超音波センサーが障害物を検知!

駐車場などでのアクセルとブレーキの踏み間違いによる衝突事故が深刻視されるなか、被害を未然に防ぐ安全技術に注目が集まっている。
ペダル踏み間違い時加速抑制装置とは、駐車場などでの発進時や低速走行時に、誤ってアクセルを強く踏み込んだ際の急加速を抑えるための安全システムであり、一般的な衝突被害軽減ブレーキではカメラやレーダーが用いられることが多いのに対し、ペダル踏み間違い加速抑制システムでは主に超音波センサーが採用されているのが特徴だ。
車体の前後に取り付けられた超音波センサーが音波の反射を利用して周囲を監視するため、カメラでは認識しにくい透明なガラス壁なども捉えることができる。
そして、進行方向に壁や車両などの障害物が存在する状態でドライバーがブレーキと間違えてアクセルペダルを深く踏み込むと、システムが異常を検知してエンジンの出力を自動で抑制するしくみだ。
これにより車が急発進して店舗や他の車両へ衝突してしまう事故を防いだり、被害を軽減させたりすることが可能となる。

また、前進時だけでなく、バックする際に後方の障害物を検知して加速を抑える機能を備えたシステムも多く実用化されており、ギアの入れ間違いによる後退時の予期せぬ急加速も防げるため、駐車場での切り返しなどにおいてドライバーの操作ミスをカバーする重要な役割を担っている。
システムの作動時には、ディスプレイ表示や警告音によってドライバーに異常を知らせ、ブレーキ操作を促すしくみも組み込まれているが、この装置はエンジンの出力を抑えて加速を防ぐものであり、自動でブレーキがかかって車を完全に停止させる機能を持たない場合が多い点には留意したい。
後付け装置や義務化の動向!作動制限と過信への注意点

近年では新車への搭載だけでなく、既存の車へ後から装着できる後付け装置の普及も進んでおり、これを受けて国土交通省では、一定の機能基準を満たした製品に対する性能認定制度を実施してきた。
さらに国土交通省は道路運送車両の保安基準等を改正し、オートマ乗用車(クラッチペダルのない乗用車)に対して「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」の搭載を義務付けることも決定・施行した。
この義務化規定は、新型乗用車においては2028年9月1日以降(輸入車は2029年9月1日以降)に適用されることが定められており、今後の安全基準の標準化が大きく進む見通しだ。
自治体によっては後付け装置の費用の一部を補助する制度を設けているところもあり、事故軽減に向けた取り組みが広がっている。

一方で、こうした安全技術を導入したからといって、あらゆる状況で事故を完全に防げるわけではない点には注意が必要だ。
超音波センサーは金網やフェンス、極端に細いポール、生垣、雪など、超音波が反射しにくかったり吸収されたりしやすい障害物に対しては正しく反応できない場合がある。
くわえて、ウインカーを出しての発進や加速、急な上り坂での走行、ブレーキを放してから約2秒以内の踏み換えなどのドライバーの意図的な加速操作と判断される場面では、安全上の理由からシステムがあえて作動しない設定になっている。

このように障害物の有無や走行条件による作動制限が存在するため、機械の性能を過信した運転は事故に繋がるおそれがあるため、被害を減らすための補助的なシステムであることを理解し、先進の安全技術に頼り切らない意識を持つことが欠かせないだろう。
日頃からペダルの踏み分けと、駐車場などではブレーキに足を乗せて進む丁寧な運転操作を徹底して安全なカーライフを送ろう。