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Porsche Panamera
世界各地で行われたテストプログラム
2023年11月24日に控えたワールドプレミアを控え、新型ポルシェ パナメーラは、スペイン・バルセロナで最終テストを完了した。今回のテストではパナメーラの開発担当エンジニアにより、パワートレインやシャシー、駆動系の最終的な調整作業が行われている。
2016年に現行モデルとなる2代目がデビューを飾ったポルシェのフラッグシップ・スポーツサルーンが、7年ぶりに3代目へとフルモデルチェンジする。すでに4大陸をまたいで、あらゆるロケーションを舞台に大規模なテストが行われており、開発プログラムの大半が終了しているという。
アメリカで行われた酷暑テストでは、高地や低酸素状態でのドライブトレインの性能をチェック。酷暑下において、パワートレインの冷却システムやエアコンの性能も検証された。さらにスカンジナビアで寒冷地テスト、南アフリカでは悪路での耐久テスト、アジアでは高湿地や渋滞でのストップ&ゴーテストが繰り返しが行われている。
パナメーラの開発マネージャーを務めるマルセル・ホーンマンは、パナメーラの開発状況について次のように説明する。
「私たちの目標をクリアするため、そしてもちろん世界中のお客様の要望を満たすため、すべての新車を集中的にテストしています。私たちが設定する基準は、常に仕様書に定義された開発目標となります。新型パナメーラは、性能、快適性、サウンドなど、現行モデルを凌駕していなければなりません」
高性能プラグインハイブリッドを追加
ポルシェは、新型パナメーラに、最新のプラグインハイブリッド(PHEV)パワートレインを導入する。パナメーラのプロダクトライン担当副社長を務めるトーマス・フライムートはPHEVの採用について次のように説明を加えた。
「第2世代パナメーラには、3種のPHEVを導入しています。新型パナメーラでは、4種目となるPHEV仕様を追加します。これは、お客様からの強い要望に応えるものです。国によっては、パナメーラに占めるハイブリッドの割合はほぼ100%に達しています。この高性能PHEVはパナメーラの多彩なラインナップにマッチする、ハイパフォーマンス仕様となります」
「私たちはすべてハイブリッドモデルについて、高いドライビングダイナミクスと、EVモードでの航続距離、そして充電速度という重要な分野に関して、パナメーラの性能を高めています。今回のテストでは先代モデルよりも最大70%も、EVモードでの距離を伸ばすことができました」
モーターと内燃機関もアップデート
新型パナメーラのすべてのEハイブリッド・モデルのベースとなっているのは、よりパワフルな新型電気モーター。このモーターは新型デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)に完全に組み込まれている。新型電気モーターは、先代モデルよりも高い出力に加えて、回生性能も大幅にアップしつつ、さらに軽量化も実現した。
バッテリーは25.9kWhへと大幅に容量を増やし、エネルギー量の増加にもかかわらず、充電時間が短縮。PHEVのベースとなる内燃機関エンジンも抜本的に見直され、さらなる効率化とパフォーマンスアップを実現した。新型パナメーラに搭載されるすべてのドライブトレインは、将来導入される予定の排出ガス規制にも対応している。
新型パナメーラでは、初めてアクティブ・ダンパーコントロールと、幅広い追加機能を備えたハイエンドシャシーがオプション設定される。
「3代目パナメーラに採用されるハイエンドシャシーによって、私たちは新たな基準を打ち立てようとしています。バルセロナ港の石畳では非常に快適で、郊外の曲がりくねった田舎道では非常にダイナミックで俊敏な性能を発揮してくれました」と、トーマス・フライムートは付け加えた。