アクティブサウンドコントロールはいかに?【SUBARU BRZ長期レポート】

スバルBRZのエンジンパフォーマンスをチェック レブリミットまでエンジンを回してみた! 3速は5700rpmで100km/h

ZD8型BRZに搭載されているFA24エンジン
慣らし運転も終わったのでBRZのパフォーマンスを確認していきたいと思う。まずはエンジンのパフォーマンスから。2代目となるZD8型に搭載されているエンジンは排気量2.4LのFA24だ。もちろん、水平対向エンジンである。

TEXT & PHOTO:松沼 猛(MATSUNUMA Takeru)

FA24の主な概要

カタログでは「全域で高トルクを維持する」「7000回転超まで気持ちよく吹け上がる」を開発テーマとして、初代ZC6型BRZの2.0Lエンジン、FA20のシリンダーブロックの大きさとストローク長86mmはそのままに、ボア径を86mmから94mmに拡大して排気量を2.4Lに拡大させた。

ボアアップにともなって重くなったピストンなどの回転系部品で7000rpmという高回転に耐えるため、スバルはWRC用EJ20エンジンの開発で得た知見を活かして強度アップを図ったと、カタログでは説明されている。

さらに、給気バルブと排気バルブのバルブタイミングを連続可変させるデュアルAVCSとトヨタの燃料噴射システムD-4Sを組み合わせされる。デュアルAVCSは給気バルブと排気バルブのタイミングを連続的に可変させて吸排気効率を高める。D-4Sは吸気ポート内に燃料を噴射するポート内インジェクターとシリンダー内に直接噴射する筒内直接噴射用インジェクターを備えていて、低中回転域ではポート噴射と直接噴射を併用、高回転域ではチョクデツ噴射を行って燃焼効率を向上させるものだ。

FA24にはSUBARUの可変バルブタイミング機構デュアルAVCSとトヨタの燃料噴射システムD-4Sが組み合わされる。

FA24の最高出力は173kW(235ps)/7000rpm、最大トルクは250N・m(25.5kgf・m)/3700rpmを発揮。エンジン性能曲線では3700rpm~7000rpmまで高トルクを維持するフラットトルク特性となっている。

実際に7500rpmまで回してみた

前置きはこれぐらいにして、実際にエンジンを7500rpmまで回してみよう。とは言うものの法定速度60km/hの一般道では1速ぐらいしか使えなさそうだが。案の定1速で試してみたところ、ストレスなく7500rpmまで吹け上がってレブリミッターが強めに作動。ご丁寧にデジタル速度計が赤色になるという演出までついていた。ちなみに7500rpm時の速度は約58km/hだった。2速は高速道路で試したが7500rpmで約96km/hに到達。3速は5700rpmぐらいで100km/hに達した。

パワーフィーリング的には6500rpmから少し伸びる印象。なお、ピークパワーが発揮される7000rpmから7500rpmはあっという間なので、スポーツ走行をする時は7000rpmに達したところで早めにシフトアップをした方が良いようだ。

なお、高速道路を6速120km/hで巡航している時のエンジン回転数は3200rpm。つまり高速道路でも加速する時ぐらいしかフラットトルクを活かせず、FA24エンジンのポテンシャルをフルに発揮できるシーンはかなり限られてくるように感じる。しかし、FA24型エンジンのトルクは3700rpm以下でもそこそこ太いので、実際には問題とならないだろう。

街乗りについても2000~3000rpmでなんにも不満なく走ることができる。

代官山付近をドライブした時のBRZ

しかも、1000rpmぐらいのノロノロ運転状態からでも割と普通に加速する。「ちょっとキビキビ走っているかな」と思った時でもだいたい4000rpmでシフトアップしている感じ。ちょっとした登り坂でも2000rpmぐらいから普通に走るので、せわしなくシフトダウンをする必要もない。

昔は「NAエンジンは回してなんぼ」と言われていたが、回さなくても走りを楽しめてしまうNAエンジンには恐れ入った。

アクティブサウンドコントロールはいかに?

ZD8型では新たにアクティブサウンドコントロールが装備された。これはエンジン回転数やアクセルの踏み込みなどに応じた電気的なエンジンサウンドをインストルメントパネル内に配置された専用のスピーカーから出力するものだ。この専用スピーカーはエアコン操作ダイヤルの裏に設置されているそうだ。

アクティブサウンドコントロールの専用スピーカーはこの裏にあるそうだ。

街乗りなどの走行時は控えめなサウンド出力としてストレスを感じさせないエンジンサウンドを演出。スポーツ走行時はサウンド出力を強化して伸びやかなエンジンサウンドを演出するという。

このアクティブサウンドコントロールについてはネットでも賛否両論あるようだ。実際に高回転まで回した時に聞こえてくるサウンドは、意識していなければ電子音とは感じない心地良さがあった。強いて注文を付けるならS203やS204の様な甲高いサウンドの方が個人的には好きではあるが。

また、実際のエンジンの吹け上がりとサウンドに若干のタイムラグがあるという動画も上がっていて、これに対して否定的な意見も見受けられる。

しかし、自分が運転する場合、体感するGとタコメーターの動きでシフトタイミングを判断するタイプなので、あまり気にはならなかった。

ただしマフラーを交換した場合は、アクティブサウンドコントロールなしの方が楽しいかも知れない。なお、アクティブサウンドコントロールのON/OFFはディーラーで対応してくれるので、必要ないのならばOFFにすれば良いと思う。

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著者プロフィール

松沼 猛 近影

松沼 猛

1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる…