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アクセンチュアと共同開発した新システム
モータースポーツ由来のデジタル・テクノロジーの実用化は、2020年にランボルギーニのスーパースポーツとして初めて「Unica」アプリから利用できるテレメトリーシステムを搭載した「ウラカン STO」から始まった。今回、そのシステムをさらに進化させた「テレメトリーX」をアクセンチュアと共同開発し、CES 2024において公開している。
テレメトリーXは「リアルタイム・リモート・ガレージ(遠隔コーチング)」「バイオメトリック・データ・システム」「デジタル・コ・パイロット」という、3つの新機能を搭載。CES 2024でプレゼンテーションを行なったアウトモビリ・ランボルギーニのステファン・ヴィンケルマン会長兼CEOは、テレメトリーXについて次のようにコメントした。
「画期的なスーパースポーツのレヴエルトや、フル電動コンセプトカーのランザドールで実証したように、“革新”というキーワードは、私たちのDNAの中核をなしています。近い将来、私たちが手がけるスーパースポーツは、スリルだけでなく、真に没入できるドライビング体験を提供することになるでしょう。『テレメトリーX』は、お客様が今後数年間で体験できるようになるコネクテッド・サービスの完璧な予告編となります」
ドライバーをサポートする3つの機能
「リアルタイム・リモート・ガレージ」は5G技術により、ドライバーのコース上でのパフォーマンスやテレメトリをリアルタイムで録画し、いつでも利用できるウェブ・アプリケーション。動画とデータをベースに、世界中どこにいてもコーチがライブでモニターすることが可能で、ドライビングセッション後だけでなく、セッション中にもドライバーへとフィードバックやアドバイスを行うことができる。
リアルタイム・リモート・ガレージによりドライバーは、より効率的にサーキットでのパフォーマンスを向上。ユーザーフレンドリーなアプローチに基づいた、楽しいドライビングが保証されながら、さらに完全で魅力的なサーキット体験を堪能することができるという。
「バイオメトリック・データ・システム」は、ドライブ中の心拍数やストレスレベルなど、ドライバーの身体データを取得し、より詳細なパフォーマンス・モニタリングを実施。トレーニングの改善方法について、有益な情報を提供する。
このふたつの機能は、サーキット走行中に生体データと車両データの両方を比較してドライバーへとフィードバックを提供する音声アシスタント「デジタル・コ・パイロット」と相乗効果を発揮する。デジタル・コ・パイロットはラップタイムを分析し、レーシングラインやブレーキングポイントの改善に役立つアドイスを行う。同時に、サーキットにおけるマシンコンディションに関する情報なども提供する。