イタリア車「ビモータ TESI-3D」はフロントにもスイングアームを装備！先進のハンドリング獲得に成功したフレーム＆足周りの構造を徹底チェック｜大阪・東京モーターサイクルショー2023

通常、スポーツバイクはフロントに2本の丸筒を組み合わせた、テレスコピック式の正立型もしくは倒立型フォークを採用するのが定番。しかしイタリア車を始めとした個性派車の中には、フロントにもスイングアームを導入するなど、特殊な足周りを備えたモデルが存在する。

イタリアの「ビモータ」は、1966年に設立された名門バイクメーカー。2007年にリリースされた同社の「TESI（テ―ジ）-3D」は、多用されているテレスコピック式のフロントフォークを持たず、フロントにもスイングアームを装備しているのが特徴だ。

前後に異径のクロームモリブデンパイプを組み合わせた、トラス状のスイングアームを採用

フロントのスイングアームには緩衝装置としての役割のみを持たせ、操舵機能はフロントホイールハブに集約し、それぞれの機能を独立。これにより互いが干渉することなく、その性能を最大限に発揮することを実現した。

「ブレーキングによるノーズダイブによってキャスターが立ち、ホイールベースが短くなる」。上記の一般的なコーナリングメカニズムは、TESI-3Dには存在しない。あらかじめコ－ナリング進入状態を想定したディメンションは、ピッチングにより車体姿勢が変わってもほとんど変化せず、優れた旋回性と安定性を両立。

その革新的な特性に可能性を見出した様々なメーカーが、かつて研究を重ねたが、その構造の複雑さや技術的制御の難しさにより開発を断念。ビモータは長年の経験・知識・ノウハウにより、「ハブセンターステアリング」を進化させ続け、先進のハンドリングの獲得に成功した。

フロントにはクロームモリブデンパイプを素材にしたスイングアームを採用。太さの異なる複数のパイプをトラス形状に組み合わせ、緻密に剛性をコントロール。

クロームモリブデンパイプは高価で加工の難しい素材。しかし「最良」を追求するために、あえてこの素材を導入しているのがポイント。複雑に組み合わされたトラスパイプには、オーリンズ製リザーブタンク付きショックアブソーバーを1本組み合わせ。

フロントブレーキはブレンボ製4ピストン4パッドのラジアルマウントキャリパーと、Φ320mmセミフローティングディスクローターをダブルで装備。これにより、コントローラーブルなブレーキングを可能にしている。

メインフレームはΩ（オメガ）型のアルミ削り出しプレート+クロームモリブデンパイプを組み合わせ

リアスイングアームはフロントと同じく、クロームモリブデンパイプを採用。これにアルミ削り出しのアクスルプレートを組み合わせ、高い操安性を獲得。前後ホイールはブラックアウトされ、レッドカラーの美しいスイングアームセクションを引き立てている。

メインフレームには、Ω（オメガ）型の削り出しアルミニウムプレートを採用。最小限の重量と高い剛性に加え、特別なマシンであることを主張。豪華なフレームには、104.7馬力（TESI-3DC）を発揮するドゥカティ製の空冷L型2気筒2バルブ・デスモドロミック・エヴォルツィオーネ1078cエンジンを搭載。

国内においてビモータの各モデルは、総輸入代理店である「モトコルセ」が発売。上記のフレームや足周りを採用したTESI-3Dシリーズは、「TESI-3DC」「TESI-3DCR」「TESI-3D NAKED」の3モデルがリリース中だ。

ビモータ　TESI-3DC……575万4630円（消費税込）

ビモータ　TESI-3DC　主要諸元

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