とにかくデカい、だからイイ。ハーレーダビッドソンCVO ROAD GLIDE。ハーレーのフラッグシップを冨士スピードウェイで試乗。

猛暑続きの8月、冨士スピードウェイで報道関係者を対象にハーレーダビッドソンの試乗機会が与えられると言う話を耳にした。ひょっとして「キング・オブ・ザ・バガーズ」のレースマシンに乗れるのか!?と早とちりな想像をしてしまったが、実は同社最高級プレミアムモデル「CVO」の試乗会が開催されたのである。

PHOTO &REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
取材協力 &PHOTO●HARLEY-DAVIDSON JAPAN

ディテール解説

エアロダイナミクスに配慮してデザインされた斬新なフェアリング。フロントマスクは一体型のLEDランプが採用されている。

図太い倒立式フロントフォークはφ47mmのSHOWA製。ボトムにラジアルマウントされた油圧キャリパーは対向4ピストンのブレンボ製。φ320mmのデュアルローターがフローティングマウントされている。19インチのコンボキャストスポークホイールを採用。

同社伝統の横置き45度Vツイン。気筒当たりツインイグニッションが採用され全部で4個のスパークプラグを備えている。

シリンダーヘッド水冷のVVT(可変バルブタイミング)エンジン。右サイドにはプッシュロッドが通るトンネルパイプが見える。

右側に出されたエキゾーストパイプは、ミッション下部で集合し、後輪前方で左右のストレートマフラーに分岐する2-1-2方式。

リアのツインショックはプリロード調節式。車体左側に出されたダイアルはプリロード調整用。

ブラックパイプのアップハンドルは、しっかりとクランプされている。

グリップもレバーもサイズ感が太い。通常のライト操作に加えて、オートクルーズ他、ディスプレイの各種インフォテイメントの操作も行える。
ヘッドセットのコントロールや、オーティオ系の操作が行える。右上はエンジンキルスイッチ兼始動用スターター。左はハザードスイッチ。

12.3インチ(312mm)のフルカラーTFTディスプレイを搭載。タッチスクリーンが採用され、スマホとの連携にも対応。ナビゲーションや各種インフォテイメントを操作できる。

ステアリングヘッド中心部は、リングキーを使用するステアリングロック。
インストルメントパネルの両サイドにビルトインされた6.5インチスピーカー。

ダブルシートは前後にセパレートされた独立式。クッション厚やサイズにたっぷりとしたボリュームがある。左右のスピーカーは5×7インチサイズ。中国のRockford Fosgate製。

同じシフトレバーを前後方向にセットしたシーソー式ペダル。
ポジションに自由度があるボードタイプのステップ。
新設計されたスクリーン下部に設けられたエアダクト。
左端にあるレバー操作でフラップは開閉できる。
膝へのウインドプロテクション効果を発揮するサイドフラップ。
フラップの向きを変えると走行風を積極導入することができる。
写真はライダー目線で見たところ。膝まわりが涼しくなる。

ハードケースのサイドバッグが標準装備されている。収納容量は左右合わせて62L。両脇に開くリッド部の前方にはオーディオスピーカーがセットされている。

比較的低い位置にマウントされたサイドバッグ。セキュリティロックはリングキー方式が採用されている。
左右外側のハンドル(オレンジのリフレクター部)を引き起こすとロック解除。ヒンジ機能を持ちリッドは外側へ開くことができる。

両サイドバッグと共にグラマラスなテールエンドは、低くどっしりとした印象を与える。

主要諸元

エンジン:Milwaukee-Eight™ 121 
型式:空油冷式横置きV型2気筒OHV
ボア・ストローク(mm):103.5×117.5
排気量(cc):1,977 
圧縮比:11.4:1 
フュエルシステム:電子シーケンシャルポートフュエルインジェクション(ESPFI) 
エキゾースト:2-1-2デュアルエキゾースト 

全長(mm):2,410 
シート高(mm):720 
最低地上高(mm):145 
レイク(度):26
トレール(mm):170 
ホイールベース(mm):1,625 

タイヤ(前/後): 130/60B-19M/C 61H / 180/55B-18M/C 80H
燃料容量(L):22.7
潤滑油容量(L):4.7
出荷時重量(kg):375
車両重量(kg):393

最高出力(kW/rpm):86(115HP)/5,020 
最大トルク(Nm/rpm):183/3,500 
燃料消費率(km/L):16.7

リーンアングル(度・右/左):32/ 32

プライマリードライブ:ギア
チェーン、ギヤ比 :34/46 
   総減速比(全体)1速:9.593 
   総減速比(全体)2速:6.65
   総減速比(全体)3速:4.938
   総減速比(全体)4速:4.00
   総減速比(全体)5速:3.407 
   総減速比(全体)6速:2.875

ホイール(前/後):コンボキャストホイール/コンボキャストホイール
ブレーキ(前/後):油圧ダブルディスク/油圧シングルディスク 
懸架方式(前/後):テレスコピック・倒立式 / スイングアーム式
サスペンションストローク(mm 後):76

試乗後の一言!

写真は先代(2022年)モデルのCVO Street Glide。ウルトラ系と共に往年のFLH系を彷彿とさせるフォルムは、ハーレーダビッドソらしい雰囲気に溢れている。プレミアムなCVOは、どの時代でも貫禄十分。その揺るぎない魅力が印象深い。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…