドスイングアーム+ブロックピーススタビライザー(ヘアライン仕上げ)
・リアショック:オーリンズ グランドツイン
・ドライブチェーン:EK 530 ThreeD(チェーンライン105mm/オフセット18mm)
・ステアリングダンパー:オーリンズ オリジナルブラケットワンオフ
・ボア×ストローク:74.0mm×66.0mm
・排気量:1135cc
・ピストン:ヴォスナ―Φ74(ピストン&リング&ピン WPC処理)
・シリンダー:オーバーサイズライナー入れ替え シリンダーボーリング後、パルホスM処理/最少値面研
・カムシャフト:ヨシムラ ST-1 ハイカムシャフト
・シリンダーヘッド:オーバーサイズバルブガイド製作入れ替え/シートリングカット/最少値面研
・クランクシャフト:曲がり修正
・ミッション:ドッククリアランス シム調整
・エンジン塗装:サンクチュアリーRED EAGLE フルガンコート
・吸気系:ヨシムラミクニ TMR-MJN Φ38キャブレター DSF
・排気系:NITRO RACING ウェルドクラフト3Dチタン特注ツインテールEX/グレネードチタンV-Ⅲサイレンサー
・冷却系:アールズ 9インチ13段フラットオイルクーラー
・ドライブスプロケットカバー:NITRO RACING
・ボディパーツ:ピーター アルミタンク/クレバーウルフ R-1用シングルシート加工流用/NITRO RACING Z用アンダーカウル流用加工
・外装ペイント:YFデザイン
・フロントフェンダー:TYPEレーシングフェンダー
・リアフェンダー:リアフェンダーレスキット ワンオフ
・バックステップ:NITRO RACING
・スクリーン:オオノスピード スモークタイプ

EKチェーン(江沼チヱン製作所)の東京モーターサイクルショー2022ブース。

著者プロフィール

北 秀昭 近影

北 秀昭