発電メカニズムの異なる2種類の摩擦発電デバイスを並列接続することで、幅広い速度域で安定した電力を得ることができるようになり、実車を用いた実験でも、低速域から高速域まで安定してTPMSの起動が可能なことを確認
これまでの開発では、タイヤの歪みの変化による張力を利用した低速域での発電(発電デバイスA)に成功している(※)。今回の開発では、加速度変化による遠心力を利用する発電デバイス(発電デバイスB)を適切に配置することにより、高速域でも相当量の電力を得ることに成功した。発電メカニズムの異なる2種類の摩擦発電デバイスを並列接続することで、幅広い速度域で安定した電力を得ることができるようになり、実車を用いた実験でも、低速域から高速域まで安定してTPMSの起動が可能なことを確認した。
※タイヤ速度50km/hで発電量800μW以上を確認
同社は、CASE(※1)やMaaS(※2)などの自動車業界の変革に対応するためのタイヤ技術開発および周辺サービスのコンセプト「スマートタイヤコンセプト」を掲げて、さまざまな技術開発を行っている。そのなかでもタイヤを「センサー」としたソリューションサービスの提供を推進している。このタイヤ内発電技術は、タイヤセンシングの一番の課題であるセンサーデバイスの電池寿命を解決する手段であり、この実現により、タイヤセンシングの実用化を大きく前進させることができると同社は考えている。
※1:「Connected(コネクテッド)」「Autonomous(自動運転)」「Shared & Services(カーシェアリングとサービス/シェアリングのみを指す場合もある)」「Electric(電気自動車)」の頭文字をとった造語
※2:MaaS=Mobility as a Service。目的地までのルートや移動手段の検索や予約、決済を一括して行えるサービス