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Mercedes-Benz EQE SUV
GLEに相当する5人乗り電動SUV
メルセデス・ベンツの電気自動車ファミリー、EQシリーズの拡大が止まらない。フラッグシップサルーンのEQSから、下はエントリーモデルのEQAまで、この数年でラインナップ数を急ピッチで拡大中。2022年4月にはフルサイズSUVの「EQS SUV」をワールドプレミアしたばかりだが、すでにその弟分もデビューを間近に控えている。
それが、この秋に登場予定の「EQE SUV」だ。既存の内燃モデル「GLE」に相当するBEVで、5人乗りのミドルクラスラグジュアリーSUVとなる。
巨大な1枚ガラスが覆い尽くすダッシュボード
そのEQE SUVの正式なお披露目に先立ち、メルセデスが室内画像を先行公開した。
「ヘッドルームとレッグルーム、エルボールームはクラストップレベルの広さ」と謳うEQE SUVの室内の様子は、いかにも広々として開放的だ。たっぷりとしたサイズのレザーシートをはじめ、本物のアルミや上質なウッド、随所にあしらわれた繊細な細工、工夫をこらした“間接照明”などが高級車然とした雰囲気を室内に生み出している。
ダッシュボード一面を覆い尽くすのは、EQSやEQS SUVでも導入済みの「MBUXハイパースクリーン」だ。メーターディスプレイ、センターディスプレイ、助手席前ディスプレイの3要素を1枚の巨大なガラスでカバーするという大胆なデザインは、他メーカーには見られないもの。ちなみにスクリーン一面を覆うガラスカバーは摂氏約650度の高温で成形加工されており、ゆるやかに湾曲している。これにより、角度を問わず映り込みや歪みのない鮮明な表示を可能にしているという。
周囲の状況に合わせてスクリーン明度を自動調整
中央と助手席側のディスプレイにはOLED(有機EL)パネルを採用しており、とりわけ繊細で鮮やかな発色を実現している。さらに、タッチ操作したユーザーの指先へ確実にフィードバックを伝えるハプティクス技術も搭載。ガラス面には2層のコーティングを施しており、傷のつきにくさや清掃面にも配慮している。
また、万一の事故に備え、ある程度の衝撃が加わった際にはあえてつぶれるように取り付け部へ特殊なハニカム構造を採用するなど、パッシブセーフティ面にもメルセデスらしい哲学が見える。
「MBUXハイパースクリーン」は見た目だけでなく、頭脳部も一層の進化を遂げている。CPUのコア数は8、24GB RAMを搭載し、46.4GB/秒のRAMメモリ帯域幅をもつ。カメラと光センサーを利用し、周囲の状況に合わせてスクリーンの明度も自動的に調整するという。
“バーチャルアシスタント”も搭載
もちろん、AI(人工知能)を搭載しているので、現行MBUXでもお馴染みとなった自然対話式音声認識機能や、学習に応じた“提案”機能なども備えている。
メルセデスはクルマ側からの“提案例”として、次のような事例を挙げている。
・毎週火曜の帰宅時に決まった友人へ電話をしている場合、それを忘れるとクルマ側が該当時刻にリマインドを行なう(ただし全てのMBUXの提案はユーザーごとのプロファイルに紐付いているため、もし別のドライバーがEQE SUVを運転している場合は、このリマインドは実行されない)。
・ユーザーがヒートヒーター使用時にステアリングヒーターも連動させることが多い場合、ヒートシーターを入れた時点でステアリングヒーターの始動を提案する。
などなど、バーチャルアシスタントとして日々ドライバーをサポートしてくれるという。
航続距離や最高出力など、細かな数字は現時点(2022年8月)で明らかにされていない。兄貴分のEQS SUVが500〜600km程度の航続距離を実現していることを鑑みると、EQE SUVもそれに迫る性能を確保するだろう。
EQE SUVのワールドプレミアは、2022年10月16日に行われる予定だ。