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Volkswagen Polo TSI R-Line
エントリーモデルにまで広がる高品質化
定番輸入コンパクトカーのフォルクスワーゲン ポロがマイナーチェンジした。
基本となるサイズは変わらないが、バンパー形状が変化し、マイチェン前モデルよりも全長が10〜25mm伸びた。ひと目でわかる変更点は、ラジエーターグリルの下端にLEDのクロスバーが配置されたこと。ヘッドランプ下のLEDストリップとつながって一本のLEDが車両を横断している。リヤコンビランプ形状も大きく変わり、上端が車両の内側まで入り込んだデザインとなった。流行(も終盤)のダイナミックターンインジケーターを採用した。どちらかというと優しい印象を放っていたマイチェン前のデザインに対し、新型は前後ともにより現代的でアグレッシブなデザインとなった。
動力性能に影響する変更点としては、エンジンに同社の最新技術が盛り込まれた。999ccの排気量は変わらないが、圧縮比が10.3から11.4に上がった。最高出力95ps、最大トルク175Nmに変更はないものの、最大トルクの発生回転数が400rpm下がって1600-3500rpmとなった。このほかミラーサイクル化し、ターボが高級なバリアブルジオメトリータイプとなった。
3気筒でもたくましいエンジンが魅力
乗ってみた。大人3人が乗った状態で登坂区間で発進を試みたところ、確かに低回転域から十分なトルクを発し、スポーティとは言わないが、十分以上の加速性能を見せた。活発な3気筒エンジンという印象。3000rpm以上に達すると音はそれなりに高まるが、音質は例えば軽自動車のそれのような心もとないものではなく、もう少し野太くたくましい。振動も許容範囲にある。
ハンドリングが好ましい。我々はしばしば「キビキビとしたハンドリング」と称してクイックで反応が鋭いハンドリングのクルマを褒めるが、あれってすべてのクルマに必要な動きかというと決してそんなことはなく、普通に走らせたいのに邪魔というケースもままある。フォルクスワーゲンはユーザーがポロをどう走らせたいか熟知している。ステアリングのアシスト量が適切で、ドライバーは適度な手応えを感じながら操舵でき、挙動も角の取れたマイルドなもので、癒やされる。乗り心地も満足できる。
自慢のADASもさらに充実
優秀な同一車線内全車速運転支援システム「トラベルアシスト」が備わり、高速巡航時に非常にリラックスした状態でいられるのは、他のモデルで確認済み。ポロクラスにもこれが備わるとはいい時代になったもの。大きなクルマに乗る見栄以外の理由が見つからない。アクティブベーシック、アクティブ、スタイル、R-LINEの4グレード展開で、価格は257万2000〜329万9000円。派手さはないが、信頼感を日々感じながら使える存在である点は歴代モデルと同じだ。
REPORT/塩見 智(Satoshi SHIOMI)
PHOTO/市 健治(Kenj ICHIi)
MAGAZINE/GENROQ 2022年 8月号
大人3名が乗車した映像をチェック!
SPECIFICATIONS
フォルクスワーゲン・ポロTSI Rライン
ボディサイズ:全長4085 全幅1750 全高1450mm
ホイールベース:2550mm
車両重量:1190kg
エンジン形式:直列3気筒DOHCターボ
総排気量:999cc
最高出力:70kW(95ps)/5000-5500rpm
最大トルク175Nm(17.9kgm)/1600-3500rpm
トランスミッション:7速DCT
タイヤサイズ:215/45R17
車両本体価格(税込):329万9000円
【問い合わせ】
フォルクスワーゲン カスタマーセンター
TEL 0120-993-199
【関連リンク】
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