ホンダが新型CBR600RRを欧州で発表!慣性測定ユニット (IMU) が5軸→6軸に進化。最新の電子制御システム群も標準装備【EICMA2023】

2023年11月7日から11月12日(プレスデー11月7~8日/一般公開11月9~12日)、イタリアで開催のモーターサイクルショー『ミラノショー(EICMA)』。このショーでホンダは新型のCBR600RRを発表。各カウル類の形状は現行モデルを踏襲しつつ、グラフィックデザインを変更。注目点は緻密な車体コントロールを実現するための車体姿勢推定システム「IMU(Inertial Measurement Unit)」を5軸から6軸に進化させ、操る喜びや楽しさに磨きをかけたこと。新型のCBR600RRは国内でもリリース予定。発売時期等は未定。
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
※注:写真及び記事はすべて欧州仕様車です

ホンダ CBR600RR(2024年モデル)

グランプリレッド/トリコロール
マットバリスティックブラックメタリック

ウイングレットを備えたMotoGPマシン由来のフェアリングを採用

2003年の登場以来、着実に進化を遂げてきたホンダCBR600RRは、国内でも人気のミドル級スーパースポーツモデル。600ccクラスのロードレースシーンにおいても活躍する同車の新型(2024年モデル)が、EICMA2023で発表された(前回のモデルチェンジは2020年)。

水冷4ストローク並列4気筒DOHC 4バルブ599ccエンジンは、最高出力89kW(121ps)/14250rpm(現行の国内仕様車は89kW(121ps)/14,000rpm)、最大トルク63N・m/11500rpm(現行の国内仕様車は64N・m/11,500rpm)を発揮。

アルミツインチューブフレーム、倒立型のショーワ製Φ41mmビッグピストンUSDフロントフォーク、プロリンク式アルミスイングアーム、ショーワ製リアショック、ウイングレットを備えたMotoGPマシン由来のフェアリングの採用で、瞬時の方向転換と安定性の両方を実現

フラッグシップモデル「CBR1000RR-Rファイヤーブレード」 にも搭載の6軸IMUを導入

2024年モデルのポイントは、緻密な車体コントロールを実現するための車体姿勢推定システム「BOSCH製IMU(Inertial Measurement Unit)」。車体の角速度、加速度を検出し、ホンダ独自のアルゴリズムによる車体姿勢角演算を1秒間に100回というスピードで行い、車体姿勢推定の精度を追求。走行状況に応じた「操る歓び」を提供するこのシステムが、現行モデルの5軸から、ホンダのフラッグシップモデル「CBR1000RR-Rファイヤーブレード」 にも搭載の6軸に進化した。

IMUが5軸から6軸に進化したことで車体姿勢推定、またIMUとコラボレートする「ABS」や「Honda セレクタブル トルク コントロール」の精度も向上。操る喜び、楽しさ、ポテンシャルに磨きをかけた。

新型のCBR600RRには電子スロットル制御、5つのライディングモード、コーナリングABS、9レベルのHSTC(ホンダ・セレクタブル・トルク・コントロール)、ウイリーコントロール、リアリフトコントロール、エマージェンシーストップシグナル、電子制御式ステアリングダンパー、アシスト/スリッパークラッチ、クイックシフターなど、最新の電子制御システム群も標準装備。

新型の車両重量は193kg。現行の国内仕様車(194kg)よりも1kg軽量化されている点に注目したい。CBR600RRは国内でも人気のモデルだが、新型は国内でもリリース予定だ。発売時期等は未定。

ホンダ CBR600RR(2024年モデル) 主要諸元

全長×全幅×全高2030×685×1140mm
ホイールベース1370mm
最低地上高125mm
シート高820mm
車両重量193kg
エンジン形式水冷4ストロークDOHC 4バルブ並列4気筒
総排気量599cc
ボア×ストローク67×42.5mm
圧縮比12.2
最高出力89kW/14250rpm
最大トルク63N・m/11500rpm
燃料タンク容量18L
変速機形式6速リターン
燃料消費率 ※WMTCモード値18.2km/L(1名乗車時)
キャスター角24°06′
トレール量100mm
ブレーキ形式(前・後)Φ310mmダブルディスク・Φ220mmシングルディスク
タイヤサイズ(前・後)120/70ZR17・180/55ZR17

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