ヒョンデがコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ2023で「Nビジョン74コンセプト」を披露

ヒョンデモーターカンパニーは、5月19〜21日にイタリア・コモ湖畔で開催された世界有数のヒストリックカーイベント「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ」にて、「Nビジョン74コンセプト」を披露した。

イタリアの伝説的デザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロ氏が考案した1974年の「ポニークーペコンセプト」にインスピレーションを得たデザイン

2022年に初公開された「Nビジョン74」は、ヒョンデNブランドの水素燃料電池ハイブリッド「ローリングラボ(Rolling lab)」で、イタリアの伝説的デザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロ氏が考案した1974年の「ポニークーペコンセプト」にインスピレーションを得たデザインが特徴だ。

コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステでの展示に先立ち、「Nビジョン74」はコモ湖畔で開催されたHyundai Reunionに、「ポニークーペコンセプト」のレストアモデル(写真)とともに登場し、ヒョンデ初のヘリテージプロジェクトを記念

同社は「ローリングラボ」を通じて、将来の生産モデルのための先進技術のテストと検証を行い、「ゼロ・テールパイプ・エミッションの未来をリードする」という大志を支えている。「Nビジョン74」は、ヒョンデのヘリテージデザイン、最先端のテクノロジー、そしてNブランドのエモーショナルなハイパフォーマンスの集大成であり、電動化を超えた持続可能なハイパフォーマンスの未来に向けたヒョンデNの長期ビジョンを表現している。

「Nビジョン74」は、バッテリーモーターと水素燃料電池システムの長所を組み合わせた、独自の水素燃料電池ハイブリッドアーキテクチャーを中心に開発。高性能を優先し、EVのような低温充電状態での電力劣化がなく、安定した出力を発揮することが可能だ。5分という充電時間と相まって、このユニークな水素燃料電池ハイブリッドアーキテクチャーは、「ローリングラボ」としてその高性能の可能性を追求している。

後輪の左右には独立型のデュアルモーターを搭載。680psのシステム出力を原動力に4秒以下の0-100km/h加速を誇る。フロントには85kW(116ps)の水素燃料電池スタック、ドライバーとパッセンジャーの間には62kWhのリチウムイオン電池、リヤには2.1kgの水素タンクを搭載し、約600kmの走行距離を実現している。

ヒョンデモーターカンパニーは、世界三大クラシックカーおよびコンセプトカーのコンペティションにレトロフューチャーな「Nビジョン74」を出展することで、そのデザインヘリテージと持続可能なパフォーマンス技術へのビジョンに注目を集めることができた。同社のチーフクリエイティブオフィサー、ルク・ドンカーヴォルケ氏はこのように語っている。
「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステに参加することは大変名誉のことであり、ここに至るまでのヒョンデモーターカンパニーの素晴らしい道のりを物語っています。私たちが想像していた未来は、徐々に現実のものとなりつつあります。車は移動手段から、ライフスタイルを拡張するモビリティ・プラットフォームへと変貌を遂げようとしています。このデザイン変革の中心に立ち、我々のレガシーからインスピレーションを得て、未来のモビリティの形を切り拓いていきます」

一方、ヒョンデグローバルデザインセンターのイ・サンヨプ副社長はこう述べている。
「ヒョンデのデザインDNAのルーツを明らかにし、我々のデザインヘリテージの始まりとなった国、イタリアでこのような権威あるイベントに参加できることを大変光栄に思います。Nビジョン74は、ポニークーペコンセプトの大胆なスピリットを継承し、韓国初のスポーツカーを作るというエンジニアの夢を実現する未来的なデザインとして、これまでの努力への賛辞と未来への宣言を込めています」

2022年のTopGear.comアワードでインスタント・アイコンと呼ばれた「Nビジョン74」は、最先端のテクノロジーとヘリテージデザインのバランスを探求している。ポニークーペコンセプトの大胆な姿勢を、未来志向のヒョンデデザインに昇華させている。エクステリアは、ポニークーペコンセプトのピュアなサーフェス、ダイナミックなプロポーションのプロファイル、Bピラーを再現し、ドライバー中心のコックピットは、デジタルクラスターやアナログボタンなど、ヘリテージの要素とモダンデザインを融合している。

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