XS-1、XS650、SR400…すべてヤマハの名車ベース!ホットロッド、チョッパー、トラッカー|ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショー

ヤマハ車はカスタムベースとして時代を築き、絶版後も絶大なる人気を誇るモデルを数多く輩出しているバイクメーカーとしても知られる。ここでは日本最大級のカスタムカー&カスタムバイクイベント「ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショー(HCS)2023」に出展された、ヤハハ車ベースの超個性派カスタムたちをご紹介。バーチカルツインエンジンを搭載したXS-1改やXS650改、“カスタムベースのキング”とも呼ぶべきSR400改など、素材を活かしたカスタムが多数登場。
PHOTO/REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
イベント主催:ムーンアイズ https://www.mooneyes.co.jp/

車名:YX-1(Red Dragonfly) ベース車両:ヤマハXS-1 出展:ロケットハウス 

●ヤマハXS-1 全長×全幅×全高:2,175mm×905mm×1,155mm 車両重量:185kg エンジン型式:空冷4ストローク並列2気筒SOHC 2バルブ 排気量:653cc 最高出力:39.0kW(53.0ps)/7,000rpm 最大トルク:53.9N・m(5.5kgf・m)/6,000rpm 当時の販売価格:33万8000円
2020 歴史車両走行会 XS-1

1955年(昭和30年)、ヤマハは同社初の二輪モデル「YA1」を発売。以来、2ストロークエンジンのみを市販化してきた。1970年(昭和45年)、ヤマハは初の4ストローク搭載車となるXS-1(写真)をリリース。同車は「軽量・スリム・コンパクトな大排気量スポーツモデル」がコンセプト。

細身のダブルクレードルフレームに、当時主流のOHVではなく、コンパクトなシリンダーヘッドのスリムな並列2気筒SOHC 2バルブ・バーチカルツイン653ccエンジンを搭載。多くのファンを獲得し、「ペケエス」の愛称で親しまれた。

XS-1は1970年9月、ガソリンタンクのデザインを変更に加え、フォークブーツがレス化されたセリアーニ式フロントフォークを新採用したXS650としてマイナーチェンジ。その後はディスクブレーキなどを採用したXS650E、エンジンをわずかに前傾させたTX650などに進化した。

EXHAUST SOUNDS “XS-1” 1970

写真は「もしもヤマハのモーターサイクル第1号機「YA-1」以前に、リジッドフレームを採用したモデルがあったならば?」をイメージしてカスタマイズ。車名はYX-1(Red Dragonfly/赤トンボ)。

フレームはワンオフ製作し、ヤマハ発の4ストロークエンジン搭載車「XS-1」の並列2気筒SOHC 2バルブ・バーチカルツイン653ccエンジンをスワップ。ノスタルジー系のホットロッドカスタムに仕上げている。

車名:YX650 Hi-Rider(Bumble-Bee) ベース車両:ヤマハXS650 出展:ロケットハウス

まばゆい陽光を道標に、野外フェスを転々とハチのように“ブンブン”と飛び回ってダンスを繰り返し、昼夜問わずにひたすら酒と音楽に浸って過ごす……そんなチョッパーのある日常をイメージしてカスタマイズ。

70’sチョッパー、ヒッピー&サイケデリック文化をルーツに、“ゆるさ”をテーマに融合。何を創れば最高? ではなく、オーナーとの即興セッションを繰り返し、すべきことを実践。他のチョッパーとは異なる、“唯一無二の一台”に仕上げている。

ベース車両:ヤマハTX650 出展:HAVE to MONGOOSE Blacters

●ヤマハTX650 全長×全幅×全高:2,180mm×900mm×1,160mm 車両重量:212kg エンジン型式:空冷4ストローク並列2気筒SOHC 2バルブ 排気量:653cc 最高出力: 39kW(53ps)/7,500rpm 最大トルク:53.9N・m(5.5kgf・m)/6,000rpm 当時の販売価格:38万円

1973年(昭和48年)に登場したビッグスポーツのヤマハTX650は、先行発売のTX750やTX500とともに、「TXシリーズ」の充実を担ったモデル。「XS-1」や「XS650」から継承のバーチカル・ツインスタイルを基調に、フレームを一新。直進安定性の向上を目指し、ロングホイールベース化し、トレールを延長。

エンジンは空冷4ストローク並列2気筒SOHC 2バルブ653cc。エンジンをわずかに前傾させるとともに、ピストンやコンロッドを軽量化。H型アルミリム、シールドビームヘッドライトも新たに装備。トランジスタ点火となった最終型の1980年型まで、ロングセラーモデルとして人気を博した。

写真はヤマハTX650をベースに、ダートトラックスタイルにカスタマイズ。ガソリンタンクとトラッカーシートカウルは、XS-1の人気純正カラーであるグリーン×ホワイトのツートンにアレンジ。エンジンはブラックアウト化して精悍さを向上。腰下のYAMAHAロゴは、プラグコードとガソリンタンクロゴと同色のレッドにアレンジ。

レトロなテーパー形状のエンド部を採用したマフラーは、左右2本出しではなく右側2本出しにレイアウト。メッシュ加工を施したオリジナルのサイドカバーには、“XR650 FLAT TRACK”のロゴを配置。

フロントホイールはスポーク型だが、リアはキャスト型を採用。前後タイヤは肉厚でワイドなダートラ用タイヤを選択。前後ブレーキはディスク式を導入。ヘッドライトやテールランプ、ウインカー、バックミラーなどの保安部品を装備するなど、ストリートも走行できる仕様に仕上げている。

ベース車両:ヤマハSR400 出展:LAMPCYCLE

写真はモデルチェンジされた1985年型。同型はフロントホイールを19インチから18インチに変更し、クラシカルイメージを高めるためにドラムブレーキを採用。フューエルタンク容量は12Lから14Lとなり、側面はやや膨らんだ形状に変更。このモデルは「2型」と呼ばれ、2000年まで継続。今でも「SR=前後ドラムブレーキ」というイメージを持つ人が多く、SR人気を決定づけたモデル。

SR400は1978年の登場以来、エンジン形式やフレーム形状を変更することなく生産され続けてきた超ロングセラーモデル。カスタムベースとしても根強い人気を誇るSR400は、シングルクレードルフレームにシンプルな空冷4ストローク単気筒SOHC 2バルブ399ccエンジンを搭載。2021年3月15日に発売された1000台限定の特別仕様車「SR400 Final Edition Limited」をもって、惜しまれつつ生産終了となった。

写真は1998年式のSR400をベースに、大胆なカスタムを施したトラッカー風の一台。一体型のガソリンタンク・サイド&リアカウル・カスタムシートを組み合わせ、流れるようなフォルムにアレンジ。フレームは外装類と同色にペイントし、一体感のある外観に仕上げている。

エンジンは腰上から腰下まですべてブラックアウト化。マフラーはアップ型左出しに変更。フットブレーキペダルはブラック、キックペダルはシルバーとするなど、黒系パーツと銀系パーツのカラーコーディネイト術もお見事。

ブラックアウト化されたレトロなイメージのフロント周りは、スプリンガー式フロントフォーク、ドラムブレーキ、オフロード用タイヤを組み合わせ。リアはワイド&ロングスイングアーム、ホイールキャップ付きのワイドホイール、ワイドタイヤをコーディネイトして重量感溢れるヘビー級フォルムを演出。

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