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ホンダ・Rebel 1100 T Dual Cluutch Transmission…….1,424,500円(消費税込み)
ガンメタルブラックメタリック
ホンダ・Rebel 1100 T…….1,314,500円(消費税込み)
ガンメタルブラックメタリック
快適性と便利な積載性向上が魅力的
親しみやすい車格感と落ち着いた乗り味で人気があるレブル。その最上級モデルには1100があり、デビュー当初は排気量1cc当たり1,000円という買いやすい価格設定も話題を集めた。2021年3月にDCT仕様が先行発売され、2ヶ月遅れでMT仕様が追加デビューしたのもまだ記憶に新しい。
レブルシリーズ一連のスタイリングが採用されたが、下の写真で示す通りスチール製丸パイプでデザインされたダイヤモンドフレームのメインパイプはφ35mmサイズ。ロング・スイングアームもスチール製のφ50.8mmと高剛性を追求した太いサイズで仕上げられた。
車体の剛性メンバーに加わるべくリジッドマウントされたエンジンは、1082ccの水冷直列2気筒。ショートストロークタイプのボア・ストロークや圧縮比等の基本スペックは、ミッションのギヤレシオも含めてCRF1100Lアフリカツインと同じである。
クランクは不等間隔の爆発が得られる270度位相タイプ。Vツインの感覚に近い駆動力特性が得られることでも知られている。OHCのバルブ機構にはホンダ独自のユニカム構造を採用。
頭上にある1本のカムシャフトは吸気側(後方)にオフセットされており、カムのプロフィールが4本の吸気バルブを直接プッシュする直打方式とし、排気バルブはローラーロッカーアームを介して駆動する。
今回追加投入されたニューモデルは、そんなRebel 1100をベースに大型フロントカウルとハードケースのサドルバックが装備されたのが新しい特徴である。
カラーリングは「ガンメタルブラックメタリック」の1種のみ。標準モデルの方はボルドーレッドメタリックにかわり「イリジウムグレーメタリック」の新色を加えた2種から選択できる。
つまりRebel 1100 Tでは、デュアル・クラッチ・トランスミッションのDCTかマニュアル変速のMTかをチョイスできるのみ。
標準モデルに対する「T」モデルとの価格差は160,000円(税込みで177,000 円)。標準車の価格は、車両本体価格で35,000円値上げとなった。
今回の取材では撮影のみが許され、跨がりも含めて試乗することは叶わなかったが、どっしりと腰を落としてゆったりと着座できるライディングポジションは標準車の試乗で体験済み。 そんな乗り味と、ピークパワー/トルクを少し控えながらも中低速域を重視した出力特性を発揮するエンジンがもたらす快適な乗り心地は“旅バイク”に相応しい。
そこに加えて、快適クルーザーとしての機能性を高めた「T」モデルの投入はRebel 1100そのものの価値と魅力にさらに磨きが掛けられたように思える。
グリップヒーターを始め、ETC2.0やクルーズコントロールはもともと標準装備済み。そこに大型フロントカウルが装備され、ライダーへのウインドプロテクション効果が高められている。
大型と言っても、スクリーンは低くデザインされ、ヘッドライトからハンドルまわりをワイドにカバーする軽快なスタイリング。アメリカンのハーレーダビッドソンで例えるなら、SPORT GLIDE的なライト感覚で仕上げられているのが好印象である。
ライダーの視線からは、前方視界が邪魔される事が少なく開放的な乗り味が期待できそう。それでいて前方から胸へ当たる風が防げる事は間違いなく、寒さの緩和はもちろん、高速ロングクルージングでも風圧を凌げる快適性は侮れないだろう。
またテールの両サイドに装着されたサドルバックは、古くから見慣れたデザインのハードケースタイプ。フロントカウルとこのケースの存在が、Rebelにより落ち着きを増す大人びた雰囲気を醸しだしている。
ケースはもちろんキーロック付きでセキュリティ面でも安心。ケース後方のキー操作で解錠し、埋め込み式レバーを引けば上面の蓋は簡単に開けられる。蓋は前ヒンジ方式で前方に立てられ、扱いやすい。
許容積載量は5kgとされているが、積載容量は右側が16L、左側は19Lある。蓋の閉じ方が不十分だと、後方で赤いインジケーターが見えて注意を促してくれる設計も親切である。
ちなみに前後サスペンションは乗車荷重に応じてかなり細かいプリロード調節ができるようにんっている。ソロやタンデム、積載荷物等により、フロントはフォークのトップエンドにあるアジャスターで無段階、リヤも上部にあるアジャスターをピンスパナで回して19クリックもの調節がでる。
またクルーズコントロールは50km/h以上の速度でギヤが4速(DCTは3速) 以上であれば任意の速度に設定可能。ハンドルグリップヒーターは左手のスイッチ操作で5段階。
サクサクッと荷物を放り込んで、自由気ままに遠出する。そんなツーリングシーンに相応しい魅力的な走りが楽しめそう。来春の発売に期待したい。