F1中国GPで「メルセデス AMG GT 63 S E パフォーマンス」を公開

AMG史上最高の加速力を誇る「メルセデス AMG GT 63 S E パフォーマンス」がワールドプレミア「最高出力816PS」

トップパフォーマンスモデル「メルセデス AMG GT 63 S E パフォーマンス」の走行シーン。
上海で開催されるF1中国GPのレースウイークにワールドプレミアされた「メルセデス AMG GT 63 S E パフォーマンス」。
4月21日に決勝レースで開催されたF1中国GPにおいて、メルセデス AMGがトップパフォーマンスモデル「メルセデス AMG GT 63 S E パフォーマンス」をワールドプレミアした。最高出力816PSを発揮する、最新のプラグインハイブリッド・パワートレインを搭載し、0-100km加速はAMGモデル市販最速の2.8秒を実現している。

Mercedes-AMG GT 63 S E PERFORMANCE 

F1由来の技術を積極的に導入

トップパフォーマンスモデル「メルセデス AMG GT 63 S E パフォーマンス」のエクステリア。
F1に参戦するメルセデス AMG ペトロナス F1チームによって開発されたハイブリッド&バッテリー技術を導入。発表の場として、F1中国GPが選ばれることになった。

上海で開催された2024年シーズンF1第5戦中国GPで、メルセデス AMGはGTシリーズの新しいトップパフォーマンスグレード「メルセデス AMG GT 63 S E パフォーマンス」を発表した。4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンに、パワフルなE パフォーマンス・ハイブリッドパワートレインを搭載。モーターによる鋭いレスポンスと、ICEによる力強いパワーデリバリーを両立している。

今回、F1グランプリに参戦するメルセデス AMG ペトロナス F1チームからフィードバックされた、革新的なモータースポーツテクノロジーを数多く導入。プラグインハイブリッドパワートレインは、システム最高出力600kW(816PS)、最大トルク1420Nmを発揮し、0-100km/h加速2.8秒、最高速度は320km/hを実現している。

セミアクティブ・ロールスタビライゼーション機能付き「AMG アクティブ・ライドコントロール・サスペンション」や「アクティブ・リヤアクスル・ステアリング」の最新デバイスを標準搭載。スポーツ走行時のドライビングダイナミクスと、日常の快適性を両立した。

また、極限のパフォーマンスに合わせて、フロントにブロンズカラーの6ピストン固定式キャリパー、リヤには1ピストンフローティング式キャリパーを備えた「AMGセラミック・ハイパフォーマンス・コンポジット・ブレーキシステム」を標準装備する。

メルセデス AMGのマイケル・シーべCEOは、メルセデス AMG GT 63 S E パフォーマンスについて次のようにコメントした。

「AMG製市販モデル最速となる0-100km/h加速2.8秒を実現しました。これまで、どのようなモデルもこれほどの加速力で走ったことはありません。このスペックを考えると、新型AMG GT 63 S E パフォーマンスのワールドプレミアの場として、F1グランプリ以外は考えられませんでした」

「AMG製4.0リッターV8ツインターボと、パフォーマンスハイブリッドシステムの組み合わせにより、GTファミリーのトップに君臨するモデルとなりました。圧倒的なパフォーマンスとダイナミックなドライビングエクスペリエンスを兼ね備え、ステアリングを握れば、誰もが鳥肌が立つような感動を得るでしょう。同時に、このクルマは豊富な装備オプションも用意されています」

リヤアクスルにPHEVシステムを搭載

フロントにAMG製4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジン、リヤアクスル上にバッテリーを含めた最新のプラグインハイブリッド・パワートレインを搭載する。
フロントに搭載されたAMG製4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジン。リヤアクスル上にバッテリーを含めた最新のプラグインハイブリッド・パワートレインが配置される。

メルセデス AMG GT 63 S E パフォーマンスは、フロントアクスルにAMG製4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジン、リヤアクスルに最新の電動駆動ユニットを組み合わせた、プラグインハイブリッドパワートレインを搭載する。PHEVシステムは、150kW(206PS)を発揮する永久励磁同期電機モーター、2速トランスミッション、機械式リヤアクスルLSDを統合。軽量高性能リチウムイオンバッテリーはリヤアクスル上部に配置された。

コンパクトなハイブリッドパワートレインの設計は、数多くの利点をもたらすことになった。電気モーターはリヤアクスルへと直接作用するため、パワーロスをなくし、直接的に推進力へと変換。これにより、発進時、加速時、追い越し時に強烈なブーストを得ることが可能になった。

完全可変式「AMGパフォーマンス 4MATIC+」システムにより、リヤアクスルのスリップ量が増加すると、電気モーターの駆動力はフロントアクスルへと伝達される。また、重量物のハイブリッドパワートレインをリヤアクスルに配置することで、車両重量とアクスル荷重の前後バランスが改善、ハンドリング性能の向上も実現している。

直接冷却方式を採用した高性能バッテリー

トップパフォーマンスモデル「メルセデス AMG GT 63 S E パフォーマンス」の充電シーン。
搭載される400V AMGハイパフォーマンスバッテリーには、今回初めて直接冷却システムを採用。これにより、より高い熱効率性を実現することになった。

今回、400V AMGハイパフォーマンスバッテリーに、革新的な直接冷却システムを初採用。560個のバッテリーセルは、不燃性液体をベースにしたハイテク冷却剤で取り囲まれており、それぞれが個別に冷却される。従来の水冷式と比較して、この冷却剤は2~3倍の熱容量があり、より多くの熱エネルギーを蓄えることが可能になった。

直接冷却システムの導入のため、AMGのエンジニアは、円筒形セルの高さに対応する幅を持った、極めて薄い冷却シャフトを新たに開発している。

リチウムイオンバッテリーシステムの開発は、メルセデスAMGペトロナスF1チームのF1マシンで実証された技術が導入された。AMGハイパフォーマンスバッテリーの容量は6.1kWh、連続出力は70kW、ピーク出力は150kW。充電は、3.7 kW車載充電器を介して、充電ステーション、ウォールボックス、または家庭用ソケットから交流で行われる。EVモードでは最大13kmの走行が可能となっている。

マッサージ機能付きAMGスポーツシート

トップパフォーマンスモデル「メルセデス AMG GT 63 S E パフォーマンス」のコクピット。
コクピットには3種類のマッサージ機能を搭載した「AMGスポーツシート」を標準搭載。オプションで、よりホールド性の高い「AMGパフォーマンスシート」を選ぶこともできる。

インテリアは、スポーツ性の追求だけでなく、トップモデルとして最高レベルの快適性も重視された。コクピットのデザインはセンターコンソールの縦型ディスプレイを含めて、ドライバーにフォーカスしたデザインを採用。また、オプションとして「2+2」シートも用意されており、使い勝手の良いラゲッジスペースを含めて、ドライバーの好みに合わせたスペースレイアウトを選ぶことができる。

標準装備される電動調整式「AMGスポーツシート」は、優れた横方向のサポート性と長距離快適性を両立。3種類のマッサージプログラムは、長距離運転時にドライバーの負担を低減する効果を持つ。「ENERGIZING」パッケージプラスは、シーティング機能とアンビエント照明を組み合わせ、リラックスできる快適な室内空間を実現。また、オプションのヘッドレスト一体型「AMGパフォーマンスシート」は、シートバックにベンチレーションシステムを装備する。

シートカバーは快適性重視からパフォーマンス重視まで、豊富なラインアップを展開。ワントーン/ツートーンのナッパレザーや、ダイヤモンド・キルティングが施されたエレガントなマニュファクトゥール・レザーナッパレザーなど、ラグジュアリーな室内にあつらえることも可能だ。

コクピットの「MBUX」マルチメディアシステムは、直感的な操作と学習機能を導入。AMG GT 63 S E パフォーマンスには、AMGとハイブリッド専用表示・機能が標準搭載される。高品質な専用グラフィックにより、ハイブリッドシステムのパワーフローが視覚化され、パワー、トルク、温度、バッテリー残量などがリアルタイムに表示される。

「メルセデスAMG GT 63 4MATIC+ クーペ」。最高出力593PS、最大トルク800Nmを発揮するM177型4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンに9速AT(AMG スピードシフト MCT)が組み合わせられるハイパフォーマンス仕様だ。

メルセデスAMGのフラッグシップスポーツ「GT 63 4マティック+ クーペ」が日本デビュー「価格は2750万円」

昨年モントレー・カーウィークにおいて発表された第2世代となる新型「メルセデスAMG GTクーペ」の日本導入が発表された。新型GTクーペは、メルセデスAMGが追求する「究極のハイパフォーマンス」と高いレベルの日常的な快適性を兼ね備えたメルセデスAMG独自開発のスポーツカーだ。

キーワードで検索する

著者プロフィール

ゲンロクWeb編集部 近影

ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…