北米スバル、9月のセールスは、半導体の供給不足で急ブレーキ

2022年型スバル・アウトバック
スバルの北米部門であるSUBARU OF AMERICAが、2021年9月の車両販売台数を発表した。トータル4万2054台は、前年同月比30.0%のマイナスである。

2021年9月のスバルの北米販売は、世界的な半導体供給不足に起因する在庫制約により、過去最高を記録した2020年9月(6万103台)と比較して30%減となった。8月の販売台数は4万9373台で前年同月比14.7%減だったから、販売台数の減速Gはさらに大きくなっている。

また、年初来の販売台数は46万2802台となり、2020年の同時期と比較して6%増加した。

スバル・オブ・アメリカ社のトーマス・J・ドールCEOは、
「当社の小売店は、世界的なサプライチェーンの混乱による継続的な課題にもかかわらず、9月に記録的な販売効率を示し続けました」と述べた。

とはいえ、半導体の供給不足、コロナ禍の影響による部品供給の滞り、工場の操業停止など、自動車生産の先行きには不安要素がつきまとう。
需要はあるのに、売るクルマがない状況は、各社に共通した悩みだ。

比較的好調な販売を維持したスバル・クロストレック(日本名XV)

北米のスバル車で9月にもっとも売れたのは、Crosstrek(クロストレック:日本名XV)。1万1864台で前年同月比-0.7%だった。前年実績を売り上げた主要モデルがクロストレックだけだったという見方もできる。2021年9月のWRX/STIの販売台数は、2020年同月比で20.1%増加した。

1-9月累計(YTD)では、フォレスターが13万2254台を販売して台数でトップ。2020年の同時期と比較すると、アウトバックはYTDで15.6%の増加、CrosstrekとWRX/STIのカーラインはYTDでそれぞれ31%と37.5%の増加となった。

これを見ても、需要は堅調なのに売るクルマがない状況がわかる。

ジェフ・ウォルターズ販売担当上級副社長は、
「新型アウトバック・ウィルダネスやフォレスター・ウィルダネスなどのSUVは、オフロード性能の向上やトレイルテストでの信頼性を求める自動車購入者に引き続き強い印象を与えています。自動車業界がさまざまな問題に直面しているなか、スバルの販売店は、優れた顧客体験を提供することに注力しています」とコメントしている。

2021年9月北米スバル販売実績

フォレスター 1万1366台(前年同月比-27.4%)
インプレッサ 3665台(-20.7%)
WRX/STI 2040台(+20.1%)
アセント 4208台(-26.7%)
レガシィ 1419台(-49.9%)
アウトバック 7082台(-58.4%)
BRZ 1台(-99.6%)
クロストレック 1万1864台(-0.7%)
トータル 4万2054台(-30.0%)

2021年1-9月北米スバル販売実績

フォレスター 13万2254台(前年同月比ー1.4%)
インプレッサ 2万2823台(-29.0%)
WRX/STI 2万1220台(+37.5%)
アセント 4万3043台(-13.6%)
レガシィ 1万8695台(-6.7%)
アウトバック 12万2978台(+15.6%)
BRZ 722台(-58.7%)
クロストレック 10万1067台(+31.4%)
トータル 46万2802台(+6.0%)

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