令和の時代に2ストバイク、日本でも販売です|エンジンはユーロ5に適合した2スト250cc Vツイン!【ランゲンテクノロジー/ヴィンス Srl】

国内総代理店としてファンティック、ランブレッタ、SYMなどの海外モデルを展開する「モータリスト合同会社(本社:東京都大田区)」は、ヨーロッパのVins Srl(ヴィンス Srl)社、またLangen Technologiy(ランゲンテクノロジー)社の2ストロークエンジン搭載車を国内で発売開始。各モデルはVins Srl製の水冷2サイクル90度Ⅴツイン249.5ccエンジン+電子制御燃料噴射システムを採用。2ストロークエンジンながら、欧州の排ガス規制「ユーロ5」をクリアしており、ストリート仕様車は街乗り走行も可能としている。
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
モータリスト合同会社 https://motorists.jp/
※価格はすべて消費税10%込み

厳しい排ガス規制をクリアした、Vツイン型の2スト249.5ccエンジン

レース仕様&ストリート仕様ともに75hp(75ps)/45Nmを発揮する水冷2ストロークVツイン249.5ccエンジン。単体重量はわずか28kg

モータリスト合同会社は、イタリア生まれの「Vins Srl」社と、同社の2ストロークエンジンをオリジナルのパイプ構造フレームに搭載したストリートマシン「Langen Two Stroke」を制作するイギリスの「Langen Technology Ltd.」社の2社と、正規代理店契約を締結。各社モデルの予約受付を開始した。

両社のモデルに共通するのは、Vins Srlが開発した、オリジナルの2ストローク249.5ccエンジンを搭載していること。環境規制が激化する中、バイクのエンジンは4ストロークへと移行。排ガス規制のクリアが困難な2ストロークエンジンは、一部のレース専用モデルを除き、消えつつあるのが現状だ。

そのような状況下の中、下記モデルのエンジンは、2ストローク250ccクラスながら、厳しい排ガス規制の「ユーロ5」に適合。保安部品を装着したストリート仕様車は、街乗り走行も可能としている。

エンジンの手本となったのは、アプリリアの250ccGPマシンに搭載された、2サイクルのロードレーシングエンジン「Rotax 258」。このエンジンを研究し、360度同時爆発の90度2軸Vツインにレイアウト。

Rotaxの弱点であったギアボックスやクランクケースは、Vins Srlによる内製により、精度と剛性を飛躍的に向上。カセット式ギアボックスは、6段変速のオリジナル・トランスミッションを搭載した。

シリンダーは完全オリジナルとし、ピストンは造詣の深いVORTEXに製造を委託。ボアxストロークは54mm×54.5mmで、わずかにロングストロークへと設計。排気量は国内では車検の必要のない249.5㏄。パワーバルブ方式の排気デバイスも装備しているのが特徴だ。

オリジナリティに富んだ吸気系もポイント。3件の特許を取得し、さらに数件を申請中というインジェクション式の燃料供給システム(電子制御燃料噴射システム)は、気筒当たり1本のインジェクターをリードバルブ上流に設置して、吸気量はギロチン式スライドバルブでコントロールする仕組み。スロットル全開時の吸気量を確保しつつ、アイドリングから正確に吸気量を制御し、抜群のドライバビリティと実用的なパワーバンドの獲得を実現。

2サイクルエンジンに欠かせない混合油は、4つのデロルト製電子制御オイルポンプを介して、リードバルブ付近に設けられた気筒当たり2本の専用の通路(チャネル)から供給。混合比はスロットル開度やエンジン不可に応じてECUが判断し、0.1%-5%の範囲で提供。オイル消費量はこの結果、わずか8200km/L(ユーロ5モード走行時)という驚異的な数値に収めており、規制対応に大きく貢献している。

下記の3モデルは2022年7月現在、予約受付中で、すでに複数台の受注を獲得している。詳しくは下記モータリストの公式サイトを要チェック。

モータリスト合同会社 https://motorists.jp/

Vins Srl ドゥエチンクアンタ ストラーダ……990万円(公道走行用)/コンペティツィオーネ……750万円(競技専用)

超豪華&超高性能なフルカーボンのモノコック構造シャシーを採用

上記の2ストロークエンジンの開発・製造元であるイタリアのVins Srl社は、2017年に設立。ストリート仕様のドゥエチンクアンタ ストラーダ(990万円/公道走行用)と、ドゥエチンクアンタ コンペティツィオーネ(750万円/競技専用)は、MotoGPマシンを彷彿させる超贅沢で超高性能なフルカーボンの超軽量・超高剛性を実現したモノコック構造シャシーに、75馬力を発揮する、重さ28kgの水冷2ストV型249.5ccエンジンを搭載。

完全自社製造のフレームは、空力特性も徹底的に研究され、前面投影面積を極小に抑制。ダミータンク内にラジエーターを配する独特のレイアウトながらも、十分な吸気と冷却が行える構造としている。

フロントフォークはカーボン製のダブルウィッシュボーン構造を採用。リアスイングアームに加え、前後ホイールにもカーボンを導入済み。レース仕様であるコンペティツィオーネの車両総重量は、わずか102kg。なお、保安部品等を装備した公道走行可能なストリート仕様であるストラーダの重量は105kg。

Vins Srl ドゥエチンクアンタ ストラーダ(公道走行用)/コンペティツィオーネ(競技専用) 主要スペック

エンジンVins Srl製水冷2サイクル90度Ⅴツイン、電子制御燃料噴射
最高出力75hp(75ps)/11,700rpm 最大トルク:45Nm//11,700rpm
排気量ボア径54.0mmxストローク長54.5mm=249.5㏄
シャシーカーボンファイバー製モノコック
キャスター23度(可変機構付き)
フロントサスペンションダブルAアーム式カーボン製フロントフォーク、モノショック
リアサスペンションプッシュロッド式並行配置モノショック、カーボンファイバー製リアスイングアーム
タイヤサイズ120/70-17(F)/150/60-17(R)
車両重量105㎏(ガソリン抜き)/102㎏(ガソリン抜き)

Langen Technologiy(ランゲンテクノロジー) Ltd. Langen Two Stroke(ランゲン ツーストローク)……800万円

軽量なアルミ製パイプフレームを採用したストリートカフェスタイル

イギリスに本拠地を置くLangen Technologiy社は、Vins Srl社と密に連携しながらストリートモデルを製作しているメーカー。カフェスタイルのランゲン ツーストロークは、軽量なアルミ製パイプフレーム(7020T6アルミニウム合金)に、Vins Srl社の2スト249.5ccエンジンを搭載したストリート用モデルだ。

燃料タンクなど、ボディワークの随所にカーボン素材を多用して軽量化を推進。公道走行可能な保安部品をすべて装着した状態での車両重量は、120㎏まで抑制された。

オーリンズの正立型フロントフォーク、カンチレバースタイルのリアデュアルショックアブソーバーなど、斬新なテクノロジーというよりも、既存の最新技術を駆使しつつ、美しいスタイルに仕上げているのが同車の大きなポイントだ。

Langen Technologiy(ランゲンテクノロジー) Ltd. Langen Two Stroke(ランゲン ツーストローク) 主要スペック

エンジンVins Srl製水冷2サイクル90度Vツイン
車体7020T6アルミニウムスペースフレーム/カーボンファイバー製シートユニット(シートサブフレームなし)
フロントサスペンションオーリンズRWU正立式フルアジャスタブル・フロントフォーク、インナーチューブTINコート
リアサスペンションK-Techレーザー・デュアルショック、フルアジャスタブル
ディメンジョンキャスター23度、トレール97mm
ホイールベース1450mm
燃料タンク容量14L
車両重量119㎏(ガソリン抜き)
前後重量配分53:47
フロントブレーキブレンボ製320mmダブルディスク、HEL製ラジアルマウントキャリパー
リアブレーキブレンボ製240mmディスク、HEL製デュアルピストン・削り出しキャリパー
フロントホイール3.0インチ幅、アルミ製リム、ワイヤースポーク
リアホイール4.25インチ幅、アルミ製リム、ワイヤースポーク
タイヤ120/70-17 ダンロップTT100GP/150/70-17 ダンロップTT100GP

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