気温37度|シンプル イズ ベストのバイク冷却技→「首に保冷剤を巻く」を実際に試してみた! 【バイクに使える、猛暑対策グッズ探し03】

猛暑の日でもバイクに乗りたい! けれど体温を超えるような日に何も対策をしないで乗るのはあまりに無謀。というわけで猛暑日でも快適なライディングができないか、便利グッズを試して検証する3回目。今回はやはり本命との誉れ高い保冷剤を試してみた。

REPORT●増田 満(MASUDA Mitsuru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)、増田 満(MASUDA Mitsuru)
信頼のアイスノンから保冷剤をベルトに入れて使う製品が発売されていた!

アイスノン・首もとひんやり氷結ベルト

2023年8月8日時点で東京都心での気温が35℃以上に達して、都心で観測する年間猛暑日の日数が過去最多記録となった。2022年は猛暑日が16日で過去最多だったのだが、2023年は8月8日時点で17日を記録して最多記録を更新した。さらに8月後半以降も猛暑日が続く見込みであり、記録を更新する可能性が高い。この暑さ、もはや殺人的な勢いと表現してもいいだろう。35℃ならまだしも気温が体温を超えるような日に外出すれば、歩いているだけで汗ダクになり体力を消耗してしまう。最悪は熱中症となって歩くことすらままならない事態にさえなる。そんな日にバイクに乗るのは無謀なのだろうか。バイクに乗るのが三度の飯より好きという人にとり、猛暑は最強の敵。そこで暑さを軽減してくれる対策グッズを探してテストする3回目は、テスト前から本命か?と思われていた保冷剤を試してみることにした。

保冷剤は2本セットになっていて、首に巻くベルトは1本。冷凍庫から出したてなので霜がついている。

以前に弊WEB記事で小さな保冷剤を何個か用意して、手拭いで覆って首に巻いたら最高だったという記事を掲載している。確かに脳へ送る血流は首の動脈・静脈を通るわけで、ここをを効率的に冷やせば脳へ送られる血液の温度が下がり結果として快適な環境が整えられる。ただ、小さな保冷剤を何個も用意するのは面倒だし、手拭いで巻くだけだとライディング中の上下動で結び目が緩んでしまいそう。そこでネット検索すると通販大手サイトで「アイスノン 首もとひんやり氷結ベルト」という製品を見つけた。ベルトカバーが1枚に保冷剤となるゲルが2本セットになったもので、価格は950円(税込)とお手頃。ベルクロで固定できるからライディング中にズレることもなさそうなので、早速試してみた!

氷結ベルトをテストした日は温度計が37℃を指す猛暑日だった。
ベルトをせずに運転しているとヘルメット内の頭は汗ダクダク。

とはいえ、すぐに試してみては保冷剤がない状態との比較ができない。気温が37℃を超える日だったが、まずはアイスノンは使わず平常時の服装で走ってみた。すると予想通りで、ヘルメットの中は汗ダク状態になり、不快なことこの上ない。30分も走ると体力の限界を感じ始めてしまう。若い人なら「まだまだ大丈夫」と言えるのだろうが、50歳をだいぶ過ぎたオジサンには試練以外の何者でもない。早くリトルカブを止めて木陰で休憩したいと本気で願った。

アイスノン 首もとひんやり氷結ベルトをテスト!

事前に冷凍庫で凍らせた保冷ゲルをベルトに入れて使う。
ベルト両端に面ファスナーがあるため固定が簡単でズレにくい。

アイスノン首もとひんやり氷結ベルトの使い方はいたって簡単。4つのゲルが連結したままの保冷剤を冷凍庫で5時間以上冷やせば、ゲルが凍ってカチカチになる。ゲルは切らずにそのまま付属のベルト内へ差し入れ、ベルトの両端にあるベルクロで首に固定するだけ。それまで直にヘルメットを被ってリトルカブに乗っていたものだから、薄くなった髪が汗でまとまり、さらに頭髪が薄く見えるという情けない状態。ところが氷結ベルトを首に巻いた途端、それまでの汗ダク地獄が嘘のように収まり、発汗が止まり頭の思考回路がスッキリしてきた。巻いた途端というと語弊があるが、おそらく1分もかからず頭がシャキッとしたのは本当。血液温度が下がり、脳内が活性化されたのだろう。これは期待できる!

ヘルメットを被って早速テストしてみる。

ではヘルメットを被るとどうだろう。直前まで対策ナシで被っていたヘルメット内は汗でじっとりしているはずなのだが、それほど不快感を覚えない。動脈・静脈を冷やしたことで、頭部の熱も下がっているようだ。いざリトルカブをスタートさせて撮影のため炎天下の中を何度も同じ場所を通ることを繰り返す。普通ならこの時点で頭がクラクラしてくるはずなのだが、全くそんな様子はなく普段通りに走らせることができた。この時点でアイスノン首もとひんやり氷結ベルトの勝利を疑うことは無くなった。

動脈・静脈を効率的に冷却できるのでヘルメットの内部は快適!

前回の記事で試した冷感タオルだと30分ほどで効果が薄れてきたのだが、この氷結ベルトは効果が薄れてくる気配をなかなか感じない。すでに30分以上走り続けていたのだが、首に巻いた当初と効き目がそれほど変わっていないのだ。試しに一度リトルカブから降りてヘルメットを脱ぎベルトを外してみた。ベルト内のゲルはカチカチとは言えないものの、まだまだ凍っている感触がありフニャフニャな状態まで戻っていない。おまけに先ほどまで汗でじっとり湿っていたヘルメット内が乾燥してきたことまで発見した。ライダーの頭部が発汗しなくなったことで、ヘルメットが備える通気性が発揮されたのだろう。いや、これは快適だ!

撮影後もそのまま着用して帰路についた。

テスト前から何となく予想していたのだが、やはり保冷剤はライダーの頭部を冷却する本命と言えそうだ。おまけに氷結ベルトを使えばライディング中にベルトがズレてしまうことがないので、巻き直したりといったストレスも皆無。撮影終了後もそのまま首に巻いて氷結ベルトを使い帰路についたのだが、1時間以上効果を持続してくれた。この「アイスノン首もとひんやり氷結ベルト」にはゲルが2本入っているので、保冷バッグを持参して予備のゲルを凍らせたまま移動すれば、都合2時間は真夏でも快適なライディングができるはず。2023年夏、最高にコスパの良い買い物をした気分だ!

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著者プロフィール

増田満 近影

増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…