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Frontline LE60 / BEE EV Edition
アニバーサリーイヤーを祝う2台のMGB

1991年に英国で設立されたフロントライン・デベロップメンツは、2023年にフロントライン・カーズへと社名を変更。MGモデルのオーダーメイド・レストモッドを中心に展開し、その高い技術力は世界中で評価を得てきた。2023年はMGブランド誕生100周年とMGB60周年という節目の年であり、フロントラインは様々なアニバーサリーモデルを投入する。
その第1弾として、10月8日に開催されるビスター・ヘリテージ・サンデー・スクランブル(Bicester Heritage Sunday Scramble)において、フロントラインはMGBをベースとする2台の最新限定レストモッド「LE60」と「BEE EV エディション」を世界初公開する。
フロントライン・カーズの創設者兼チーフエンジニアを務めるティム・フェナは、2台のアニバーサリーモデルについて次のようにコメントした。
「MGは自動車史にその名を刻む偉大なレガシーです。2023年はその設立100周年を祝うとともに、MGB誕生60周年という、重要な節目の年になります。過去に敬意を表しながら、未来を受け入れるのが私たちの指針。大きな期待とともに、MGのクラシカルな魂にオマージュを捧げる、スペシャルエディションを発表します」
「LE60は私たちの長年にわたるMGBへの情熱と献身の集大成となる1台です。一方、BEE EV エディションは、私たちが掲げる明日へのビジョンを象徴しています。BEE EV エディションは、MGが持つ時代を超越したデザインを残しつつ、持続可能な未来へと私たち導くことになるでしょう」
最高出力380PSを誇るローバー製V8

限定30台のみが製造される「LE60」は、フロントライン初となるV8エンジン、ローバー製4.8リッターV型8気筒ガソリンエンジンを搭載。初代MGBの実に3倍となる、最高出力380PSを発揮する。パワフルなパワーユニットの搭載に合わせ、ボディワークの拡幅など行われた。
強化された5速MTの採用に加えて、様々な技術的なアップデートを実施。大幅なパワーアップにも関わらず、50:50の前後重量配分を実現し、車両重量はわずか1122kgに留められた。
今回、フロントライン は、LE50をベースにMGBのドナーカーを入念に再設計。強化型シャシー、ブリティッシュ・モーター・ヘリテージによるスチール製ワイドボディ、強化型ブレーキシステム(6ピストン・合金製フロントブレーキ/4ピストン・合金製リヤブレーキ)、ダンロップスタイル製16インチ・アロイホイール、リミテッド・スリップ・ディファレンシャル(LSD)、ナイトロンと共同開発された新型サスペンションが導入された。
「LE60は、私たちにとって単なる1台のクルマではなく、フロントラインの歴史と、MGだけでなくMGBとの結びつきを心から祝福する存在です。LE60の完成までの道のりは、信じられないような旅のようでした。私たち全員に、創造性とクラフトマンシップを発揮する場を与えてくれたのです」とティム・フェナ。
EV仕様にマニュアルギヤボックスを搭載

フロントラインは、「BEE(ロードスター)」と「BEE GT(クーペ)」という、初のフル電動MGBライン「BEE EV エディション」を開発。電動パワートレインの搭載にも関わらず、50:50の前後重量配分と、1186kg(BEE GT)という軽量化を実現した。
BEE EV エディションは、これまで様々なメーカーから登場した電動レストモッドとは異なり、マニュアルギアボックスを搭載。内燃エンジン(ICE)搭載車のようなドライビングを楽しむことができる。どのギヤからでもエンストせずに発進と停止ができることを除けば、従来のマニュアルギヤボックスとまったく同じように作動。EVでありながら、ヒール・アンド・トゥを楽しむことができるという。
街中でも郊外へのロングドライブでも抜群のパワーを発揮する100V電気モーターを採用。搭載される40kWh容量のバッテリーは、7kWh充電器を使用した場合、5時間強で100%の充電が完了する。フロントラインではBEE EV エディションの販売に加えて、既存のカスタマー向けにEVへのコンバージョンサービスもスタートする。