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BMW iX xDrive60
大幅な航続距離アップを実現

2021年にフル電動クロスオーバーとしてデビューを飾った「BMW iX」が、デビュー4年を経て大幅なアップデートを受け、走行パフォーマンスの向上に加えて、701km(WLTPサイクル:iX xDrive60)という長大な航続距離を手にした。今回、ホイールベアリングとタイヤ性能の微調整などにより、グレードや装備により異なるものの、WLTPサイクルにおける電費が大幅に改善することになった。
iX改良新型は2025年春から、「iX xDrive45」「iX xDrive60」「iX M70 xDrive」の3グレードを全世界で発売開始。主要市場は米国、英国、ドイツとなり、引き続きドイツ・ディンゴルフィングのBMWグループ工場で生産される。現時点で、日本市場への導入時期は明らかになっていない。
より力強さを増したエクステリアデザイン

改良新型iXのエクステリアデザインは、BMWのSAVが持つ特徴的なプロポーションを維持しながら、張りのあるサーフェイスを備えた一枚岩のような外観を手にした。フロントセクションは、フィリグリー(繊細工)を思わせる繊細なフレームと、垂直方向と斜めのラインから構成さえた内部構造を持つBMWキドニーグリルを採用。今回、照明付きのBMWアイコニック・グロー・グリル(iX M70 xDriveに標準装備)が、オプションとして選択できるようになった。
ヘッドライトのデザインも一新され、デイタイムランニングライトとターンインジケータ用として縦型エレメントを導入。すべてのグレードに、コーナリングライト機能付き「アダプティブLEDヘッドライト」と、新開発の「シティライト」が標準装備される。
前後エプロンは継ぎ目のないデザインへと変更され、ボディカラーの面積が拡大。今回、オプションで設定された「Mスポーツ・パッケージ」は、力強いラインを持つフロントエアインテーク、リヤのバーティカルリフレクターが、iXのダイナミックなキャラクターを強調する。こちらもオプションの「Mスポーツ・パッケージ・プロ」は、ダークなMシャドー・ラインのヘッドライトとテールライトが装備される。
新たなエクステリアカラーとして「アークティックレース・ブルーメタリック」「デューングレー・メタリック」「カーボンブラック・メタリック」「BMW インディビュジュアル・ フローズン・ディープグレー・メタリック」「BMWインディビュジュアル・フローズン・ピュアグレー・メタリック」「タンザナイト・ブルーメタリック」「スペースシルバー・メタリック」が、2025年夏から追加される予定だ。
パフォーマンスと航続距離が大幅に進化

iXは、すべてのグレードが前後アクスルに電気モーターを搭載した電動全輪駆動。今回、駆動システムに調整が加えられ、パワーエレクトロニクスが進化、最高出力が向上した。「iX xDrive45」のシステム出力は60kW(83PS)向上し、最高出力300kW(413PS)、0-100km/h加速は1.0秒短縮されて5.1秒となった。「iX xDrive60」は、最高出力400kW(551PS、21PSアップ)、0-100km/h加速は4.6秒で、どちらのグレードも最高速度は電子リミッターにより200km/hに制限される。
トップグレードの「iX M70 xDrive」は、30kW(40PS)アップの最高出力485kW(668PS)、最大トルク1100Nmを実現。この最高出力はローンチコントロールを作動させた場合に発揮され、0-100km/h加速は3.8秒、最高速度は250km/hという瞬足を誇る。
今回から導入された最新バッテリーセル技術により、「iX xDrive45」に搭載されるバッテリーの電力量は、約30%増加した94.8kWh。「iX xDrive60」は109.1kWh、「BMW iX M70 xDrive」は108.9kWhのバッテリーが搭載される。
さらに全てのグレードに新型インバーター技術が導入され、ドライブシステムの電力密度が最適化された。高電圧バッテリーから電気モーターへのエネルギーの伝達効率が向上し、あらゆる走行域において最大航続距離が延長。「iX xDrive60」は563kmから701km、「iX xDrive45」が490kmから602 km、「iX M70 xDrive」が521kmから600kmという航続距離の大幅アップを実現している。
最新のデジタルコクピットを備えたインテリア

コクピットには、BMWオペレーティング・システム8.5をベースとする「BMW iDrive」を搭載。BMWカーブドディスプレイのタッチ機能や、BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントの音声コントロールによる、直感的な操作が可能となっている。また、ビデオストリーミングやゲームなど、様々なデジタルサービスにも対応する。
5G・モバイルWi-Fiアンテナを搭載しており、最適化されたスムーズなコネクティビティを提供。BMW IDとMy BMWアプリを活用することで、よりパーソナライズ化されたユーザーエクスペリエンスを実現した。BMWデジタルキーには、簡単な乗り出しを可能とするセットアップカードも導入されている。
アラームシステム、ウェルカムグッバイ・アニメーション、コンフォートアクセス、前席シートヒーター、ステアリングホイールヒーター、ドライビングアシスタント・プラス、BMWライブ・コクピット・プロフェッショナル、ハーマン・カードン製サラウンドサウンドシステムが、すべてのグレードに標準装備される。
トップグレードの「iX M70 xDrive」には、インテグラル・アクティブステアリング、アダプティブ・ライドレベル・コントロール、BMWアイコニック・グロー・グリル、Mスポーツ・パッケージ・プロ、ソーラーコントロール・グレージングなどが標準搭載される。