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YOUTUBEチャンネル「モトチャンプTV」ではバイクの楽しみ方をさまざまな方向から提案している。新型車だけでなく個性的なアジアンバイクを紹介したり、メンテナンス方法やカスタムパーツ装着法まで用意している。さらにモトチャンプといえばのスクーターカスタムだって忘れていない。今回はオーナーが製作したカスタムPCXを2台紹介している「フルカスタム仕様のホンダPCXを捕獲! オーナーに直撃インタビュー!」という回をダイジェストにまとめてみた。
ステッカーチューンで迫力のスタイル!
スクーターのカスタムといえば全塗装が欠かせない要素に思える。ペイントによる独自のスタイルは何にも増してカスタム感を演出できるからだ。ところがこちらの初代PCXは純正の黒い塗装をそのまま生かしてあるという。費用がかさむ全塗装ではなく、ステッカーやカッティングシートでも迫力あるスタイルが実現できる好例といっていいだろう。
迫力のスタイルからは想像もできないが、オーナーは女性の黒田。さん。迫力があり強いインパクトを受けるスタイルにしたいという一心からカスタムを開始。その時に目と口が入っているPCXはあまりないのでは?と考えたことから、このスタイルが生まれた。シャークマスクのほかに赤いストライプやロゴが描かれている。これらはどれもカッティングシートによるもので、チームステッカーなどを追加して全体を整えた。
社外パーツも活用している。フロントにはコタニモータース製のデビルマスクとビビットパワー製のサイドエアロを装着。ボリュームあるルックスに仕上げつつ、ヘッドライトに4連イカリングを移植。ヘッド上の純正ウインカーはLEDライトに変更して下側だけを使っている。ヘッドライトのリフレクターをブラックアウト化してフロントフォークに追加したフォグランプをメインのライトとして使っている。
セパレートハンドルに変更して低いスタイルを追求しているが、その下には13センチスピーカーを装着して迫力あるサウンドが楽しめるようにした。スピーカーを装着するためのマウントはワンオフ製作されたもので、製作に大変な苦労があったとか。またヘッドユニットはシート下に設置され、同時にウーファーまで追加されている。
リヤはホイールベースを110ミリ延長したロンホイ仕様。尻下がりなデザインのリヤスポイラーを装着してあるため、ホイールベースが長くなったことを強調せず、全体にロー&ロングな印象を強めている。興味深いのはリヤフェンダーで、普通ならフェンダーレスにしたいところを、逆にフェンダーを追加している。実用性を重視するオーナーのこだわりで、実際雨の日などで威力を発揮してくれるという。
ペイントで渋さといかつさを表現!
もう1台のマシンは現行モデルの1世代前になる個体をベースにカスタムした例だ。派手な色を使わず、ガンメタとブラックを組み合わせたカラーリングにより迫力あるスタイルを生み出している。塗装は奈良県のM-DESIGNによるもので、まさに塗装がカスタムのキモであることを感じさせてくれる1台だ。
オーナーはこだわりの強いTAKNさんで、PCXに社外パーツを使うのはもちろんだが、それ以上に純正マットブラックにこだわったり、カーボンパーツを使うことでオリジナルペイントの良さをさらに引き出そうと努力している。ステップなど樹脂パーツやシルバー塗装されている部分をマットブラックやカーボンに変更している。さらにスイングアームもシルバーからブラックへ塗装されている。
ホイールベースは160ミリロングになるキットを装着している。そこへN-MAX用を流用したリヤショックを組み合わせた。装着するためにブラケットを使わず、あえて寝かせた状態でセットすることでローダウンにつなげている。
フロントフォークはSP武川製のローダウンスプリングを組み込みつつ、突き出し量を増やしてさらに車高を下げている。寝かせて装着したリヤショックによる車高と前後のバランスを整えているのだ。またフロントブレーキにはサポートを製作してブレンボキャリパーを装着している。本来ならコンビブレーキが採用されているので、前後連動機能を解除しなければならず苦労したポイントだ。
M-DESIGN製のフロントマスクを装着してあり、ヘッドライトはインナーをブラックアウトしてある。レンス表面を塗装するとただの黒になってしまうため、インナーのみブラックにしている。ここもオーナーこだわりのポイントで普通に見えるけれど違う、というのがたまらないのだ。
ローダウンを強調させるためセパレートハンドルに変更するのは必須。ここにもオーナーのこだわりが貫かれていて、各種ホースや配管にはチューブカバーを自ら被せて妙に目立たないよう配慮している。地道な努力ではあるが、ルックス的には非常に重要なポイント。塗装以外はオーナー自らDIYで作業しているからこそできたルックスとも言える。細部にまでこだわりを貫くなら、やはりDIYで仕上げるのが適切かつ近道になりそうだ。