そこに未来は感じられるか? ソニー・ホンダのアフィーラ、世界に一台のプロトタイプを体験

SONYとHondaが50%ずつ出資したソニー・ホンダモビリティ。2025年に発表・26年にデリバリー開始を予定しているアフィーラ(AFEELA)のプロトタイプが日本に上陸。ジャパンモビリティショー2023に展示される。それに先だって、報道陣に公開された。

虎ノ門ヒルズ48Fで見たアフィーラ

虎ノ門ヒルズステーションタワー48F。眼下に東京を一望できる場所でアフィーラは公開された。

SONYとHondaという2大ブランドのコラボレーションで世界をアッと言わせたソニー・ホンダモビリティ。その第一弾は今年のCESで発表されたアフィーラ(AFEELA)だ。

現在、存在するのは、プロトタイプの一台のみ。この一台がいま日本にある。ジャパンモビリティショーで一般公開されるわけだが、その前に報道陣に公開された。

全長×全幅×全高:4895mm×1900mm×1460mm ホイールベース:3000mm

場所は、虎ノ門ヒルズ48F。眼下に東京の街を一望できるホールにアフィーラは置かれていた。

AFEELA Prototype
全長×全幅×全高:4895mm×1900mm×1460mm
ホイールベース:3000mm
駆動方式:AWD
乗車定員:5名
サスペンション:Fダブルウィッシュボーン式 Rマルチリンク式

ボディサイズは、昨今の巨大なSUVベースのBEVに見慣れた目から見ると、比較的コンパクトに見える。クセのないプレーンな造形で、サイドミラーはカメラ化され、ドアハンドルもないツルンとしたボディだ。現状、世界にこの一台しか存在しないプロトタイプで、1月のCESで展示されたクルマそのものだという。

アクのないプレーンなスタイルは、SDV(ソフト・デファインド・ビークル)として、ソフトウェアのアップデートでクルマを進化させていく際に、外観で新規さを表現するわけではない、という意味なのだろう。

サイドにはカメラが
リヤサスペンションの形式はマルチリンク式。

一台しか存在しないプロトタイプとは思えないほど、細部までしっかり作り込まれていた。実際に走行可能だという。

ドアハンドルがないアフィーラに乗り込むには、センターピラー上部にあるカメラで個人認証を行ない、オーナー(ドライバーが)が近づくとドアが自動的にオープンする仕組みだ。現状では説明員がスマホで操作し、ドアを開けてくれた。これはほかの3枚のドアも同じ。開閉は自動で行なわれるため、マニュアル(人力)では閉めないように指示された。

リヤのトランクリッドは現状、開かない。リヤサスペンションを覗き込んでみると、こちらもきちんと作り込まれていた。リヤサスペンションはマルチリンク式だ。

ヘッドランプの間にある「Media Bar」は、モビリティと人がインタラクティブにコミュニケーションするためのスペースだ。ドライバーが近づくと、現在の充電状況を知らせたり、ソニーが持つさまざまなコンテンツを表示できたりする。

アフィーラのハイライトは、インテリア(というか乗員の車内体験)にある。

プロトタイプは左ハンドルだ。
車内から見上げた室内天井

乗り込んで見る。後席に座った。後席左右に大きなモニターがある。前席のインパネは全体がモニターになっている。ここに、さまざまな情報やコンテンツを映し出せるようになっている。クルマの情報、映画、音楽、ゲームの画面が大きなサイズで楽しめるわけだ。音響も自慢のようで、360°サラウンドで迫力ある音が体験できた。

想定している自動運転のレベルは、特定条件下での「レベル3」運転を目指し、市街地など広い運転条件下では「レベル2+」だ。クアルコムが開発する最大800TOPSの処理能力をもつSoC(System on Chip)を搭載。Snapdragon Digital Chassisを採用しており、AD/ADAS、HMI/IVI、テレマティクスなどの主要機能を実現する。

短時間の体験だったが、計画通りに開発が進んでいる様子は見てとれた。ただし、現在の車両でコンテンツがリッチになるだけでは2025年ではライバルに対して決定的な優位性はなくなりそうだ。2025年に、市販モデルになるときには、再びアッと言わせる新機軸が用意されていると期待したい。

もちろん、PlayStationも

キーワードで検索する

著者プロフィール

鈴木慎一 近影

鈴木慎一

Motor-Fan.jp 統括編集長神奈川県横須賀市出身 早稲田大学法学部卒業後、出版社に入社。…