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比類無きパワフルなタブレット
いまさら「iPad」と言われても、心ときめかないガジェット好きは多い。iPadが色褪せたというわけではない。キーボードでの操作性も高まり、Macに近い使い方もできるようになったiPadシリーズは、むしろ他のタブレットを超えて孤高の存在になりつつある。
とはいえ、それは僕らのライフスタイルを大きく変えるものではなく、これまでに存在していた要素を取り入れ、iPad一枚でなんでもできますよというコト。大きな進化ではあるけれど革命的ではない。
しかし第6世代となったiPad miniと出会った時、いや発表されたときが最初ではあるが、これは今までのiPadとは違うぞと感じたのだ。その発表会の主役はiPhone 13シリーズ。そんな中でも1番印象的だったのがiPad miniと感じたのは僕だけではない筈。と言うのも、様々なシーンで活躍してくれそうな、他に比肩する製品がないパワフルかつ高機能な端末だったからだ。
どこにでも携行できるサイズ
パッと見た印象では四六判の単行本に似たサイズのiPad miniをみると、そのほとんどは8.3インチの高精細かつ明るく鮮やかなディスプレイで覆われている。スリープからの復帰時に指を触れると指紋認証してくれるTouch IDでスムーズな利用が可能だが、実はコンパクトなのにパワフル。A15 BionicはiPhone 13シリーズと同じだから、最新ゲームを適度なサイズの画面で楽しめ、Apple Pencilと組み合わせればプロ向けのクリエイターツールでスケッチやメモ書きもできる。
自撮りカメラの画質は画角122度という超広角から顔を追いかけるセンターフレーム機能を搭載。オンライン会議では自分の顔を追いかけ、家族そろってのテレビ電話では全員が収まるよう自動調整してくれる。コンパクトなiPad miniだからこそ、その時々、適した場所に持ち込んでオンラインコミュニケーションをはかることができるのだ。どこにでも顔を出せるフットワークの軽さと、何でもこなせるパワフルさ。その両方を兼ね備えるのだから、ミニタブレットにライバルはいないという説明にも納得していただけるだろう。
しかし僕がiPad miniに惚れたのは別の理由。iPad miniがあるとデジタルなライフスタイルが大きく変化するのだ。8.3インチ横画面は手軽に移動先でもゲームを楽しむのにピッタリだし、Apple Pencilと組み合わせればメモ書き、スケッチ、書類の訂正指示なども簡単。これ以上、小さいと役立たず、これ以上大きいと“何かと一緒には持ちたくない”という絶妙のサイズと重さ(300g未満)なのだ。
モデムやサブディスプレイにも
僕が気に入ったのはMacと組み合わせたときのお役立ち度。5Gモデム対応でスマホより電池容量が多いから、Macから通信モデム代わりに利用できる。Macのサブディスプレイ兼ペン入力タブレット代わりになるSidecarや、今年から加わったユニバーサルコントロール(MacからiPadに自動的に乗り入れて操作する機能)がiPad miniをMacの最高のパートナーにしてくれる。もちろんiPhoneに対するプラスワン端末としても魅力的。300gを切る軽さは、様々な使い方を想像させる。
REPORT/本田雅一(Masakazu HONDA)
PHOTO/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)
MAGAZINE/GENROQ 2021年 12月号
PRICE
5万9800円〜(掲載時)
評価
考え得る最高のタブレット端末をギュッと小さなサイズにまとめたのが本製品。バッテリーは約1日もつが、条件次第ではやや心許ない。しかしそんなことを忘れさせる機能と性能だ。
性能:5
軽さ:5
機能:5
バッテリー:3
ディスプレイ:5
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