FIAフォーミュラE世界選手権を戦っているニッサン・フォーミュラEチームは3月28日、東京都内で記者会見を実施。そのなかで、2030年までフォーミュラEに継続して参戦することを発表した。
日産は、第2世代のフォーミュラEマシン「Gen2」が2018/19年のシーズン5からフォーミュラEに参入した。当初はルノーがパートナーとしていたチームを引き継ぐかたちで「ニッサンe.Dams」としてエントリーしていたが、現行の第3世代マシン「Gen3」が導入されるシーズン9にe.Damsを買収。現在はニッサン・フォーミュラEチームとしてエントリーしている。
そして3月28日、チームのゼネラルマネージャーとマネージングダイレクターを兼任するトマソ・ヴォルペ氏は、第4世代マシンとなる「Gen4」が使用される2029/30年のシーズン16まで、日産がフォーミュラEにコミットすることを表明。会見に出席したFIAのシニア・サーキット・スポーツディレクターであるマレク・ナワレツキ氏と、フォーミュラEのCEOであるジェフ・ドッズ氏とともに、シーズン13から16までの公式登録書に署名した。これにより日産は、Gen4時代へのエントリーを正式に表明した世界で初めての自動車メーカーとなった。
日産自動車の社長兼最高経営責任者である内田誠氏は、プレスリリースに次のようなコメントを寄せた。
「フォーミュラEへ2030年まで継続して参戦することを大変嬉しく思います。フォーミュラEへの参戦は、ファンの皆さまにサーキットでの興奮とワクワクをお届けするだけでなく、Nissan Ambition 2030で掲げた電動化の目標達成に大きく貢献する重要な活動の一つでもあります。レースで磨いた電動化の技術や知見は、将来のより良いクルマづくりにおいて大きな意味を持ちます。日産はワクワクするEVレースの未来とともに、持続可能な社会の実現を目指した取り組みを推進していきます」
2026/27年のシーズン13から導入される次世代マシンGen4は、現行のGen3からさらに進化。最先端の技術が採用されるGen4では、エネルギー効率は更に向上し、電力回生量は最大700kW、最大出力は600kW(816PS)に達する。
詳しい規定などは明らかにされなかったものの、この度の会見において日産は、Gen4において4輪駆動の解禁がされることを希望していることを明らかに。同社は電動パワートレインによる4輪制御システム「e-4ORCE」を持っており、その開発から得られた知見をバッテリーEVによるモータースポーツの頂点においても活用したい考えであるようだ。