「BMW iX」改良新型が2025年春から全世界で販売スタート

フル電動クロスオーバー「BMW iX」が大幅改良で最大航続距離700km超を実現【動画】

フル電動クロスオーバー「BMW iX」改良新型の走行シーン。
2021年にデビューした「BMW iX」が初の大幅なアップデートを実施。内外装の変更に加えて、走行性能の向上と航続距離の延長を実現した。
BMWは、フル電動スポーツ・アクティビティ・ビークル「iX」の改良新型を発表した。iX改良新型は、走行性能が向上し、航続距離も大幅に延長。エクステリアとインテリアは、最新BMWのデザインランゲージにアップデートされている。iX改良新型は、2025年春から全世界での販売をスタートする。

BMW iX xDrive60

大幅な航続距離アップを実現

モデルや仕様によって異なるものの、今回のアップデートにより、iX改良新型は航続距離が約6%もアップ。最大航続距離は701kmを実現した。
グレードや仕様によって異なるものの、今回のアップデートにより、iX改良新型は航続距離が約6%もアップ。最大航続距離は701kmを実現した。

2021年にフル電動クロスオーバーとしてデビューを飾った「BMW iX」が、デビュー4年を経て大幅なアップデートを受け、走行パフォーマンスの向上に加えて、701km(WLTPサイクル:iX xDrive60)という長大な航続距離を手にした。今回、ホイールベアリングとタイヤ性能の微調整などにより、グレードや装備により異なるものの、WLTPサイクルにおける電費が大幅に改善することになった。

iX改良新型は2025年春から、「iX xDrive45」「iX xDrive60」「iX M70 xDrive」の3グレードを全世界で発売開始。主要市場は米国、英国、ドイツとなり、引き続きドイツ・ディンゴルフィングのBMWグループ工場で生産される。現時点で、日本市場への導入時期は明らかになっていない。

より力強さを増したエクステリアデザイン

フル電動クロスオーバー「BMW iX」改良新型のエクステリア。
BMWの最新デザインランゲージが導入され、フロントライトやグリルデザインが刷新。より力強いエクステリアを手にした。

改良新型iXのエクステリアデザインは、BMWのSAVが持つ特徴的なプロポーションを維持しながら、張りのあるサーフェイスを備えた一枚岩のような外観を手にした。フロントセクションは、フィリグリー(繊細工)を思わせる繊細なフレームと、垂直方向と斜めのラインから構成さえた内部構造を持つBMWキドニーグリルを採用。今回、照明付きのBMWアイコニック・グロー・グリル(iX M70 xDriveに標準装備)が、オプションとして選択できるようになった。

ヘッドライトのデザインも一新され、デイタイムランニングライトとターンインジケータ用として縦型エレメントを導入。すべてのグレードに、コーナリングライト機能付き「アダプティブLEDヘッドライト」と、新開発の「シティライト」が標準装備される。

前後エプロンは継ぎ目のないデザインへと変更され、ボディカラーの面積が拡大。今回、オプションで設定された「Mスポーツ・パッケージ」は、力強いラインを持つフロントエアインテーク、リヤのバーティカルリフレクターが、iXのダイナミックなキャラクターを強調する。こちらもオプションの「Mスポーツ・パッケージ・プロ」は、ダークなMシャドー・ラインのヘッドライトとテールライトが装備される。

新たなエクステリアカラーとして「アークティックレース・ブルーメタリック」「デューングレー・メタリック」「カーボンブラック・メタリック」「BMW インディビュジュアル・ フローズン・ディープグレー・メタリック」「BMWインディビュジュアル・フローズン・ピュアグレー・メタリック」「タンザナイト・ブルーメタリック」「スペースシルバー・メタリック」が、2025年夏から追加される予定だ。

パフォーマンスと航続距離が大幅に進化

フル電動クロスオーバー「BMW iX」改良新型の走行シーン。
パワーユニット全体に手が入れられ、最高出力を含めたパフォーマンスが向上。バッテリーも改良され、航続距離が大幅に延長している。

iXは、すべてのグレードが前後アクスルに電気モーターを搭載した電動全輪駆動。今回、駆動システムに調整が加えられ、パワーエレクトロニクスが進化、最高出力が向上した。「iX xDrive45」のシステム出力は60kW(83PS)向上し、最高出力300kW(413PS)、0-100km/h加速は1.0秒短縮されて5.1秒となった。「iX xDrive60」は、最高出力400kW(551PS、21PSアップ)、0-100km/h加速は4.6秒で、どちらのグレードも最高速度は電子リミッターにより200km/hに制限される。

トップグレードの「iX M70 xDrive」は、30kW(40PS)アップの最高出力485kW(668PS)、最大トルク1100Nmを実現。この最高出力はローンチコントロールを作動させた場合に発揮され、0-100km/h加速は3.8秒、最高速度は250km/hという瞬足を誇る。

今回から導入された最新バッテリーセル技術により、「iX xDrive45」に搭載されるバッテリーの電力量は、約30%増加した94.8kWh。「iX xDrive60」は109.1kWh、「BMW iX M70 xDrive」は108.9kWhのバッテリーが搭載される。

さらに全てのグレードに新型インバーター技術が導入され、ドライブシステムの電力密度が最適化された。高電圧バッテリーから電気モーターへのエネルギーの伝達効率が向上し、あらゆる走行域において最大航続距離が延長。「iX xDrive60」は563kmから701km、「iX xDrive45」が490kmから602 km、「iX M70 xDrive」が521kmから600kmという航続距離の大幅アップを実現している。

最新のデジタルコクピットを備えたインテリア

フル電動クロスオーバー「BMW iX」改良新型のインテリア。
BMWカーブドディスプレイを備えたコクピットは、最新の「BMWオペレーティング・システム8.5」を導入。ビデオストリーミングやゲームなど、様々なデジタルサービスをスムーズに量利用できる。

コクピットには、BMWオペレーティング・システム8.5をベースとする「BMW iDrive」を搭載。BMWカーブドディスプレイのタッチ機能や、BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントの音声コントロールによる、直感的な操作が可能となっている。また、ビデオストリーミングやゲームなど、様々なデジタルサービスにも対応する。

5G・モバイルWi-Fiアンテナを搭載しており、最適化されたスムーズなコネクティビティを提供。BMW IDとMy BMWアプリを活用することで、よりパーソナライズ化されたユーザーエクスペリエンスを実現した。BMWデジタルキーには、簡単な乗り出しを可能とするセットアップカードも導入されている。

アラームシステム、ウェルカムグッバイ・アニメーション、コンフォートアクセス、前席シートヒーター、ステアリングホイールヒーター、ドライビングアシスタント・プラス、BMWライブ・コクピット・プロフェッショナル、ハーマン・カードン製サラウンドサウンドシステムが、すべてのグレードに標準装備される。

トップグレードの「iX M70 xDrive」には、インテグラル・アクティブステアリング、アダプティブ・ライドレベル・コントロール、BMWアイコニック・グロー・グリル、Mスポーツ・パッケージ・プロ、ソーラーコントロール・グレージングなどが標準搭載される。

「BMW iX」改良新型を動画でチェック!

「ノイエ クラッセ」のデザイン言語を採用した最初の量産モデルとして登場する「BMW iX3」。

「BMW iX3」後継モデルのプロトタイプを発見! “航続距離800km”を目指して開発中か? 【スクープ!】

BMWは現在、電動クロスオーバーSUVの「iX3」後継モデルの開発に取り組んでいる。ノイエクラッセのデザイン言語を採用した市販車第1号と言われるiX3の最新プロトタイプをカメラが捉えた。

キーワードで検索する

著者プロフィール

ゲンロクWeb編集部 近影

ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…