自転車好きジャーナリストの安藤眞が、さまざまなクルマにあの手この手で「愛車」を載せて積載性をチェックする「スポーツ自転車積載チャレンジ!」 第6回目は、人気の最新コンパクトミニバン「シエンタ」。全長の短いコンパクトミニバンでの積載性はどうなのか? 全国の自転車愛好家の皆さん、ぜひ参考にしてください。
REPORT:安藤 眞(ANDO Makoto) PHOTO:中野幸次(Nakano Koji)
トヨタ シエンタ Z(ガソリン 5人乗り・FF)
全長4260mm 全幅1695mm 全高1695mm 車両価格2,520,000円
まさか、ロードバイクを丸ごと飲み込む?
以前、シエンタの兄貴分であるヴォクシーにロードバイクを積もうとしたが、僕のドラポジの後ろにまっすぐ載せると130mmぐらいはみ出てしまい、前輪を外さなければならなくなった。ヴォクシーの2列目ベンチシートは、座面を跳ね上げてから前にスライドさせてラゲッジを拡大する方式なので、折り畳んだシートがけっこう厚く、ラゲッジの前後長がそれほど大きく取れないからだ。
今回のシエンタは、そのヴォクシーより全長が435mm短いから、丸ごと載せるのは端から諦め、前輪を外すパターンからトライ。N-BOXのときのように、前席背もたれをハンドルで挟んだら、余裕で載ったし、安定感も高い。フロントフォークの固定具を使ってもいいし、前後を逆にしても積めそうだ。
ロードバイク積載適正は十分、高いな、と思いつつ、後ろと天井に余っている空間を見たら、意外と広い。もしかして、前輪は外さずに丸ごと積める? いやいや、さすがにバックドアが閉まらなくて、ハンドルを切らないと積めないんじゃないかと思って試してみたら、なんとピッタリ積めてしまったではないか!
しかも、壁側に寄せればサドルが天井に当たるし、後席アシストグリップの位置がハンドルステムの位置とピッタリ。ここを縛ってしまえば固定も完璧だ。もう少しサイズが小さいと、サドルは天井に当たらないし、アシストグリップも遠くなってしまうが、壁側に立てかけることはできるし、2列目シートの背もたれ裏についているチャイルドシートのトップテザーアンカーが、うまいことロープフックに使用できる。
いやいや、これは素晴らしい。5人乗り仕様限定とはいえ、こんな小さいボディでロードバイクが丸ごと入ってしまうとは! うまくレイアウトすれば、3台+3名も可能かもしれない。マジでちょっと欲しくなったゾ。
積載自転車の寸法図
■第1形態 完成車状態 長さ1680mm 高さ1000mm 幅445mm
■第2形態 前輪を外してホルダーに固定 長さ1510mm 高さ965mm 幅445mm
■第3形態 前後輪を外し、後輪はリヤエンドサポートで保持 長さ1230mm 高さ880mm 幅445mm
■第4形態 前後輪外して倒立 長さ1115mm 高さ870mm 幅445mm
著者と自転車のプロフィール
メカニズムを得意とするジャーナリストの安藤 眞氏は、40年以上も自転車を趣味とし、カングーに愛車を積んでサイクリングを楽しんでいる。身長181cm。フレームを購入して自分で組み上げた写真のロードバイクはサドル高が1mあるから、この自転車が載るクルマなら、アナタの自転車も積載できる可能性が高いはず。
ブリヂストンサイクルのNEO-COTというフレームを購入して、自分で組み上げた。92年発売のスチール製(CrMo鋼)だが、当時としては画期的なもので、ハイドロフォーミング製法で接合部の形状が最適化されている。それを見た僕は「スチールフレームの最高到達点」と直感して即購入。部品を交換しながら30年間、乗り続けている。その後、アルミフレームやカーボンフレームに押され、2021年を最後に絶版となってしまった。ホイール径は700C。
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