「ジープ ラングラー」と「ランドローバー ディフェンダー」の2.0リッターガソリン車同士をスペック比較

“800万円台の本格オフロードSUV”比較「ジープ ラングラー ルビコン」と「ランドローバー ディフェンダー 110」どっちがおすすめ?

市販車最高峰のオフロード性能を備える「ジープ ラングラー」と英国発の高級オフローダー「ランドローバー ディフェンダー」。今回は同価格帯のラングラーのトップグレード「アンリミテッド ルビコン」とディフェンダーの最廉価モデル「110 XダイナミックSE」ならどちらを選ぶべきか、両車のスペックや装備の違いを比較してみよう。

JEEP WRANGLER
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LANDROVER DEFENDER 110

オフローダーに求められるのは悪路走行性能か快適性か

価格帯の異なる2台なので、今回はあえて「ジープ ラングラー」のトップグレード「アンリミテッド ルビコン」と「ディフェンダー」の最廉価グレード「110 XダイナミックSE」を比較する。現行型ディフェンダーはモノコックボディとなり、90/110/130という3種のボディサイズが用意される。ラングラーの4ドアモデルと同じ土俵に立つのはディフェンダー 110だ。

現在も変わらずオフローダーらしい外観を保つラングラーと並べると、ディフェンダーはスタイリッシュでモダンな印象が際立つ。インテリアを比べても、オフロード走行時の機能性に特化しているラングラーに対し、ディフェンダーはオフローダーらしさを残しながらもオンロードSUVのような雰囲気にまとめられておりファミリーカーとしても違和感なく使えそうだ。

屋根やドアを外せる構造になっているラングラーは、車内に張り巡らされたロールケージが乗員を圧迫するうえ、荷室にはロールケージの基部が張り出しているため居住性がよいとはいえない。おまけに内張りも簡素であるため夏は暑く、冬は寒い。快適なクルマはどちらかといえば間違いなくディフェンダーの方だ。

その代わりラングラーはラダーフレームに前後リジッドアクスルの組み合わせであり、乗り心地はディフェンダーに劣るが、この構成でなければ走れない道がある。

ジープ ラングラー アンリミテッド ルビコン

ボディサイズ=全長4870mm×全幅1930mm×全高1855mm
ホイールベース=3010mm
車両重量=2110kg
タイヤサイズ=LT255/75R17

ランドローバー ディフェンダー 110 Xダイナミック SE P300

ボディサイズ=全長4945mm×全幅1995mm×全高1970mm
ホイールベース=3020mm
車両重量=2270kg
タイヤサイズ=255/60R20

エンジンスペックは互角!大きな違いはAWDシステム

パワートレインの基本的な構成やスペックはほぼ同じと言えるだろう。直列4気筒ガソリンターボエンジンに副変速機付きの8速ATが組み合わされ、どちらも電子制御式フルタイムAWDとなる。ただし、AWDシステムの先進性ではディフェンダーに軍配が上がる。

ラングラーは前後にデフロック機構を備え、悪路走行時にフロントスタビライザーの締結を解除してサスペンションストロークを多く確保できる「スウェイバーディスコネクトシステム」を搭載するが、それぞれの機能を使うにはドライバー自身の判断と操作が必要だ。

それに対し、ディフェンダーに搭載されるAWD制御システム「テレインレスポンス」は路面状況に応じて、エンジン出力やデフのロック率など多くの設定が最適制御されるうえ、ドライバーの要求に合わせて各設定を個別に設定できる。

どちらも並のSUVとは比較できないほど高い悪路走行性能を備えているのは間違いないが、ラングラーは局地における絶対的な走破力を有しており、ディフェンダーは幅広い場所で性能を発揮できるように作られている。

ジープ ラングラー アンリミテッド ルビコン

エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボエンジン
排気量=1995cc
最高出力=272PS/5250rpm
最大トルク=400Nm/3000rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=AWD

ランドローバー ディフェンダー XダイナミックSE P300

エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボエンジン
排気量=1995cc
最高出力=300PS/5500rpm
最大トルク=400Nm/2000rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=AWD

価格差はわずか34万円!好みで選ぶのがベスト

モデル全体の価格帯はディフェンダーの方が高く、装備や機能も充実している。乗り心地や車内の快適性が高いのもディフェンダーだ。その結果、ラングラーでもっとも高価で高性能な「アンリミテッド ルビコン」と、ディフェンダーでもっとも安価な「110 XダイナミックSE P300」が同じ価格帯に並ぶ。

オフロードなどで積極的に使うならラングラーがよりふさわしいだろう。だが乗用車としてならディフェンダーの方が圧倒的に使いやすい。しかし不便を承知のうえで、よりオフローダーらしい外観を持つラングラーを日常的に乗り回すのも魅力的な選択だ。この2台に関してはスペックやなど細かな点は気にせず、興味を惹かれる方を選ぶのが一番よいだろう。

車両本体価格

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