12月5日にいよいよイヤーカーが決定! 10ベストカーの担当者に聞いた各車のアピールポイントは!?【2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤー】

11月26日に開催された、2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤーの10ベスト取材会。はたして、自分のクルマがイヤーカーに選ばれるのかどうか...。会場に勢ぞろいした自動車メーカー&担当者は、期待と不安を胸に抱えていたに違いない。そんなみなさんに、ひと言コメントをいただきましたのでお聞きください。最終選考会は、12月5日です!

日本カー・オブ・ザ・イヤー2024-2025最終選考会はYouTubeでライブ中継を実施!

いよいよ12月5日に開催が迫ってきた日本カー・オブ・ザ・イヤー2024-2025最終選考会。この場で選考委員59名による最終選考投票が開票され、イヤーカーが決定することとなる。開催時間は15時〜17時で、その模様は日本カー・オブ・ザ・イヤー公式のYouTubeチャンネルにてライブ中継される。

2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤー最終選考会・表彰式
・日程:12月5日(木)
・時間:15時~17時
・場所:ボッシュ株式会社 本社(神奈川県横浜市都筑区中川中央1-9-32)
・司会進行:おぎやはぎ、サッシャ
※⼀般の⽅は最終選考会にご参加いただけませんが、Platz(全天候型広場)に展⽰される10ベストカーの実⾞はご覧いただけます。

その最終選考会に先立って、11月26日には10ベストカー取材会が開催された。選ばれし10台が袖ヶ浦フォレストレースウェイ(千葉県)に勢揃いし、選考委員が試乗や評価を行なって最終選考投票の参考にするというものだ。

10ベストカー取材会には、自動車メーカーの開発責任者やインポーターの商品担当者も多数来場。みなさんに10ベストカーに選ばれた感想、イヤーカーへの想い、そして自車のアピールポイントなどなど聞いてみましたので、お聞きください〜!

11月26日の10ベストカー取材会には、選考委員や自動車メーカー&インポーターの担当者・広報のみなさんが勢ぞろい。

谷口信輝がCOTY候補10台を一気乗り! そのお眼鏡に適ったのはいったいどのクルマ!?【2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー】

おなじみのレーシングドライバー、谷口信輝さんはモータージャーナリストの一面もあり、日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)の選考委員も務めている。そんな谷口さんが、11月26日に行なわれた10ベストカー試乗・取材会に参加。2024-2025 COTYの候補車10台を一気乗りしたので、その感想を聞いてみた。キーワードは「人馬一体」だ。

スズキ・フロンクス

「フロンクスはまったく新しいモデルで、名前もまだ多くの方に浸透していない状況でした。正直、その点に不安もありましたが、逆にその新しさが今回は魅力となったように思います。『聞いたことのない名前のクルマだ』という点が、メディアの皆さんに試乗していただいたり、情報を発信していただいたりするなかで、興味を引くポイントになったのではないか、と。

デザインについては、コンパクトSUV市場には多くの選択肢がありますので『埋没しない』ことを目指して開発を進めてきました。その結果、多くの方に『ちょっとほかとは違う』と思っていただけたことも、興味をお持ちいただくきっかけになったのではないでしょうか。

実際に乗っていただくなかでも、『安心・安全プラス笑顔』というコンセプトを掲げ、しっかりと安心・安全に走りながらも、運転される方がハンドルを切ったときに『思いどおりに動く』と感じられるようなクルマづくりを目指しました。

また、ドライバーが楽しくても、同乗者が快適でなければ、全員が笑顔にはなれません。そこで、後部座席の静粛性や乗り心地にも徹底的にこだわり、家族や友人と楽しく会話が弾む車内空間を実現しました。そうした要素が重なり、お客さまからも『所有したら楽しいクルマになりそう』と注目していただけるようになったのだと思います」by 森田祐司さん(チーフエンジニア)

スズキ・フロンクス
スズキのブース
森田祐司さん(チーフエンジニア)

トヨタ・ランドクルーザー250

「ランドクルーザー250は、『人の生活を支える』というランドクルーザー本来の使命に原点回帰する。そういう目的でゼロからつくり上げたクルマなのですが、それが市場に出て、お客さまからもメディアの方々からもご好評の声を多くいただきまして、開発陣一同、大変うれしく思っています。

1年を通じて非常にいいクルマが多く登場したなか、ランドクルーザー250が10ベストに選ばれたということも本当に光栄です。ランドクルーザーというクルマをしっかりと丁寧につくり続けてきた結果だという風に思っております。ここまで来れたことに感謝しています」by 森津圭太さん(チーフエンジニア)

トヨタ・ランドクルーザー250
トヨタのブース
森津圭太さん(チーフエンジニア)

ホンダ・フリード

「フリードは6月末に発表・発売させていただいてから、非常に好調なスタートを切ることができ、お客さまからのうれしいお声も耳に届いております。フリードは、お客様の生活を支えたいという想いを込めて、使いやすさや乗り心地の良さを徹底的に熟成させたモデルです。こうした点を評価していただけたことは、開発チームとして何よりの喜びであり、開発の甲斐があったと実感しています。

以前開発に携わったS660も10ベストに選ばれてCOTYを争った経験があります。当時はマツダさんのロードスターさんとギリギリの接戦を繰り広げ、結果的にその座を譲ることになりましたが、それも良い思い出です。S660は非常に尖ったつくりをしていましたが、今回のフリードはまったく異なるアプローチで開発したモデルです。尖った個性ではなく、お客さまが求める『最も良いもの』を提供することを念頭に置きました。時代や市場のニーズに応え、生活に寄り添うクルマとして仕上がったフリードを、多くの方に評価していただけたことは、大きな励みとなっています」by 安積悟さん(開発責任者)

ホンダ・フリード
ホンダのブース
安積悟さん(開発責任者)

マツダCX-80

「ラージ商品群というカテゴリーは、マツダが全社を挙げて力を注いで開発している次世代の基軸となるモデルです。プラットフォームやエンジンを含むすべての要素を一新し、しっかりとつくり込んだことを皆様に評価していただけたのは、大変うれしく思います。私自身、このモデルには『夢』が詰まっています。FR(フロントエンジン・リヤドライブ)であること、そして直列6気筒エンジンを搭載していることなど、いろいろな思いが込められています。

CX-80でアピールしたいところは、まず走りですね。今日のようなサーキットでも安定した走りができますし、全長5m弱のボディでもそのサイズを忘れるようなハンドリングや加速を楽しんでいただけると思います。また、2列目/3列目シートにも大人がしっかり座ってくつろいでいただけるパッケージングを実現しました。それでいて外観は上質で美しいデザインに仕上げています。このように、幅広いニーズに応える『なんでもできる1台』として、マツダのフラッグシップに相応しい一台になったと自負しています」by 柴田浩平さん(主査)

マツダCX-80
マツダのブース
柴田浩平さん(主査)

三菱トライトン

「トライトンは世界的には商用から乗用まで幅広いお客さまにご支持いただいていますが、日本市場では、特に趣味やレジャー用途で使われることが多いなかで、トライトンが今回10ベストに選出されたのは『うれしい』のひと言です。ピックアップトラック(商用車)というよりも、SUVの一台として受け止めていただけたのかな、と思います。快適性や居住空間など、乗用的な使い方にはかなりこだわりましたので。

また、デザインもトライトンの大きな魅力のひとつです。ユニークな存在感、圧倒的な力強さというものは、車両の骨格や乗り味をしっかりと表現できたからだと思っています。

ありがたいことに、日本市場での販売台数は当初の計画の倍以上となっており、多くのお客様に支持されています。特にデザインや乗り心地に関して、高い評価の声をいただいており、大変感謝しています」by 戸邉哲哉さん(セグメント・チーフ・ビークル・エンジニア)、小池矩仁彦さん(デザインマネージャー)、板垣邦俊さん(チーフ・プロダクト・スペシャリスト)

三菱トライトン
三菱のブース
左から戸邉哲哉さん(セグメント・チーフ・ビークル・エンジニア)、小池矩仁彦さん(デザインマネージャー)、板垣邦俊さん(チーフ・プロダクト・スペシャリスト)

レクサスLBX

「LBXは、レクサスのラインアップのなかでも、これまでの高級車における『豪華』や『大きい』といった固定概念を取り払った、もっとカジュアルに楽しめる、新しいラグジュアリーを提案するクルマです。まるでスニーカーのように気軽で快適、それでいて上質な体験を提供する、そんなコンセプトで開発しました。ある意味、これまでのレクサスの路線から少し外れる部分もありますが、NXやRXで築いてきた次のステップとして取り組む、多様性(ダイバーシティ)を体現したモデルと言えます。

いろいろな価値観やライフスタイルをもつお客さまに寄り添い、地域ごとのニーズに応えることを大切にして、これまで『レクサスは敷居が高い』と思われていた方にももっと身近に触れていただく機会を設けていきたいと考えました。特にヨーロッパを中心とした地域では、このサイズのクルマが生活の中で欠かせない存在です。そういった場所でも、このクルマの存在価値を発揮していけると思っています」by 遠藤邦彦さん(チーフエンジニア)

レクサスLBX
レクサスのブース
遠藤邦彦さん(チーフエンジニア)

BYDシール

「私たちが新しいブランドとして日本市場に参入し、多様な選択肢のなかで今回、BYDのモデルが初めて10ベストに選ばれたことは、とても光栄なことだと感じています。

BYDシールはヨーロッパのデザイン要素を取り入れつつ、弊社独自の最新プラットフォーム『プラットフォーム3.0エボ』を採用しています。バッテリーセルとボディを一体化させた『CTB(セル・トゥ・ボディ)』構造が特徴で、これによってボディ剛性が大幅に向上し、スポーツカーではありませんが、スポーツドライブにも十分対応できる安心感を体感していただけるはずです。

快適にくつろげる室内も特徴で、四隅に配置されたタイヤやロングホイールベース設計により、広々とした空間を実現しています。フラットなフロアやパノラマグラスルーフの採用により、後部座席の開放感も抜群です。また、BYDシールはオプション設定を設けず、すべての装備を標準搭載しており、『全部盛り』と言っても過言ではない充実した仕様となっています」by 新道 学さん(商品企画部 部長)

BYDシール
BYDのブース
新道 学さん(商品企画部 部長)

ヒョンデ・アイオニック5 N

「2年前にヒョンデはアイオニック5でインポート・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞いたしました。今回、また10ベストに選んでいただき、アジアブランドとしては2回10ベストに入ったのは初めてのことなので、大変光栄に思っています。

今、EVがたくさん出てきていますが、その多くが環境性能を主眼に置いたものです。そんななか、我々は純粋に操る楽しさをこのNで実現することで、今までとは違う方向性を示すことができたのではないか、と。パワーだけではなく、スポット溶接を40箇所増やしたり、ボディの接着剤も2.1m増やしたりと、見えないところにまで手を入れて、人間で言うならば体幹を鍛え直したことも効いています。

また、制御によってキャラクターを変えられるのもEVならではで、毎日の買い物でもゆったり乗っていただけますし、峠を攻められるハイパフォーマンスカーにもなります。この1台でさまざまな使い方ができるのも大きな魅力だと思っています」by 佐藤 健さん(商品チーム シニアスペシャリスト)

ヒョンデ・アイオニック5 N
ヒョンデのブース
佐藤 健さん(商品チーム シニアスペシャリスト)

MNIクーパー

「MINIはこれまでガソリンモデルが中心でしたが、新たにEVをラインアップに追加しました。これにより、お客さまのライフスタイルやニーズに合わせてドアの枚数やパワートレーンをお選びいただけるようになりました。

ヨーロッパでは前モデルからMINIのEVを展開しておりましたが、日本市場への導入は今回が初めてです。その実現に向け、約2~3年前から準備を進めてきて、今年7月、ついに日本での発売に至ることができました。クラシックミニが1959年に誕生し、2002年にはBMWによる新たなMINIを発売しましたが、EVのMINIクーパーは、歴代のどのモデルよりも楽しいMINIになっているのではないかと感じています。

MINIはもともと実用車として誕生しましたが、そのデザインやキャラクターの魅力により、ミュージシャンやファッションデザイナーといった方々にも愛されてきました。その伝統を大切にしながら、現代のトレンドを取り入れた新型MINIクーパーは、お客さまに新しい体験をお届けできる1台になっています」by 山口智之さん(MINI本部長)

MINIクーパー
MINIのブース
山口智之さん(MINI本部長)

ボルボEX30

「ボルボの他のラインアップにも言えることですが、現在、購入動機で最も多いのはデザインです。ここ10年ほど、特にXC90の2世代目が登場して以降、その傾向が強まっています。以前は安全性や使い勝手が重視されていたところ、現在ではデザインがヒットポイントとなっています。EX30においても、内外装は新しさを感じさせつつ、ボルボが大切にしてきた『人を中心に快適な空間を提供する』というコンセプトをしっかりと両立しています。

さらに、内装には再生可能なリサイクル素材を多用していますが、それをデザインに巧みに活かすことで、高級車らしい品質と美しさを実現しています。

確かに再生素材を取り入れるにはコストがかかりますが、これはモビリティを未来につなげていくことを考えた際、自動車メーカーとして環境負荷を減らすという責任を果たすものです。こうした点で業界をリードしてくという取り組みは、まさにボルボらしい考え方だと思います」by 畑山真一郎さん(プロダクトマネージャー)

ボルボEX30
ボルボのブース
畑山真一郎さん(プロダクトマネージャー)

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