よく考えてみれば、家の中はこまめに掃除するのに、クルマの中というのはめったにしないし、まったくやらない人もいるだろう。またやったとしてもザッとゴミを拾って、目に付いたところを拭いておしまいだったりする。もちろんそれではダメ。やらないよりはやったほうがいいが、見えないところにこそ問題は潜んでいるのだ。ただ、車内清掃というのは形状は複雑だし、素材もバラバラゆえに奥はかなり深い。今回は基礎の基礎となる掃除機使いについて紹介しよう。掃除機が上手に使えれば、ゴミを効率的に取り除けるだけでなく、雑菌の温床となるホコリなども吸い出すことができる。
まず用意するのは当然掃除機なのだが、車内で使うのでコンパクトであればなんでもいい。シガーソケットから電源が取れる自動車専用や、家庭で今流行っている充電式のものもオススメ。なければコイン洗車場やガソリンスタンドにあるコイン式の掃除機でもいい。ノズルは太いもの以外に、細いノズルも用意したい。クルマの場合は狭い部分も多いので、太いノズルだけだと機動力がダウン。細いものであれば、すき間にも突っ込むようにして使うことができる。
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まず車内にあるもので、車外に取り出せるものはすべて取り除くのが基本で、その昔はシート丸ごと外す猛者もいたが、とりあえずフロアマットを外に出すだけでいい。そのうえでまずは掃除機をかけていく。家でやるように見えるところからドンドンとかけていくのは当然。さらにポイントは見えないところにもかけていくということ。具体的には各シート前、足元の奥で、とくに運転席にはペダルがあるのでその奥だけでなく、ペダルにもかけてやる。足裏が当たるゴムのバッドには溝が入っていて、ドロなどが入り込んでいることがあるのであれば念入りに取り除いておく。
そしてシートの下だ。フロアは中腰になってかけていけば問題なく作業できるはずだが、盲点なのがシートの下。中腰で作業をすると目線が上からになるので、本丸であるシートの下全体に目が行かない。そこでコツは腰をしっかりと落として、覗き込むようにするということ。そうするとシート下がよく見えるのだが、意外な発見をすることが多い。細かなゴミなどはもちろん、お菓子のクズや髪の毛など。これらはダニの好物で温床になるので、できるだけ完璧に取り除いておく必要がある。そのためには太いノズルでザッとやったら、細いものに交換してシートレールの脇など細かいところをきれいにしていく。また真下だけでなく、シートとコンソールのすき間などもかけておく。
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これまででフロアまわりはきれいにできた。ただし、これでおしまいではなく、次はシートをかけていこう。シートは夏だととくに背中にかいた汗が染み込んだままという、よく考えると強烈に汚い場所なのだが、それらを吸い出すのは素人にはかなり難しい。そこはそのままにしておいて、表面に溜まったホコリなどを取り除いてやるだけでも、清潔度はアップする。
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シートにはそれほどホコリが溜まっていないように思うかもしれないが、座面とシートバックのすき間などにはけっこうな量が入り込んでいるし、各所に入れられているステッチの縫い目も同様。そもそも形状は凹凸が激しいので、谷部分は要注意だ。
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まずは表面をザッとかけたら、次は座面の奥。そしてステッチや縫い目部分をかけていく。その際にただノズルで撫でるようにしてかけるのではなく、指先で開くようにしてそこにノズルを軽く押すようにして当てて吸っていくのがコツだ。そうすると入り込んだホコリなどが取れやすくなる。これで完了だが、フロアと各シートすべてをやると30分ぐらいはかかるハズ。そんなにかかるのか!? と思うかもしれないが、逆を言えばそんなにかかるものをサッとで終わらせるということは効果半減、とても恐ろしいということとも言えるだけに、油断してはダメだ。
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以上で終了だが、最初に車外に出したフロアマットのクリーニングについても付録的に紹介しておこう。こちらもまずは掃除機をかけてやる。車外に出しての作業はとてもやりやすいハズだ。次は水洗いを行うのだが、唯一簡単に車外に取り出せるのがフロアマットだけに、しっかりと洗ってやろう。ただし、洗い方にもポイントがあって、水をかけてからブラシでこするのではなく、水をかけながらというのが正解。水をかけていると水流で毛が開いて自然にゴミが流れ出るのでとても楽で、こするのは最後の仕上げ程度でかまわない。つまり水をかけながらなら、あまり手を汚さなくて済むというわけだ。水洗いが済んだら車内に戻すが、しっかりと乾燥させてからではないと水分が湿気となってダニや雑菌の温床になるので逆効果になってしまう。出かけるなどで完全に乾かす時間がない場合は、エアコンを付けて、吹き出しを足元にして走って半ば強制的に乾かすのもいいだろう。
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