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Maserati Project24
カーボンファイバー製パーツを贅沢に使用
2022年7月に公開された「プロジェクト24」は、フロントセクションにマセラティを象徴するトライデントが大胆に描かれていた。今回、公開されたCGイラストでは、より現実的なカラーリングを纏って公開されている。ボディ全体に取り付けられたネイキッドカーボンファイバー製空力パーツ、カーボンファイバー製ルーフ、スワンネックステーの大型リヤウイング、ライトバー付きシャークフィンなど、そのディテールがさらに明快になった。
アグレッシブなエクステリアは、デザイン部門チェントロ・スティーレ・マセラティが担当。FIA・GT規定から離れたことで、レーシングカーに課された様々な制約から解放。レギュレーションに縛られることなく、パフォーマンスや美しさが追求された。
また、トラックカーでありながら、マセラティが展開するカスタマイズプログラム「フォーリセリエ(Fuoriserie)」を活用することで、世界に1台しか存在しないスペシャル仕様に仕立て上げることができるという。
MC20をベースに徹底的な軽量化
パワーユニットは、MC20の3.0リッターV型6気筒「ネットゥーノ」ツインターボエンジンに、新型ターボチャージャーを採用して最高出力を740psに高めた。これに専用設計された6速シーケンシャル・ギヤボックスが組み合わせられる。駆動方式はRWDとなる。
足まわりにはサーキット走行用に専用チューニングされたサスペンション、抜群の制動力と軽量化を両立したカーボンセラミック・ブレーキシステムを装備。ロールケージや4点式バケットシートなど、FIA公認の安全装備が採用された。車両重量は1250kg未満を目標に開発が続けられている。
安全面は高い基準を保ちつつ、レースにおける競合とのバランスをとるための性能調整が施されないサーキット専用の究極のスーパースポーツカーは、先頃日本でもお披露目されたアストンマーティンAMR Proなどさまざまなブランドから続々と登場している。それらはいずれも、これまでに体験したことのない異次元の速さを見せていることを考えると、このプロジェクト24のポテンシャルも相当高いと予想される。エンジン出力はもちろんのこと、特におのCGからは空力に注力している様が読み取れる。さらにタイヤや電子制御など各メーカーが技術の粋を集めた珠玉のマシンは、それぞれが技術アピールであり、一方で彼らが目指す方向性を示しているともいえる。
マセラティは、プロジェクト24のオーナーに向けて、独自のサーキット体験イベントやドライビングレッスンを含めた充実のサポートを用意。価格やサポートメニューについては、今後発表される予定だ。