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初代、2代目は性能の高さと人気で、ライバルであるコロナを寄せ付けずクラストップセラーカーとなっていた。しかし3代目コロナ(バリカンコロナ)が、デザインクオリテイの高さと、新機軸に頼らず既存技術を煮詰めた信頼性の高さで初めてブルーバードを販売面で抜き去った。時代は「マイカー」という言業が急速に身近な存在となっていた。日産は1967年に510型ブルーバードを戦に送り、コロナとのお互いの頭文字をとった「BC戦争」も天王山を迎えることとなった。
オーソドックスなボックススタイルを基調とし、「スーパーソニックライン」と称された、直線的で彫りの深いデザインでまとめられたエクステリアを採用。搭載エンジンは旧型とは排気量は同じなのだが、新開発の1.3ℓOHCエンジン。510型はエンジンのみならず、メカニズム面でも一新されていた。とくに日産では初の4輪独立懸架を採用したのが「最も注目すべき点」として、当時のモーターファン誌でも紹介されていた。フロントはマクファーソンストラット、リヤはセミトレーリングアームを採用。
エアルーバーを採用し、三角窓を廃止にするなど、ライバルコロナに対し先進イメージを強調した。
1.3ℓのほかにこれをベースにした、1.6ℓツインキャブレターエンジンを搭載したスーパースポーッセダン(SSS)シリーズもラインナップ。先代にあったSS(スポーツセダン)は廃止された。翌年のマイナーチェンジでは、1.6ℓシングルキャブレターエンジンを搭載した「ダイナミックシリーズ」を追加。シリーズ全体ではワイパーをトラックやミニバンのような交差式から、同位相型に変更した。さらに同年には2ドアクーペをラインナップに追加。ピラーレスハードトップモデルを持つコロナに対抗した。
クーペのテールランプはウインカーランプがセンターから外側へ流れるように3段階に点滅するハミングランプが印象的だった。
とにかくよく売れたので、筆者のまわりでも勤務医のおじさんが白の1300DX、遠戚のお兄さんが赤のSSSに乗っていた。DXはコラムシフトとバーメーター採用、そして白いフルシートカバー。赤のSSSはかなり走り込んでいたようで、シフトブーツが破れていてガムテープで補修してあったことをいまも覚えている。
510型は日本国内での成功のみならず、北米マーケットヘ「ダットサン510」として輸出、そして成功を収めた功績も高く評価されている。
標準仕様のメーターまわり
SPECIFICATIONS:Bluebird Sedan SSS(1967)
〈寸法重量〉
全長×全幅×全高:4120×1560×1400mm
ホイールベース:2420mm
トレッド前/後:1280/1280mm
車両重量:915kg
乗車定員:5人
〈エンジン〉
直列4気筒OHC
ボア×ストローク:83.0×73.7mm
総排気量:1595
最高出力:100ps/6000rpm
最大トルク:13.5kgm/4000rpm
〈トランスミッション〉
4MT
〈駆動方式〉
RWD
〈サスペンション〉
前・ストラット式、後・セミトレーニングアーム式
〈ステアリング〉
ボールナット式
〈ブレーキ〉
前・ディスク、後・リーディングトレーニング式ドラム
〈タイヤサイズ〉
5.60-13-4P
〈最高速度〉
165km/h
〈価格・当時〉
75.5万円