ホンダのM・M思想(マンマキシマム・メカミニマム)から生まれたN-BOXはこれまでも充分以上にルーミーな室内空間を誇っていた。軽自動車は、軽自動車枠という厳格な規定の中で作り上げられる、ある意味、フォーミュラ(規格)カーだ。だから、室内空間も、おいそれとは広くできないはず。
にもかかわらず、新型N-BOXはミリ単位で各部の形状を吟味し、定められた規格の中で限界まで広さを追求した。
ボディ外寸は、全長×全幅×全高:3395mm×1475mm×1790mmは、変化なし。新型は
前席の肩周り空間:+5mm
前席頭周り空間:+5mm
後席の肩周り空間:+55mm
室内有効居住長:+10mm
とした。
後席は、サイドの内部構造を見直すことで、室内側への張り出しを最小化して、後席のショルダールーム(肩周り空間)を先代に対して55mm(片側27.5mm)拡げた。
広いだけじゃない! 乗り物酔いしにくいのがうれしい
ステップワゴンのインテリアでも開発陣がこだわった「乗り物酔いしにくく」する室内空間の作り方は新型N-BOXも同様だ。
「後席乗員は前方が見えにくいと姿勢や視線を乱し酔いやすくなる」という研究結果に基づき、ハーフシェードの廃止やインホイールメーターの採用などで後席からの前方視界を向上させた。これが乗り物酔い防止に効くのだ。
また、フラットなダッシュボードに加え、インストルメントパネルを水平基調とし、フード稜線と窓ガラス下端ラインを進行方向と平行に連続させることで、走行中の自車のロール姿勢(傾き)や向きを把握しやすくした。これで、車両感覚が掴みやすくなった。
また、左フロントピラーに設置していた2つのミラーのうちサイドアンダーミラーをドラミラーに移設し、フロントピラーをすっきりさせることで左前方の視界を向上させた。
広報用のサイドアンダーミラーとドアミラーを集約することで後方確認がしやすくなった。サイドアンダーミラーはリヤタイヤ付近まで映すようにして、狭い道での左折、後退駐車時の安心感を高めた。