アウトドアで使いやすい軽ワゴンはどっち? 新型スズキ スペーシアギア vs. 三菱 デリカミニ

今、軽自動車のなかでもっとも注目を集めているのは防水シート&ラゲッジなどが備わったアウトドア向け軽スーパーハイトワゴンだ。2024年9月20日に発売したばかりの新型スペーシアギアと、2023年5月に発売された三菱 デリカミニのスペックを比較してみよう。

MITSUBISHI DELICA MINI
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SUZUKI SPACIA GEAR

車内の広さは互角だが、使い勝手ではスペーシアギアがリード

ホイールベースが長いデリカミニのほうが後席の膝周り空間が広いが、後席乗員の頭上空間に余裕があるのはスペーシアギアのほうだ。ただし、いずれの箇所も拳ひとつ分程度の違いでしかなく後席の居住性は同等と言えるだろう。

両車の大きな違いを挙げるとすれば、荷室空間の仕立てにある。どちらも後席は荷室高を稼ぐためにダイブダウン式格納となっているが、デリカミニは格納したときの傾斜がやや強い。また、後席背もたれを倒してしまうと荷室側から後席のスライド操作ができない点もデリカミニのウィークポイントだ。

基本的な装備や荷室空間の広さに大きな差はないが、アウトドアシーンに限らず車内の使い勝手はスペーシアギアのほうが優れていると言えよう。

三菱 デリカミニ G Premium(4WD)
ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1830mm
ホイールベース:2495mm
車両重量:1050kg
タイヤサイズ:165/60R15(前後)

スズキ スペーシアギア HYBRID XZ(4WD)
ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1800mm
ホイールベース:2460mm
車両重量:950kg
タイヤサイズ:155/65R14(前後)

悪路走破性ではデリカミニの4WDが圧倒

パワートレインは、どちらも直列3気筒エンジン+CVTの構成だ。両車ともに自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類が用意されており、全モデルにマイルドハイブリッドシステムが備わる。

動力性能はデリカミニのほうがわずかに高いが、スペーシアギアに対して車重は100kg重く、発進加速性能や燃費性能で優れるのはスペーシアギアのほうだ。しかし、悪路での走行性能はデリカミニの4WDがスペーシアを圧倒する。

デリカミニは4WDモデルにのみ大径タイヤと専用サスペンションが搭載され、4WDシステムにも手が加えられている。最低地上高もスペーシアギアより10mm高い160mmだ。

どちらの4WDモデルにもヒルディセントコントロールやブレーキLSDなどの悪路支援機能が搭載されるが、起伏の激しい不整地を走行する機会があるならデリカミニの4WDを選んでおきたい。

三菱 デリカミニ G Premium(4WD)
エンジン形式:直列3気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量:659cc
最高出力:52ps/6400rpm
最大トルク:60Nm/3600rpm
トランスミッション:CVT
駆動方式:4WD

スズキ スペーシアギア HYBRID XZ(4WD)
エンジン形式:直列3気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量:657cc
最高出力:49ps/6500rpm
最大トルク:58Nm/5000rpm
トランスミッション:CVT
駆動方式:4WD

4WDの走りが魅力のデリカミニと、車内が使いやすいスペーシアギア

価格は、グレードや駆動方式を問わずデリカミニのほうが数万円ほど安い。現在販売されているアウトドア向け軽ワゴンなかで、リヤサーキュレーターとステアリングヒーターが備わるのはこの2台のみであり、機能やスペックが同じであればコスパに優れるのはデリカミニのほうと言えそうだ。

とくにデリカミニの4WDモデルは、ライバルよりも高い悪路での走行性能が魅力でありアウトドアシーンでも大活躍する。また、その特別感から所有満足度も高い。しかし、軽ワゴンとしての細部のつくり込みでは最新のスペーシアギアに一歩劣ると言わざるを得ない。

よりSUVらしいディテールや走行性能を求めるのであればデリカミニは魅力的な選択だが、アウトドアシーンでの車内の使い勝手を優先するのであれば、やや高い価格を差し引いてもスペーシアギアを選んだほうが無難と言えるだろう。

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