エイプっぽいというか、モンキー125っぽいというか。でも150ccだから高速道路も走行できる、超個性派バイクです。【ハートフォード・ミニエリート150】

あまり知られていないユニークな海外メーカーを発掘し、日本で輸入販売しているウイングフットが、台湾のハートフォードの取り扱いを開始した。第1弾としてリリースされるのは、前後12インチホイールのコンパクトな車体に150.1ccの水冷シングルエンジンを搭載するミニエリート150だ。このスモールボディにして最高出力は15.2psとパワフルであり、しかも軽二輪枠なので自動車専用道路を走ることも可能。ニッチにしてロマンあふれるニューモデルをさっそく試乗してみた。

REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●ウイングフット株式会社 https://wingfoot.co.jp/hartford/

ディテール解説

57.4×58.0mmというほぼスクエアなボア×ストローク値に設定された水冷SOHC4バルブ単気筒。クランクシャフト前方にバランサーシャフトを備えるほか、6段ミッションやスリッパークラッチ、FI、セルスターターなどを採用。32ビットのECUはボッシュ製で、ガソリンはハイオク指定とされる。
かつてのホンダ・XR50/100モタードやエイプ50/100タイプDを彷彿させる6本スポークホイールに、同じくこれらの機種に標準装着されていたタイヤ(マキシス・トルトゥーガ、120/80-12というサイズまで共通)を組み合わせる。なお、ブレーキセットはXR50/100モタードやエイプ50/100タイプDが右側に装着していたのに対し、ミニエリート150は左側とされる。フロントフォークは正立式テレスコピックだ。
リヤにもディスクブレーキを採用。キャリパーは前後とも片押し式ピンスライド2ピストンだ。ABSは2チャンネル式なので、フロントだけでなくリヤもABSが介入する。リヤサスはシンプルなツインショックだ。
かなりアップした形状のバーハンドルを採用。スイッチボックスは非常にシンプルで、右側にはハザードスイッチ、左にはプッシュキャンセル式のウインカースイッチをレイアウトする。ライダーの乗車位置から見えるメーターバイザーの主張は少なめだ。
タコメーターと燃料計がバーグラフ式のフル液晶メーター。ギヤポジションインジケーターも備える。左のボタンを押すたびにバックライトがオレンジとブルーに切り替わるというギミックも。
灯火類ではマルチリフレクターの丸型1灯ヘッドライトのみがフィラメント球で、テール&ストップランプと前後ウインカーはLEDを採用する。
タックロールのあるダブルシートはボルトで固定されており、それを囲うようにグラブバーがレイアウトされている。

ハートフォード・ミニエリート150 主要諸元

車名・型式 RB06A
全長/全幅/全高 1,740mm/825mm/1,010mm
シート高 700mm
軸間距離 1,161mm
乾燥重量 117kg
原動機種類 水冷・4ストローク・SOHC・4バルブ
気筒数配列 単気筒
総排気量 150.1cm3
内径×行程 57.4mm×58.0mm
圧縮比 11.1:1
最高出力 11.2kW(15.2ps)/-rpm
最大トルク 12.5N・m(1.27kgf・m)/-rpm
始動方式 セルフ式
燃料タンク容量 6L(無鉛ハイオクガソリン)
吸気・燃料装置/燃料供給方式 フューエルインジェクション
バッテリー 12V
変速装置/変速方式 常時噛合式6速/リターン式
タイヤサイズ(前/後) 120/80-12/120/80-12
制動装置形式(前/後) 油圧式ディスクブレーキ/油圧式ディスクブレーキ(ABS)
懸架方式(前/後) テレスコピック/スイングアーム(2本サス)
乗車定員 2名
製造国 台湾

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著者プロフィール

大屋雄一 近影

大屋雄一

短大卒業と同時に二輪雑誌業界へ飛び込んで早30年以上。1996年にフリーランス宣言をしたモーターサイクル…