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BMW M4 GT3 EVO
ライバルのペナルティにより逆転

ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェを舞台に開催された2025年のニュルブルクリンク24時間レース、ROWEレーシングの「BMW M4 GT3」98号車は予選最終セッション進出を逃すなど、17番グリッドと厳しいスタートポジションから決勝レースに挑むことになった。晴天に恵まれたなか、決勝のスタートドライバーを担当したアウグスト・ファルフスが素晴らしい蹴り出しを披露し、1周目でトップ10に浮上する。
スタートから1時間半後、パドックにおける電源トラブルにより、コース上に赤旗が提示される。2時間15分の中断後のリスタートではヴァン・デル・リンデがフィールドを駆け抜け、わずか2周で98号車を9番手から3番手へと押し上げて見せた。
その後、マルチェロとクローンがドライブを引き継ぎ、アクシデントの危険が伴う夜間も安定した走りで2番手をキープ。ノルドシュライフェに朝日が昇る頃、M4 GT3 エボ 98号車は2分以上の差を縮め、フィニッシュまで3時間半の段階でついにトップを射程圏内に捉えた。
レースはマンタイEMAの「ポルシェ 911 GT3 R」911号車がトップフィニッシュを果たしたものの、アクシデントを引き起こしたとして100秒のペナルティが課されたこともあってリザルト上のトップはM4 GT3 エボの98号車とされた。レース後、マンタイEMAによるペナルティへの異議申し立てが却下され、ROWEレーシングのM4 GT3 エボ 98号車の勝利が確定した。
チーム全員で持ち帰った勝利

BMW Mのモータースポーツ部門責任者を務めるアンドレアス・ルースは、フィニッシュ後に喜びを爆発させた。
「信じられない展開の24時間レースでになりましたね! 私たちは1台のみの参戦でしたが、素晴らしいチームと素晴らしいドライバーたちのおかげで、最高のパフォーマンスを発揮できました。ROWEレーシングから参戦した4名のドライバーは、完璧なパフォーマンスを披露しました。ROWEレーシング、そしてBMW Mモータースポーツの全メンバーに、心からの感謝と祝福を送ります」
フィニッシュドライバーを担当したヴァン・デル・リンデは、次のようにレースを振り返った。
「ニュルブルクリンク24時間レースにおける勝利は、私にとって心から光栄な瞬間になりました。BMW MモータースポーツとROWEレーシングからの信頼にあらためて感謝します。極めて過酷なレースでしたが、チーム全体が完璧に機能しました。チーム、マシン、ドライバー、そして最終盤のタイヤまで、全てが限界まで頑張ったと胸を張ることができるでしょう。近年の24時間レースの中でも、最も過酷なレースのひとつになりました。この勝利を心から誇りに思います」
新型M2 レーシングがクラス優勝

今回のニュルブルクリンク24時間レースには、新型「M2 レーシング」が初投入された。FKパフォーマンス・モータースポーツから参戦した310号車は、BMW Mワークスドライバーのジェンス・クリンマン、チャールズ・ワーツ、ウーゴ・デ・ヴィルデに加え、モータースポーツジャーナリストのマイケル・ブレウティガムがドライブ。SP3Tクラスにエントリーし、圧倒的なパフォーマンスでクラス優勝を飾った。
BMW Mモータースポーツが開発したエントリー向けカスタマーレーシングカーが、販売前に実施された最終耐久テストで完璧な結果を残したかたちだ。新型M2 レーシングを含め、BMWが7つのクラスを制したことを受けて、アンドレアス・ルースは、次のようにコメントした。
「私たちの新しいファミリーメンバーである『BMW M2 レーシング』のパフォーマンスも感動的でした。4名の素晴らしいドライバーが、クラス優勝を飾ってくれました。FKパフォーマンス・モータースポーツをはじめ、今回のニュルブルクリンク24時間レースにおいて、BMWでクラス優勝やポディウムを獲得したすべてのチームとドライバーに『おめでとう!』と言いたいです。あなたちのハードワークを誇りに思います」