チリでポルシェのe-Fuelsパイロットプラントが正式オープン | 内燃機関自動車をほぼCO₂ニュートラルに運転するための合成燃料

ポルシェと、チリの事業会社Highly Innovative Fuels(HIF)と提携する国際パートナーとともに、合成燃料の工業生産を開始した。プンタアレナス(チリ)の「Haru・Oni」パイロットプラントが2022年12月20日正式にオープンしたのだ。

ポルシェは、2030年までにバリューチェーン全体でCO₂ニュートラルなバランスシートを実現することを目指している。これには、将来の全電気自動車モデルのCO₂ニュートラルな使用段階も含まれる。合成燃料は電気自動車を補完するものであり、スポーツカーメーカーの持続可能性戦略の一環をなすものだ。

ポルシェは、e-Fuelの開発と製造にすでに1億ドル(約135億円)以上を投資している。2022年4月には、HIF Global LLCに7,500万ドルを出資した。この会社は、チリ、米国、オーストラリアでe-Fuelプラントを計画、建設、および運営している。

風力エネルギーを利用して水と二酸化炭素から作られるeFuelは、ガソリンエンジンをほぼCO₂ニュートラルに運転することを可能する。

チリ南部は、年間270日程度風が吹き、風力発電機をフル稼働させることができるなど、e-Fuelsの生産に理想的な条件を備えている。また、プンタ・アレーナスはマゼラン海峡に近い位置にある。カボ・ネグロ港からは、従来の燃料と同様に合成e-Fuelを世界中に輸送することができ、既存のインフラを利用して流通させることができる。

パイロット段階では、年間約13万ℓ(34,342ガロン)のe-Fuelの生産が計画されている。この燃料はまずは、ポルシェ・モビール1スーパーカップやポルシェ・エクスペリエンスセンターなどのライトハウス・プロジェクトで使用される予定だ。パイロット段階を経て、最初の目標としてチリでのプロジェクトは2024年までに年間5500万ℓ(1453万ガロン)まで拡大される予定だ。その約2年後には、5億5,000万ℓ(1億4,530万ガロン)になる予定だ。

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