【兄弟車を比較】新型ランクル250とレクサスGXの違いは何だ?ガチオフロードとラグジュアリー?

8月2日に発表されたトヨタの新型ランドクルーザー250と、6月8日にアメリカで発表されたレクサスの新型GX。この2台は見ての通り兄弟車であり、「トヨタとレクサスでバッジが違うだけは?」と思う読者も多いのではないだろうか。そこでこの2台にはどんな違いがあるのかを整理して比較してみよう。

新型ランドクルーザー250と新型レクサスGXの違いは?

ランクル250のフロントフェイスは、機能部品を一括りにまとめ、引き締まった印象を強調。レクサスGXはスピンドルボディとたプロテクター形状を融合している。

ランドクルーザープラドが14年ぶりにフルモデルチャンジを行ない、新型ランドクルーザー250へと生まれ変わった。プラドのレクサス版が「レクサスGX」という立ち位置で、前型モデルはともに2009年に登場し、ボディオンフレーム構造の本格SUVとして、高い走破性に加え、上質なインテリアを両立し、プラドは世界約170カ国、GXは約30カ国で販売されてきた人気モデルだ。

ランクル250はリヤのランプも枝などによる破損リスクを考慮し、高く中央へ寄せたランプ配置。 GXは一文字リヤコンビネーションランプとLEXUSロゴタイプとしている。

新型ランドクルーザー250は、「原点回帰」をテーマに、「The Land Cruiser : 質実剛健を追求し、お客様の生活と実用を支え、お客様に信頼されるクルマ」という、ランクルの原点に回帰する開発コンセプトを定め、ランクルを作り直す精神で開発を進めてきた。GA-Fプラットフォームを採用し、オフローダーとしての基本性能を大幅に向上するとともに機能性を追求したパッケージと、伝統とモダンを融合した内外装デザインを取り入れランクルらしさを追求してい。

一方の新型レクサスGXは、車両開発コンセプトを「ザ・プレミアム・オフローダー」として、過酷な悪路から街中の舗装路まで、クルマとともに過ごす様々なシーンで心高まる体験を提供するために進化を遂げている。LXと同じ新GA-Fプラットフォームの採用や、静粛性と出力、燃費に優れたV6ツインターボの搭載、各部位の高剛性化やEPSの採用など、本格オフローダーでありながらもLEXUSらしい乗り味を実現している。

【エクステリア比較】やはり違いはフロントフェイス

側方路面の覗き込みのため、ウインドウのベルトラインは前型比で約30mm下げて一段低くなっている。削ぎ取られたドア下部は、岩などの干渉を避けるためのものであるとともに視覚的軽快感を生む。

新型ランドクルーザー250のエクステリアは、水平基調のデザインによって再現されたランクルらしいシルエットとし、サイドはスリムに、オーバーハングは短く、コーナーは入念に造形を施している。前型より約30mm下がった低いベルトライン、直立した細いAピラー、見切りの良い角ばったボディ構成は、視認性と簡単かつ正確な操作性に寄与する。

フロントバンパーは分割で構成されていて、破損しやすい角のみを交換できる。

また、スタイリング全体では、ホイールとボディで踏ん張り感のあるスタンスを強調し、「信頼できるデザイン」であることも重視しているという。

過酷な環境では、傷つきにくさと修理のしやすさが大事だとのユーザーの声を重視し、ヘッドランプを高い位置に設定し、瓦礫やサバンナの長い草の上でも視認性を担保。分割されたフロント・バンパーは、簡単に修理できるようになっている。

ライトは丸目と角目の2種類が用意され、ヘッドランプの交換を前提としたデザインとなってるのも大きなポイントだ。丸目ヘッドランプはバイビームLED、角目は3連のPES式とリフレクター式を用意する。

新型レクサスGXのエクステリアデザインでは、フロントマスクに、レクサスの象徴でもあるスピンドルボディとオフロード機能に根差したプロテクター形状を融合。センター部分は障害物からコンポーネントを保護するためプロテクター形状として、サイドはサブラジエーターを冷却するグリル開口となっている。

レクサスの象徴でもあるスピンドルを塊で表現した「スピンドルボディ」とプロテクター形状を融合。ヘッドライトはトリプルビームLEDヘッドランプを採用する。

車両前部の下方視界を確保するため、ボンネットのフード中央部分は低く構え、車両感覚を掴みやすくするため、フードのコーナーを高くして角ばらせている。これはランクル250とも共通する部分だが、オフロード走行時の安心間を提供している。

リヤのランプはレクサスの新たなアイコンとしての一文字リヤコンビネーションランプとLEXUSロゴタイプを採用してる。また、リヤコンピネーションランプを高く配置することにより、林や見通しの悪い場所でも自車の存在を認識させやすくしている。ホイールサイズは18、20、22インチを設定する。

ボンネットのフード中央部分は低くして路面を見やすくしている。また、フードの両サイド角をを高くして車両感覚を掴みやすくしている。
無駄なコーナーの角を面削ぎ、狭い場所での取り回し性を向上している。

ボディサイズを比較してみると、2台はほぼ同等のサイズである。

【新型ランドクルーザー250】
全長×全幅×全高:4925mm×1980mm×1870mm
ホイールベース:2850mm

【新型レクサスGX】
全長×全幅×全高:4950mm×1980mm×1865mm
ホイールベース:2850mm

新型ランドクルーザー250のボディサイズは新型レクサスGXに比べて、
全長-25mm、全幅±0mm、全高+5mmとなっている。

【インテリア比較】高級感と実用性の両立

ランクル250はフィジカルスイッチ類をあえて機能ごとに異なる形状と操作方法とし、ブラインド操作を可能にしている。

新型ランドクルーザー250のインテリアは、高級・豪華な雰囲気からリアルオフローダーらしい機能性を感じさせるデザインへとシフト。強さと安定感のある空間、低く設計された水平基調のインパネや、様々な環境で運転する時でも迷わず操作がしやすいスイッチ形状を採用するなど、悪路走行時も含めた機能性向上に貢献している。フィジカルスイッチ類は、あえて機能ごとに異なる形状と操作方法とし、ブラインド操作を可能にしている。また、悪路でも容易に乗車姿勢を保持可能にするニーパッドを装備するなど、本格的なオフロードを想定した装備を多数備えている。

ランクル250のメーターパネルはフル液晶式となっている。

ラゲッジは、大人4人が満足でき必要な物を運べる荷室容量を確保し、前型の398Lから408Lへと拡大している。

新型レクサスGXのインテリアは、オフロード走行時の全方位における視認性などの機能性に配慮して使い勝手に優れた様々な機能を備える。インパネ中央を左右に貫く金属調加飾が空間に広がりを与える。メーターからつながるセンターディスプレイには、レスサス初の合皮の縁取りが施されている。

2列目シートは、キャプテンシーかベンチシートを選択可能。3列目シートも設定されている。

【パワートレーン比較】日本仕様のエンジンはベーシックな2種類のみ

新型ランドクルーザー250のパワートレーンはグローバル向けに全部で5種類がラインナップする。
すべて直列4気筒で、ランドクルーザー・シリーズとして初めてハイブリッドを設定している。

・2.4L直列4気筒ターボ+ハイブリッド/北米・中国
・2.4L直列4気筒ターボ/中近東・東欧、その他
・2.8L直列4気筒ディーゼルターボ+48Vマイルドハイブリッド/豪州、西欧
・2.8L直列4気筒ディーゼルターボ/日本・西欧・東欧・中近東・その他
・2.7L直列4気筒ガソリン/日本・東欧・その他

日本に導入されるパワートレーンは、2.8L直列4気筒ディーゼルターボ「1GD-FTV」と8速ATを組み合わせたものと、2.7L直列4気筒ガソリン「2TR-FE」に6速ATを組み合わせた、最もベーシックな2種類のエンジンで、前型の4代目プラドと同じランナップとなる。2.8L直列4気筒ディーゼルターボには新開発8ATを組み合わせ、オフロード・オンロードでの扱いやすさを向上している。

2.8L直列4気筒ディーゼルターボには新開発8ATを組み合わせる。

日本仕様にはラインアップされないものの、注目は2.4L直列4気筒ターボ+ハイブリッドだ。8速ATに薄型モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを採用し、オフロード特性も考慮しているのが特徴だ。発進から登坂・トーイング時などにも大きな力を発揮する。システム最高出力243kW(330ps)、最大トルク630Nmというスペックを誇る。

新型レクサスGXは、3.5L V6ターボと2.4L直列4気筒ターボハイブリッドの2種類をラインアップする。駆動方式はどちらもフルタイム4WDとなる。3.5L V6ターボには、353ps/246Nmを発生させ非常にパワフルだ。そこに10速ATを組み合わせる。2.4L直4ターボハイブリッドはレクサスのボディオンフレーム車では初搭載となり、燃費と出力を高次元で両立させている。こちらは8速ATとなる。こちらは今後登場予定とのことで、エンジンスペックなどは現時点ではアナウンスされていない。

2.4L直列4気筒ターボハイブリッド

新型ランドクルーザー250(日本仕様)
【2.7L直列4気筒ガソリン】
最高出力:163ps(120kW)/ーrpm
最大トルク:246Nm/ーrpm

【2.8L直列4気筒ディーゼルターボ】
最高出力:204ps(150kW)/ーrpm
最大トルク:500Nm/ーrpm

新型レクサスGX
【3.5L V6ターボ】
最高出力:353ps(260kW)/5200rpm
最大トルク:673Nm/3900rpm

【2.4L直列4気筒ターボ+ハイブリッド】
最高出力:ーps(ーkW)/ーrpm
最大トルク:ーNm(ーkgm)/ーrpm

【新型ランクル250を新旧比較】プラドが14年ぶりのモデルチェンジ!サイズやエンジンはどう変わった?

8月2日、トヨタのランドクルーザーシリーズに新モデルとなる、新型ランドクルーザー250が発表された。従来のランドクルーザープラドの後続車種となる。プラドから250にネーミングが変更され、新型モデルはどうのように変化したのだろうか?新旧モデルを比較してみよう。

新型ランドクルーザー250

新型ランドクルザー250が「プラド」の名前を捨てた理由とは?日本仕様に電動パワートレインの設定なし?

トヨタが「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」としてプライドをかけて開発している本格オフローダーがランクルこと「ランドクルーザー」だ。そしてランクルは、フラッグシップ、ヘビーデューティー、ライトデューティーと3つのラインナップでの展開となっている。これまで人々の生活と実用を支えるライトデューティーモデルとして親しまれてきたモデルには"プラド"の愛称がつけられてきたが、このたび発表された新型モデルではランドクルーザー250系と呼ばれることになる。はたして、その狙いとは? 公開情報から自動車コラムニストが読み解いてみた。 REPORT:山本晋也(YAMAMOTO Shinya) PHOTO:トヨタ自動車(TOYOTA)

キーワードで検索する

著者プロフィール

MotorFan編集部 近影

MotorFan編集部