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ホンダ・CB200X……319,000円(インド仕様)
実用的なエンジン特性。艶っぽさはないが、どのシーンでも扱いやすい
筆者は2019年に、今もバイク館が扱っている五羊ホンダのCB190Xに試乗したことがある。トップケースとパニアケースを付属しながら当時の車両価格は何と36万9000円。これを執筆している2023年1月現在、このCB190XはメーターがフルLCDに、ヘッドライトがLEDへ進化しており、さらにフルパニアだけでなくボディガードまで標準装備して47万9000円となっている。約10万円アップしたとはいえ、昨今の円高トレンドを考慮すれば、今なおコスパは最強クラスといっても過言ではない。
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さて、今回試乗したCB200Xは、このCB190Xのモデルチェンジ版というわけではなく、搭載される同系エンジンの排気量は184.4ccで共通だ。CB200Xはホーネット2.0をベースに設計されたインド市場向けのクロスオーバーモデル、2017年に登場したCB190Xは中国市場向けという形で住み分けがされているという。
まずはエンジンから。17.3psを発揮する空冷シングルは、アイドリングのすぐ上、2,000rpm付近でクラッチミートしてもスタタタッと小気味良くスタートし、大柄に見える車体をキビキビと走らせてくれる。そのままスロットルを開けていくと、5,000~8,000rpmの間でわずかなパワーの盛り上がりを感じるが、基本的には9,000rpm付近のレッドゾーンまでフラットに伸びていく。なお、ミッションは5段なので、各ギヤ比が離れ気味というマイナス要素はあるが、それに不満を感じるのは急勾配の峠道ぐらいだろう。
試乗車は、オドメーターが2桁に満たないド新車のため、全域でやや細かい振動が伝わってきたのと、回転上昇にスムーズさが足りないように感じられたが、これは慣らし運転が進めば解消されるだろう。エンストとは無縁と思えるほどの低回転域での粘り強さや、扱いやすいスロットルレスポンスなど、実用性に徹したエンジン特性は五羊ホンダのCB190Xに通じる。なお、CB190Xでは3つのケースを装着した状態で東名高速を東京から御殿場まで移動したが、メーター読みで100km/h巡航が可能だった。ゆえに、このCB200Xにも同等のパフォーマンスを期待していいだろう。
本格的なオフ走行は苦手だが、穏やかなハンドリングはツーリング向き
続いてはハンドリングだ。完璧なクロスオーバースタイルをまとうCB200Xだが、ベースとなっているホーネット2.0の画像と見比べてみると、サスストロークはほとんど変わっていないようだ。今回、試しに教習所にある波状路を何度か通ってみたが、シッティングのままではドタドタと落ち着きがなく、サスセッティングの方向性としてはオンロードに軸足がありそうだと感じた。
さて、そのオンロードでの走りだが、一般的なネイキッドよりも舵角の付き方が穏やかで、バンク角主体で向きを変える様はフロント19インチのようでもある。フロントフォークはCB190Xの正立式に対して倒立式(フレームはどちらもダイヤモンド)なので、それもあって車体全体がしっかりしているように感じられた。
ブレーキは前後ともニッシン製のキャリパーを使用。まだアタリが付いていないというマイナス要素はあったものの、コントロールのしやすさは十分に確認できた。また、フロントのみとはいえABSが採用されているのも安心材料の一つだ。
スクリーンやシュラウドによる適度な防風効果、スタンディングにも対応する高めのハンドル位置、座面が広くて座り心地のいいシートなど、ツーリングに適した要素をほぼ全て盛り込んだCB200X。本格的にダートを走りたいのであればCRF250Lなどをお勧めするが、オンロードがメインでのロングツーリングであれば、CB200Xはいい相棒となってくれるだろう。
ライディングポジション&足着き性(175cm/68kg)
ディテール解説
ホンダ CB200X(インド仕様) 主要諸元
全長(mm) 2,035 全幅(mm) 843 全高(mm) 1,248 軸距(mm) 1,355 最低地上高(mm) 167 シート高(mm) 810 車両重量(kg) 147 エンジン種類 空冷4ストローク単気筒 総排気量(cm³) 184.4 内径×行程(mm) 61.0×63.096 圧縮比 9.5:1 最高出力(kW[PS]/rpm) 12.7[17.3]/8,500 最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 16.1[1.64]/6,000 燃料供給装置形式 電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉 始動方式 セルフ式 燃料タンク容量(L) 12 クラッチ形式 湿式多板 変速機形式 常時噛合式5段リターン バッテリー 12V、5.0Ah タイヤ 前 110/70-17M/C 54S(チューブレス) 後 140/70-17M/C 66S(チューブレス) ブレーキ形式 前 油圧式φ276mmディスク(ABS) 後 油圧式φ220mmディスク 懸架方式 前 倒立テレスコピック式 後 スイングアーム式 フレーム形式 ダイヤモンド 生産国 インド